goo blog サービス終了のお知らせ 

四季の森空間

四季の草花、ゴルフ、旅行

公共財の私物化

2015-01-17 15:52:06 | 政治
 15年1月17日の毎日新聞のオピニオンに浜矩子さんが
  「許されぬ公共財の私物化」 のタイトルで15年度予算政府案に対する意見を述
 べておられる。

 全くその通りだと思われるので、それを取り上げたい。予算案は下記の通りだ。

      15年予算案
            歳入 税・税外収入 59.4兆円 
            国債           36.9兆円
            歳入計         96.3兆円

            歳出  社会保障費 31.5兆円
                 地方交付税 15.5兆円
                 公共事業    6.0兆円 
                 文教科学    5.4兆円
                 防衛      5.0兆円
                 国債費    23.5兆円
                 その他     9.4兆円
           歳出計         96.3兆円

 これを浜さんは、最大規模の防衛費、生活保護費の引き下げ、公共事業費の堅持
 沖縄振興予算の減額、法人実効税率の引き下げ、赤字企業への課税強化である
 とし、これこそ「公共財の私物化」だという。全くその通りだ。

  軍備を増強したいから防衛費を増やしたり、沖縄で基地移転反対の知事が誕生し
 たから振興予算をあからさまに減らしたり、大企業優遇で減税するなどのやり方は
 政府の予算や租税制度などの典型的な公共財の私物化であり許されない、という。

 まるで大人気ない政策であると僕には思える。GDPの2.3倍という途方もない国債
 残高は増え続けている。こうした歳出の際限のない増大はここ20年ほどの政府自
 民党の延命のための人気取り政策を継続した結果である。事実上日本は破産し
 ているのである。この債務を子や孫はどう処理していくのだろうか?生まれながら
 にして1千万を超える債務を背負わされる子供達はどうなるのか?

  15年度予算の国債費の歳出に対する割合は24.4%であり、ほぼ歳出の1/4を占め
 ているのである。プアイマリーバランスさえ取れていない状況ではこの比率は高ま
 るばかりでやがて歳出の半分をも占めるかも知れない。(その前に国家破産しよう)

 「世界一の借金王」などとおどけて見せた小渕総理の頃から、政府自民党は、いや
 その政権を許容してきた我等選挙民は己の便益、利益確保のために毎年巨額の
 国債を積み上げてきたのである。それがいまや破綻国家のギリシャやスペインなど
 を遥かに凌ぐ負債大国に成り果ててしまったのである。(借金時計

 よく国債の大半は国内で消化されているから彼の国々とは違い問題ないという輩が
 いるが、とんでもない。政府が国債を発行し金融機関が買い、それを日銀が異次元
 のなりふり構わぬ金融緩和で買い続ける。財政規律もなんもあったものではない。
 ほんの1ポイントでも国債利率が上昇すれば財政は破綻する。そのあとに待って
 いるのはハイパーインフレと円の暴落で、庶民は塗炭の苦しみに陥る。

 端的に言えば、身の丈にあった生活をしなかったのである。収入が無いのにあれも
 これも欲しがったのである。年々サラ金から借金をし身の丈以上の生活をしたので
 ある。借金を返すために更に借金を繰り返す家計と同じであり、いづれ借金地獄に
 陥り家庭が崩壊する事になり、その後は怖いサラ金返済のお兄さんが押しかけて来
 る事になる。

 浜先生はこう指摘なさる。行財政サービスを破綻なく供給し続けることこそが、国家
 という名のサービス事業者の本源的役割であり、その為には財政基盤が安泰である
 よう気配りし、目配り出来て当然である。それを公共財の私物化を政策意図とはき
 違えるなど、論外であると。(その、通り!と僕は拍手する) 







→ HPの最初に戻る

仏「シャルリーエブド」襲撃事件

2015-01-13 12:05:49 | 政治
この写真は、仏週刊紙「シャルリーエブド」襲撃で犠牲になった17人を追悼するパリ共和国広場
での反テロ集会の模様である。
仏全土では130~150万人も参加したと下記の様に報道された。



オランド仏大統領や、メルケル独首相、キャメロン英首相、イスラエルのネタニヤフ首相、パレス
チナ自治政府のアッバス議長ら50カ国以上の首脳が腕を組んで歩き、表現の自由への脅威と
テロがもたらす社会の分断が懸念されるなか、結束を訴えた。
ただ、それら首脳は夫々の思惑があって参加したもので、全てが同一の目的で参加したもので
はないのではないかとの報道もあり、米国の首脳の不参加にも様々な憶測が囁かれている。




参加者の多くは je suis CHARLIE(私はシャルリー)のプラカードを持ったり、ゼッケンを貼り
付けていた。

イスラム教の開祖であるムハンマドの風刺画を何度もこの「シャルリーエブド」週刊誌は掲載し
たそうで、何度もイスラム団体から非難し脅迫されていた。

表現の自由は大事だし、17人もの犠牲者を出したテロは許されるものではなかろうが、ここまで
シャルリー一色となると、シャルリーエブドを全て肯定することになり、イスラムとの共生までが
全否定され、シャルリーエブドの意見に反対の表現は一切認めない風潮となってしまう。

仮に、キリストの風刺画を継続的に掲載するものがあっても彼等は寛容でいられるのであろうか。
ここまで扇動されれば、両者の溝は更に深くなり、更に強硬なテロや弾圧、差別が横行するばか
りではないのか?すでに30数か所のモスクに対する攻撃がなされているというし、仏軍1万の出
動が計画されていると言う。フランスの自由や民主主義そしてあの多くがあこがれた文化は大丈
夫なのだろうか?

お隣のドイツでも極右勢力を中心に外国人排斥気運が高揚しており、特にイスラム排斥がなされ
ようとしている気配があり、これがヨーロッパ全体に広がる恐れがある。そうなると対抗してイスラ
ムの過激集団は一層強硬な手段を講じる事だろう。果てしない憎しみの連鎖が留まることを知ら
ない暗黒の対抗の世界となるかも知れないのである。

西洋人はキリスト教、イスラム教、ユダヤ教は宗教と認めるが、仏教、ヒンデュー教は宗教ではな
く哲学だとする見方があるようである。一部を除いてそんなに宗教に熱心でない者が多い我が国
においてでも、仮に神社や寺、釈迦や仏に対して継続的に揶揄するごとき風刺画を掲載する者が
いれば、それなりの反応をして排斥活動をするであろう。表現の自由は対立する相手を認めた上
で節度のあるものであるべきであろう。21世紀にも入って宗教戦争などあっていいはずがない。




写真は全てnetや新聞等の借り物です。



→ HPの最初に戻る




......

子殺し

2014-11-22 10:35:02 | 政治
 作家の柳田邦夫さんが14.11.22の毎日新聞に「[子殺し続発]この国のかたち、変だ」との
オピニオンを書かれている。大阪で3歳の長女に食事を与えず衰弱死させ、司法解剖してみ
るとアルミ箔や蝋などが出てきたとか、新潟で3歳の長女が橋から突き落とされたなどを取
り上げている。事件の現場を映像的にイメージする習慣が身についているので、そうした報
道を読むと脳内氷を突っ込まれたような思考停止に陥ったと書いている。

 柳田氏でなくても、大抵の者は同じ気持ちになるものである。最も頼るべき唯一の親から
そのような仕打ちを受けている子供を想像するだけで暗澹となる。そして出来るだけそうし
た事は脳内から消し去るか、片隅に押しやってしまうものである。児童虐待相談件数だけで
も13年に73,765件もあり、表面化しないものを加えると空恐ろしくなるほどの児童虐待が行わ
れている事だろう。虐待によって死亡した子供は13年までの10年間で546人との統計がある。

 柳田氏が半世紀に渡って見てきた印象では、1990年代のバブル経済崩壊を契機とした全般
的逼塞状態のよってこのような状況が起きたのではないかとし、親を処罰するだけで解決す
るものではないとする。個別次元では被虐待児の早期発見と対策をし、社会全体の次元では
子育て世帯の経済的貧困を支援し、恥ずべき世界12位の子供貧困率を下げる対策をするべ
きだと言う。


 我が国が誇る経済政策「アベノミクス」の結果、貧富の差は年々拡大し、非正規就業者は
とめどもなく増大している。200万~300万の可処分所得で子育てが出来るのだろうか、
そうした若者が町中に溢れ、片方では消費を促すありとあらゆる宣伝が流れていれば、若者
はスマホや享楽に金を使い、安易な方向に流れ子供に食事さえ与え兼ねない者も出て来るの
ではなかろうか?地域の中で子育てをするという習慣も完全に喪失した日本では、貧困層は
さらに増大し、こうした事態は今後も続くことになりはしまいか。

 小平の「先富論」に感化された訳でもなかろうが、富める者を更に富まして、貧困者は
そのおこぼれを頂くという図式の経済政策は、中国のジニ係数の急激な上昇を招いて深刻な
問題となりつつある。我が国でも歴代の政府の市場経済至上主義一本槍では、いづれこうし
た社会の不安定が増すばかりである。
 

下図は厚生省の統計





→ HPの最初に戻る


経団連の企業献金再開

2014-09-02 17:43:46 | 政治


14/9/11
 毎日新聞の9月11日の夕刊「特集ワイド」で経団連の政治献金再開を大きく取り上げている。
その見出しが「政策をカネで買う?経団連の露骨」となっているので、内容は読まないでも判る。
かって 「国際経済政策調査会(PSG)」という会の社員としてこの会合に出ていた事がある。

この会は1978年に故椎名素夫氏が「既存の行政機構は、それぞれ所管の範囲内の問題の処
理に追われており、また、各種の調査機関も海外諸国の財政金融、通商産業、外交政策や経
済主体の動きなどの背景を的確にとらえ、政策形成に関連する各国指導層との直接的な接触
を促進維持し、また、これを通じて一次情報の収集・分析を常に行なう等の視点・機能に乏し
いので、この間隙を埋め、直接的な人的接触に重点を置いて、海外の諸国の財政金融、通商
産業、外交及び経済主体等の動きについて調査・分析し、その結果を提供して、我が国の経済
・産業の進路を考えるための基盤造成を目的とする民間の調査研究機関」として設立したもの
である。


その国際経済政策調査会の理事に名を連ねていた経団連の平岩外四会長(当時)が「民主政
治にかかる最小限の費用は、民主主義維持のコストとして、広く国民が負担すべきであり、政治
資金は、公的助成と個人献金で賄うことが望ましい」として斡旋方式での献金を1994年に中止
した経緯がある。その後2009年には経団連は政治献金は中止したのである。それをまた榊原会
長は再開するというのである。現在は国民一人250円の税金が政党交付金として交付されている
のである。献金を受ける自民党は政党交付金と企業献金の二重取りを行い「55年体制」を取り
戻そうというのだろうか。
....................................................................................




14/9/9
 14年9月8日経団連はこの実施方針を確認したと報道された。榊原経団連会長は「日本経済再
生のための成長戦略を進める健全な政党への寄付を呼びかける」と述べ、「政策を買うために金
を出すという低レベルな話ではない」と強調した。また、「民主政治を維持するコストを払うのは企
業の責任」とまで述べた。

 しかしこんな時代錯誤の発想は、バンク・オブ・アメリカの会長であったルイス・ランドボルグ氏
が述べているように『選挙権を持たない企業が、選挙結果に絶大な影響を与えることが許されるな
らばその国はもはや民主主義ではない』のであって、民主政治のイロハをはき違えているとしか思
えない。巨額の政党交付金は何のために設けられたのか、政治資金規制法はなぜ制定されたの
か鎮静に再考すべきである。

....................................................................................


 2014.9.2          
  2014年6月から経団連の会長となった榊原定征氏(東レ会長)は、2009年10月に中止された
企業献金をこの9月にも5年ぶりに再開する。かって行っていた”斡旋方式”ではなくて、経団
連が行う政策評価を参考に企業が献金するように呼びかける”呼び掛け方式”をとる。

 経団連が狙うのは、法人実効税率の引き下げ、原発の早期再稼働、消費税率の引き上げ、社
会保障制度の「重点化・効率化」、道州制推進基本法の早期成立など大企業優先政策を推進す
るためだと「赤旗(14.8.28)」は報じている。

 経済評論家の内橋克人氏は、14.9.2のNHKラジオでこの企業献金再開を次の様に厳しく糾弾
している。
バンク・オブ・アメリカの会長であったルイス・ランドボルグ氏が30数年前にこう述べている。
『会社には、人々を選挙して公職に就かせる公民権はそなわっていない』
『民主主義の下では、選挙は血の通った生きた人間の特権であって、他のいかなる創造物とい
 えども、その権利を譲り渡すべきではなくてまた収奪されてはならない』
『選挙権を持たない企業が、選挙結果に絶大な影響を与えることが許されるならばその国はも
 はや民主主義ではない』

 日本の経済団体も、私たち社会の民主的成熟を望むのであれば、当面の利益ではなく、良き
未来を求めて深く考えるべき時ではないだろうか。欧米先進国でも、実質的に企業献金は禁止
されている(米国では州によっては認めているものもある)。それら先進国では政治献金が、
それに見合う利得をその企業にもたらすのであれば、それは民主主義に対する背信行為である。
逆に利得をもたらさないのであれば、経営者は株主から背任行為として糾弾される”二律背反”
なのである。

 民意と経団連その他財界の考え方と、大きくかけ離れて来たことが問題である。国民と財界
の間に大きな乖離が生まれている。例えば、原発再稼働一つ取っても、世論との違いは大きな
ものがある。第二次安倍政権の発足からほぼ1年後の2013年10月に、経団連は4年ぶりに再び政
策評価を復活し発表している。これは何よりも、原発再稼働への積極姿勢を高く評価したとい
うことであって、民意とは大きくかけ離れている。

 経団連の榊原新会長は”政治との二人三脚と”いう言葉をしきりに繰り返している。企業献
金再開には多くの疑問符がつく、という点を重ねて強調しておきたい。

『民意とかけ離れて良いのか!』     
...............................................................................

14.9.2の東京新聞も社説で「政治献金 経団連の再開に反対だ」と以下の様に述べている。

 過去二十年、経団連自身が悩み考え、二転三転しながらも中止している政治献金を、榊原経
団連が再開するという。「政策をカネで買う」という根本的な批判に応えられるのか。再開には
反対だ。
 今年六月に就任した榊原定征経団連会長は「政治と経済は車の両輪」と語り、ぎくしゃくして
いた安倍政権との関係修復を加速している。二〇〇九年十月以降、中止している政治献金の
再開はその象徴といえる。
 民主主義の下で企業と政治、カネはどうあるべきか-。考え抜いたあげく、企業の政治献金
は廃止すべきだとの結論を出したのは一九九三年、当時の平岩外四会長だった。

 保守合同の五五年以来、経団連は、会員企業に割り当てる「あっせん方式」で年間百億円程
度を自民党に献金していた。これが金権腐敗の温床になり、リクルート事件、佐川急便事件、
金丸信自民党副総裁をめぐる巨額脱税事件などを引き起こす。
 世論の批判で自民党一党支配が終わり、細川連立政権誕生後の九三年九月、平岩経団連が
公表したのが「企業献金に関する考え方」だった。
 「民主政治は、国民全ての参加によって成り立つものである。それにかかる必要最小限の費
用は、民主主義維持のコストとして、広く国民が負担すべきである。従って、政治資金は、公的
助成と個人献金で賄うことが最も望ましい」

 平岩会長は企業献金の廃止を考えていたとされるものの、慎重論もあり、まずはあっせんを
廃止。企業献金については「一定期間後、廃止も含めて見直すべきだ」とした。
 〇四年になると奥田碩会長が、各政党の政策を評価して金額を決定する方式で、献金への関
与を復活させた。小選挙区制が導入されたのを受け、「二大政党制」定着を目指して民主党へ
の献金も表明したが、この方式は民主党政権発足後、民主党が献金を断り、〇九年十月から中
止されている。

 企業と政治、カネの問題は「政策を買う」との批判と政治改革の中で揺れ動き、経団連の献
金は中止に至っている。にもかかわらず再開するのは何のためか。
見えてくるのは政権との関係修復とアベノミクス推進の算術だけで、民主主義や政党政治への
見識はうかがえない。再開の決定は九月以降となる。その前に榊原会長には「企業献金に関す
る考え方」をもう一度読んでほしい。選ぶべきは再開ではなく廃止ではないか。

...............................................................................

会社勤めをしていた時に、政治献金を管理する仕事の一部を行っていて、その巨額さにあき
れたり、政治家秘書の厚顔ぶりに内心憤慨したものだ。今は立派なものに建て替えられた議員
会館へもよく通ったものだ。民主党政権になってこれは廃止が確定したものだと思っていたが、
またぞろ昔の自民党時代に逆戻りして”55年体制を取り戻されて”は歴史錯誤も甚だしく困る
のである。内橋克人氏や東京新聞が言う通りなのである。

------------------------------------------------------



   




→ この頁の最初に戻る
→ HPの最初に戻る