内分泌代謝内科 備忘録

内分泌代謝内科臨床に関する論文のまとめ

2022/07/28

2022-07-28 21:41:19 | 日記
制御性 T 細胞が 1型糖尿病発症を抑制する
nature communications 2020; 11: 1922

1型糖尿病のモデルマウスに線虫を寄生させると、1型糖尿病の発症されることが知られていたが、そのしくみは分かっていなかった。

今回、著者らは線虫を寄生させたマウスでは CD8 陽性制御性 T 細胞が誘導されており、ストレプトゾシンによる 1型糖尿病発症に対して抵抗性になることを示した。

線虫が産生するトレハロースが腸内細菌叢に影響し、Ruminococcus 属の菌量を増加させる結果、CD8 陽性制御性 T 細胞が誘導される。トレハロースはストレプトゾシン投与による糖尿病モデルマウスおよび 1型糖尿病のモデルである NOD マウスに対して糖尿病発症予防効果があることが示された。

さらに 1型糖尿病患者では健常者と比較して、CD8 陽性制御性 T 細胞の数が少なく、Rumioncoccus の菌量が少なかった。さらに、CD8 陽性制御性 T 細胞の数と Ruminococcus の菌量は相関していた。

トレハロース
https://www.hayashibara.co.jp/data/69/rd_tp_four/

元論文
https://www.nature.com/articles/s41467-020-15857-x