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風がヴギウギ

自由気ままな風の様に毎日を切り取っていく

親父の自作本・・・ つばめ・・・1

2020年09月30日 | 自作本

八十八夜を過ぎると 農家では田植えの準備が始まる

田圃には水が張られ

畔も平鍬で綺麗に塗り上げられる

このころになると 村に燕がやって来る

彼等は家々の軒に良い場所を選んで巣作りを始めるのだ

場所は軒の一番奥に作るのが多かったが

何処の家も燕の巣の位置を指定するかのように

適当なところに板を打ち付けていた

燕が巣を作りやすくする心遣いでもあろうが

入口の真上の門灯あたりに作られると

糞公害で酷い目にあうかただろうか・・・

燕は虫を食べるという事で むしろ巣作りするのは歓迎されたようだ

信州の厳しい冬が過ぎると 春が一気にやって来る

梅も桜も何もかも余り日をおかずに一斉に咲くという感じなのだ

ある日ふと村の通りを閃光のように 飛んでくるものがあるのに気付く

燕がやって来たのだ

その中の一番い(つがい)が軒に来て巣作りを始める

夏の時期だから 玄関の戸を開けておくと

家の中に飛び込んできて居付いてしまったりもする

我が家の玄関部分は15畳の広さで

その中の8畳分がコンクリ-トの三和土になっていた

そこで この玄関の天井の桟に小さな板を打ち付けてやって 巣作りをさせた

次の年になると 定宿を知っているかのように

気が付くとちゃんと住人ならぬ住燕やってくるのである

前年飛び立って行った燕が帰ってくるのだと聞いたが

そう信じて良いと思う

-続-

☆昔はいろんなものと共同生活をしながら お互いの利を分け合っていた

燕のために板を打ったり 入り口を作ったり

動物は動物の縄張り

人間は人間の縄張り

お互いの世界に足を踏み込むことはなく 

みんな共存してたのにね・・・

何処の家にも 軒先に燕の巣があった

そういえば 今はいないけど

ミイばあの駐車場に燕に巣があって

良くヒナがかえっていたっけ


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