オリコンチャートの売り上げに反映されていた「ミュージックカード」という商品形態について、オリコン・リサーチが28日、「合算集計を終了する」と発表した。2012年12月に発売されたEXILEのベスト盤『EXILE BEST HITS ‐LOVE SIDE/SOUL SIDE‐』から、日本で初めて「ミュージックカード」の販売が開始され、一部では「売り上げ数の水増しアイテム」と批判されていただけに、カウント終了はネット上でも波紋を呼んでいる。
「ミュージックカードは1枚数百円程度とCDより安く、また写真違いのものが何種類も発売される場合もあるため、コンプリートを目指すファンによる“まとめ買い”が乱発しています。また、中にはコンサート会場で全種類コンプリートすれば、アーティストと対面できたり、オリジナルグッズがプレゼントされる特典もあり、もはや“CD売り上げ”という尺度とはかけ離れたアイテムとなっています」(芸能ライター)
今回のオリコンの発表でも、こうした問題点に触れ、「ランキングの妥当性及び一般的社会通念に照らして、相当ではない」としているだけに、ミュージックカードは音楽業界的にも問題視されていたことが見て取れる。
「中でも騒動に発展したのが、13年4月に発売されたEXILE『EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~』。10月にミリオン達成が発表され、同年のレコード大賞も受賞しましたが、実は発売直後から段階的にさまざまな形態で販売され、その中に『コンサート会場限定ミュージックカード 全14種類』があったんです。このミュージックカードを全コンプリートすると、非売品の『ミュージックカードコンプリートファイル』が先着プレゼントされるという特典もあり、ネット上では、『インチキミリオン』『金ザイル』などと批判を浴びていました」(同)
またEXILEだけでなく、近頃ではAAAや倖田來未、V6など、特にエイベックスがミュージックカードの販売に力を入れていた。ネット上では今回の発表に「もうドーピングは使えないのか」「EXILEとエイベックスは終わったな」「ついでに握手券も廃止しろ」といった声が上がっている。
またジャニーズ勢では、Sexy Zoneが昨年11月に発売した「君にHITOMEBORE」のミュージックカードが問題になっていた。“ドーピング効果”の結果か、同日に発売されたMr.Childrenや、同年4月に発売された嵐のシングル売り上げを超えたのだ。
こうして握手券商法ならぬ“ミュージックカード商法”に依存するアーティストが続出していただけに、音楽業界にはさらなる激震が走りそうだ。なお発表では、合算集計は4月6日付で終了となっているため、3月末頃に掛けて各アーティストがこぞって“駆け込みミュージックカード発売”……なんて事態が発生しなければいいものだが。
※画像は「EXILE PRIDE~こんな世界を愛するため~」/rhythm zone