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ハナシナガオの彼女

2020年05月30日 | 文章など
あら、お昼ごはん作ってくれるの?
うれしい。何を作ってくれるのかし...

ゴソゴソ (冷蔵庫をナガオが探っている)

(リビングから)何をだしてるのかな。ちょっと覗いちゃお。。。
...卵。ふんふん。ネギね。なるほど。次は?
...チャーシュー。。。。いやな予感がするわね。
ああ、でたウェイパー!!!


まあああたチャーハン!!??
一昨日食べたばっかりじゃない!!
まあそりゃ嫌いじゃ無いけど、こんなにつづくと段々と嫌気がさしてきちゃうわよ。

何でこんなにしょっちゅう作るのかしら。

ああ、どれくらいしょっちゅうかって言うとね。。

とある中小企業の大きくも小さくもないオフィス。
その会社は、その町の名物といわれている和菓子を作るメーカーなのね。
まあただよく言うでしょ。「名物に旨い物なし」って。
御多分にもれず、この会社の作っているお菓子も、一般的にそんなに評判は良くないの。
でもふしぎね。ずっと昔から潰れることなく歴史を重ねてきているし、この街を代表するお菓子といえばその名前が上がるんだもの。
まあ、そんな会社にありそうな話だけれど、今年度から高齢の社長が退任して、新しい社長が指揮を執るようになったの。まあ社員みんなの予想通りに社長の息子が後を継いだのね。
この息子っていうのが困ったもので、一人っ子で育ったっていうのもあるんだろうけど何だか頼りないのよね。
社員みんな大丈夫かな、と不安になっているところに一つ事件が起きたの。


「社、社長お電話変わっていただけますか?」まだ十代の事務の女の子が慌てて呼ぶの。
「どうしたんだい、血相をかえて」

「我が社の商品の中に異物が…人の爪が混入してたらしいんですう!」

「なんだって、それはまずいな。パパ…いや会長は」


「今日は商工会の会議に出ていていません」

「そ、そうか。では私が…」


そう言って左手で受話器を持って、空いた右手の薬指の爪を噛みだしたの。
緊張したり焦ったりしたときの癖なのね。食品メーカーでは特にあるまじき行為だと思うんだけど、お父さんの傘の下誰も注意ができてこなかった。

「はい、お電話代わりました〇〇製菓です。
ああ...ハイ...
ハイハイ......ハイ...ハイ?ああ、ハイ
...ああ?ハイハイ
(カリカリ)
ああ!?いえ爪なんて噛んでません
ハイ...ハイ...ハイハイハイ
ハイハイ...ハイ...

(カリカリ)ああ!?」

ガチャン!!・・ツー・ツー・・

ああ、また切られちゃった。
というわけで社長が応対するお客様が怒って電話を切ってしまう回数くらい
しょっちゅうってことなの。
口の聞き方を知らないって怖いわねー。

・・ああ!?
あら、そう。胡麻油を入れるの。
勝手にして頂戴。
あーあ、もうこの彼ともおしまいかしら。

不定期連載「蚕は夜繭を紡ぎ、カラスは昼巣をばらす」続く⁉️

music * on fire / galaxy 500

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