看板の無いラーメン屋（後編）

「あ、に、に、肉そば　ひ、ひとつ！」

何も返事もせずにアイコンタクトで作業にとりかかるオヤジ‥


本当にウマイのか？？！

疑問に思いながら待つ事数分。

おいらの座ってる位置から厨房にいるオヤジが見える。

なんと、仁王立ちになって
目をつぶって腕を組んでいる！

おいらピンと来たね。
まさしくあれは‥
イメージトレーニングだ！！

今、オヤジの頭の中で麺をあげてトッピングをして出すまでの
動作一つ一つが「舞」となって流れを作ってるに違いない。

眉間にしわを寄せてるその表情はどこが切な気だ。


それから数十分。シンプルなラーメンが出て来た。

みんな無言で食べている。
オヤジも無言だ。


ではいただきます。

むむむむ‥普通だ‥　でもウマい。

煮干し系スープはあっさりした味。
麺は硬麺で歯応えがあってウマい。

紹介してくれたＳＫＴ曰く、
「あれが今東京１の醤油ラーメンどえす」とな‥。

秋田なのに東京一とはどうゆうことだろう？
ノレン分け？

まぁそんな事はどうでもいい。

他のお客が帰って、客はおいらと友達の二人になった時に
オヤジがカウンターに出て来てイキナリ話し掛けられた

「●▼☆?⊆∋⊿√∧◇◯□！！？」

「なぬっ？？！」


やばい‥俺とした事が‥


ヒヤリングが全く出来ない‥(;´Д`)A

オヤジはなおも話す

「□?▽△?※＊◯～！！」

「ぐわぁ～っ！！！　聞き取れん！！」
速い‥速いんだよ～！！　
くくく‥くじゅぅすぴぃくもあすろうりぃ？？

くくくく‥悔Ｐ‥

最後の方は少し聞き取れたぞ。

「盛岡から来たんですよ。」かろうじて応えた。

その後も「隣がどうとかなんとか‥」とフレンドリーに話し掛けてくれたのだが、
東北人ともあろうこのモリリンチョが全くヒヤリング出来ませんでした。


「ごちそうさん！　んだばまだくっからよ！！」

と、捨てゼリフを残し伝説のラーメン屋「○藤」を去りました。


「いやぁ～‥おもしろかった！！」

世の中広いね！

しかしこの入り口見ましたか？？
これのどこがラーメン屋なのでせう？？

みなさんも探して見てください。