プチ早期退職者の資産運用+αブログ

次に崩壊するのは債券/債務バブル

 以前から次のバブルは全世界の債券/債務バブルだと言われている。日本はずいぶん前からマイナス金利に陥っているが、世界的にも金利の低下は著しい。債券が買われ過ぎ、低金利で不良企業が借金を重ねて生き延びるような状況になっている。

 債券/債務バブルがはじけると、株をはじめとして多くの資産の暴落は免れない。金(ゴールド)のような防衛的資産でも、穴埋めのために換金売りされて大きく下げる。タイミングよく逃れるのは困難だが、関連するニュースは気にしておいた方がよい。過去にツイートしたものを中心に幾つかピックアップして記録として残しておこう。


世界の債務残高は増加の一途

 12/2のブルームバーグの記事によると、金融緩和が続いた結果、世界の債務残高は250兆ドルを超え、世界のGDPの約3倍になっている。



 少し前になるが、2018年9月までの増加は以下のグラフになる。
 【図解・国際】リーマン破綻10年・世界の債務残高(2018年9月):時事ドットコムから切り取ったグラフで、2008年のリーマンショク前よりもだいぶ増えていることが分かる。


100年債バブル

 8/16の日経の記事によると、日本より3段階上のダブルAプラスの格付けをもつオーストリアのユーロ建100年物国債は、今年には6月には1.2%台まで低下し、8月には0.6%台とさらに急低下したとのこと。100年先なんて遠すぎて、まともにリスクの判断なんてできないだろう。



ジャンク債でもマイナス金利

 7/10のブルームバーグの記事によると、財政状態がよくないイタリアでも50年債に熱狂的需要があったというので驚いた。10年債レベルでは1.5%強、マイナス金利に落ちてるドイツに比べれば高いけど、あまり投資したい国ではないだろう。マイナス利回りのユーロ建てジャンク債も、年初は皆無だったが、既に14銘柄あると書いてある。



CLO(ローン担保証券)からの資金流出

 9/22の日経の記事によると、債務リスクの象徴とされた低格付け企業向けの融資「レバレッジド・ローン」から資金を引き揚げる投資家が増えているとのこと。このローンはCLOという金融商品になって世界の機関投資家に売られている。景気悪化が先かバブルがはじけるのが先かは分からないけど、CLOは最も懸念すべき金融商品だ。



レバレッジド・ローン債権が急落

 10/10のブルームバーグの記事によると、レバレッジド・ローン債権が急落し、3カ月の間に額面の少なくとも10ポイント相当の価値が失われたとのこと。処分不能になりつつあるが、まともに値が付く今の間に思い切れれば助かる可能性は大きそう。



日銀の金融システムレポート

 10/24のブルームバーグの記事によると、日銀は邦銀のCLOへの投資について、99%がAAA格なので、リーマン級でも大きく下がらないとレポートしたとのこと。本当に信用していいのだろうか。格付けが当てにならないことを証明したのがリーマンショックだった。CLOは値がつかなくなったり、無価値になったりしないのか。



農林中央金庫のCLOの大量保有

 日本のバブル崩壊後も潰れそうだった農林中央金庫は、CLOを8兆円も持っているので有名だ。11/21のブルームバーグの記事によると、金融庁の指導もあり8兆円は切ってきたらしいが、日本で最もCLOを持っている金融機関であることは間違いない。次のバブル崩壊までにCLOの保有削減は間に合うのか。



中国でのデフォルト増加

 9/26のブルームバーグの記事によると、中国の国内債が記録的なペースでデフォルトに陥っているが、来年はオフショア市場の番かもしれないとのこと。中国景気も悪化しているし、ドル建なので償還時に借り換えできる企業は少なそうだ。



 同日9/26の日経の記事によると、既に中国企業はドル債の発行がしずらくなっている。中国につぎ込んできたドイツ銀行も心配だ。独経済も悪化中だし。


 11/26のブルームバーグの記事によると、中国国有の天津物産のドル建て債が債務不履行になった。フォーチュン18年版グローバル500社リストで132位の企業で、ドル債市場でデフォルトする中国公有企業としてはここ20年間で最大級となるそうだ。
 香港の問題もあるし、米国と覇権戦争中だし、次のバブル崩壊は中国発になるなのだろうか。共産党独裁だからどうとでもできるという話もあるが、それでも不可避になるのだろうか。



バブルがはじけるのはまだ先?

 10/19の東洋経済の記事において、山崎 元さんはCLOをバブルとみなしているが、弾けるのはまだ先だという見立てだ



 10月に亡くなられたぐっちーさんの話も出ていた。ぐっちーさんのブログは何年も見ていたし、本も何冊か読ませてもらった。ご冥福をお祈りします。


バブルがはじけたら政府はどうするのか

 リーマンショックの時は、米国は金利を下げ、量的緩和で何とか乗り切った。時価評価の原則を緩和するなど、実態は覆い隠されただけだという話もあるが、米国中心に景気が回復してきたのは確かだ。
 ただ、金利を一旦上げた米国は少し余裕はあるが、日欧はマイナス金利だし、緩和も進めているので、次のショックの時はどうするのだろう?

 リーマンショック時、日本は長期低迷の中、既に低金利になっていたし、ほどなく民主党政権になったので政権崩壊まで回復の芽もなかった。今は大規模緩和とマイナス金利でもたせているが、今度ショックに巻き込まれたら、MMT(現代貨幣理論)に基づいて国債を増発し、積極財政へ転換するしか手はないのではないだろうか。


【2021.3.9追記】

  世界的なコロナ禍によって、各国の緩和拡大、金利低下が進み、バブルの元がますます膨らんでいるようだ。それに加えて、近は空箱(SPAC)まで現れて、盛んにIPOされている。関連する記事も多くあるが、ブルームバーグでも崩壊懸念の記事が出ている。



【2021.5.20追記】

 メモ代わりの情報追記。
 2020年に入ってからの新型コロナウイルスによる危機に際して、世界各国で行われた驚くほどの金融緩和が継続されている。カナダ辺りはテーパリングを始めたが。結果的に、2019年12月に書いた通り、「MMT(現代貨幣理論)に基づいて国債を増発し、積極財政へ転換するしか手はない」状況になったと言える。表立ってMMTに基づいているとは言われていないけれども。

 現在は、ますますバブルが膨らんでいるが、バブルの常として行くとこまで行くしかないのだろう。とても怖いけど。先進国は経済基盤が強いが、新興国はぜい弱だ。コロナ危機のダメージも大きい。しかし、先進国の金融緩和の影響で資金調達がしやすくなり、債務を増やしてしのいでいる状況だ。先進国と新興国のどちらが先にバブル崩壊が発生するのだろうか。

 新興国の債務の債務増大に関して日経の記事があった。結論部分だけ引用すると以下だ(元の記事もその下に貼っておく)。

 国際決済銀行(BIS)の集計で世界のドル建て債務は20年末に約13兆ドルと10年前の1.8倍に膨らんだ。うち新興国は4兆ドルで比率は2割台から3割台に高まった。国際金融協会(IIF)によると返済は21年がピーク。経済回復の遅れる新興国から信用危機が広がる事態になれば株安の連鎖などを招き、先進国も無傷ではいられない。



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