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Moon Dogs Blog

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ワンス・アャ踏ア・タイム・イン・ハリウッド

2019-09-06 08:01:00 | 映画

※ネタバレ注意

今日は「ワンス・アャ踏ア・タイム・イン・ハリウッド」を鑑賞。

この作品は、落ち目のハリウッド・スターと専属スタントマン、セレブ生活をおくる女優のそれぞれの物語を描いた作品。

監督&脚本はクエンティン・タランティーノ。
出演はレオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、エミール・ハーシュ、マイク・モー、アル・パチーノ他。

「10本で引退」と宣言しているクエンティン・タランティーノ監督による9本目の長編作品がいよいよ公開!(「キル・ビル」は2部作で1本とカウント。)

本作のベースとなっているのは1969年に起きたシャロン・テート事件。
この衝撃的な事件を知らない人と映画ファンじゃない人にはちょっと楽しめないような内容でしたが(いわゆるレオ様やブラピの共演ってだけで観に行く人)、この作品はタランティーノ監督流"映画愛"が詰まったある意味ファンタジー的な要素のある作品でした。

ビートルズ・ファンには"Helter Skelter"という楽曲でこの事件を知ってる人が多いとは思います。

まずはこのシャロン・テート事件はアメリカの女優シャロン・テートがチャールズ・マンソン率いるカルト教団の信者等により殺害された事件。
映画「吸血鬼」が縁でロマン・ャ宴塔Xキー監督と結婚、翌年妊娠。
妊娠8ヵ月だった彼女は殺害される際に「赤ちゃんだけでも助けてほしい」と懇願しましたが、これが仇となりナイフでメッタ刺しにされ殺害されました。

その後のハリウッドを変えた事件として知られ、チャールズ・マンソンを取り上げた作品も多数作られました。(実際、舞台となる1969年はハリウッドにとっても激動の時代と言われた。)

この事件を軸に落ち目の俳優と彼の専属スタントマン、そしてシャロン・テートの3人の運命が絡み合った物語を見事に描いていて、「パルプ・フィクション」を彷彿とさせます。

ちなみに落ち目のスター、リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と彼の専属スタントマン、クリフ・ブース(ブラッド・ピット)は架空の人物。
リック・ダルトンのモデルはバート・レイノルズ、クリフ・ブースのモデルはバート・レイノルズの専属スタントマンを長年していたハル・ニーダム。(後にハル・ニーダムは「グレート・スタントマン」や「トランザム7000」、「キャノンボール」などを監督)
但し、リック・ダルトンは劇中で彼が嫌悪していたマカロニ・ウエスタンに出演している描写があり、これがクリント・イーストウッドを彷彿とさせ(「ローハイド」の人気が落ち、マカロニ・ウエスタンの代表作「荒野の用心棒」に出演した経緯がある)、リックはバート・レイノルズとクリント・イーストウッドという俳優たちがモデル。(しかもバート・レイノルズとクリント・イーストウッドの二人は大の親友)

しかもバート・レイノルズは本作に出演する予定でしたが、撮影前に亡くなってしまった為、急遽ブルース・ダーンが代役を務めたという経緯があり、そのことを踏まえるとこの作品が更に感慨深く感じます。 

本作を観るャCントの一つに60年代ハリウッドへのオマージュがたくさん詰まっている点があります。
まずタランティーノ監督のインタビューで語られていたのが、リックとクリフのコンビについて。
これは「明日に向かって撃て!」のブッチ・キャシディとサンダンス・キッドが元ネタ。
「レザボア・ドッグス」のMr.ホワイト&Mr.オレンジや「パルプ・フィクション」のヴィンセント・ベガ&ジュールス・ウィンフィールドといった関係もこの作品からの引用でしょう。

劇中"リックが主演候補だった"という"設定"になっていたのがスティーヴ・マックイーンの「大脱走」。
もちろんスティーヴ・マックイーンも本作に登場。
リックはその「大脱走」のヒルツ役を逃したことがトラウマとなっています。

そしてブルース・リーの登場シーン。
これはブルース・リーの描かれ方が違うということで騒動となりましたが、タランティーノ監督は「実際、ブルース・リーは傲慢な人だった」と反発。(もはや神格化されたブルースがただのスタントマンであるクリフに負けてしまう描写がファンにはショックだったのでは!?実際、ブルースは傲慢で自分の力を誇示してみせ周りのスタッフたちをうんざりさせていたことは有名。)
そのブルースをクリフは「カトー!」と呼びますが、これは「グリーン・ホーネット」のこと。

リックがゲスト出演するのが1870年代のカリフォルニアを舞台にした西部劇シリーズ「対決ランサー牧場」。

シャロン・テートが自身の出演作を観に劇場に行く際、映画館の店員と語り合うのが「哀愁の花びら」、そして映画館の店員の計らいでシャロン・テートが鑑賞してたのがディーン・マーティン主演の「サイレンサー 第4弾 破壊部隊」。

本作のタイトルはタランティーノ監督が敬愛するセルジオ・レオーネ監督の「ウエスタン」が元ネタ。(原題:「Once Upon A Time In The West」)
~等、挙げたらキリがないくらいのオマージュの数々。

60年代作品へのオマージュだけではなく、当時のスターやハリウッドの時代背景やスターとスタントマンとの関係など恐ろしく細かく描いており、個人的にはスターとスタントマンとの関係性を描いている点は見事!

現在のスタントはアクション監督がいて、場面に応じてスタント・チームを使い撮影していく方法が主流。
しかし昔は本作みたいにスターには専属のスタントマンが必ず付いていて、キャリアが一心同体となっていました。
つまりスターの出世=自身(スタントマン)の成功に繋がっていて、スターとスタントマンの関係は親友以上の繋がりがありました。(ユマ・サーマンのダブルだったゾーイ・ベルが登場しているのもスタントマンという仕事に対してのタランティーノ監督の敬意が感じられる)

有名なのがモデルにもなったバート・レイノルズとハル・ニーダム。(スメ[ツ選手だったハル・ニーダムはその後軍隊でパラシュート部隊などの経験を生かしスタントマンになる)

バート・レイノルズはその後伝説のスタントマン、ダール・ロビンソンと関わりを持ち、革新的なスタント技術を生み出していきます。
その他にもスティーヴ・マックイーンとロレーン・ジェーンズやバド・イーキンズ、チャールトン・ヘストンとヤキマ・カヌートなどスターとスタントマンの関係は親友以上だったり師弟関係だったりと様々。

そしてもう一人の主人公、シャロン・テートの数々のシーン。
特に彼女自身の出演作「サイレンサー 第4弾 破壊部隊」を鑑賞するシーンでは何と本物のオリジナル版の映像が流れています。
自分の出演シーンが登場するとお客さんの反応を見ながら鑑賞し、無邪気に喜んでるシーンなどはとてもキュートに描かれていて、マーゴット・ロビーの演技力と相まって非常に印象的なシーンとなりました。(ブルース・リーがシャロン・テートにアクション指導し、それを回想する描写がありますが、これは実話)
まだ駆け出しだったシャロン・テートは不運な女性でしたが、このシーンにより純粋に映画に憧れた魅力的な女優として表現されていることに感動。

実際にはシャロン・テートは殺される訳ですが、本作終盤ではチャールズ・マンソンに指示されたテックスたちがリックの家に侵入します。
その前に何故、シャロン・テートの家にテックスたちが侵入したのか?
その伏線もちゃんと描かれていて、劇中中盤でチャールズ・マンソンがシャロン・テートの家を訪ねるシーンがありました。

ロマン・ャ宴塔Xキーが引っ越してくる前にテリー・メルチャーが住んでいて、そのテリー・メルチャーを訪ねる為にチャールズ・マンソンが家に行ったシーンがあるのです。

実際にこのテリー・メルチャーはチャールズ・マンソンをレコード・デビューさせようとしましたが実現せず、それを恨んだチャールズ・マンソンは殺害を指示。
では何故シャロン・テートを襲ったのか?
チャールズ・マンソンが訪れた際に実際にシャロン等にひどい扱いを受けたと後に告白しています。

しかし本作ではシャロン・テートの家には行かず、リックの家に侵入してしまうのです。
そう!
この終盤の展開からタランティーノ監督流のファンタジーとなるのです。

クリフがLSDでトリップ状態だった時にテックスたちが侵入。
そして格闘の末、テックスたちを殺します。
一方、リックも突然現れたテックスの仲間の一人を火炎放射器で焼き殺してしまいます。(冒頭でリックが出演していた映画にこの火炎放射器を使いナチスを焼き殺すシーンがありますが、このカルト教団とナチスがリンクされている。そしてこのシーンは「イングロリアス・バスターズ」を連想。)

つまりタランティーノ監督はこの作品でシャロン・テートという女優を救うのでした。
騒ぎを聞いた隣人のシャロン・テートはリックを家へと招き入れ、ラストを迎えますが、このラストもリックのその後の活躍を予感させるようで何とも言えないラスト・シーンになっています。

冒頭でロマン・ャ宴塔Xキー監督が隣に引っ越してきたのを知ったリックは興奮するシーンがあります。
落ち目となり自信の無くなったリックがラストでは憧れのロマン・ャ宴塔Xキーの家に招き入れられるラストはその後の彼の成功へのメタファーとなっています。

シャロン・テート事件により暗黒の時代となるハリウッドそのものを救いあげ、全ての映画人たちへ明るい未来を残そうとしたタランティーノ監督の愛がたくさん詰まった最高のファンタジー作品でした。(映画ファンのためではなく、映画製作に関わる映画人の為の映画)
※もちろんタランティーノ作品に頻繁に登場するレッド・アップルという架空のブランドのタバコもエンド・ロールで登場。

ロケットマン

2019-08-29 22:05:00 | 映画


※ネタバレ注意

今日は「ロケットマン」を鑑賞。

この作品は5度のグラミー賞受賞をはじめ、数々の成功を収めてきたアーティスト、エルトン・ジョンの半生を描いた作品。

監督はデクスター・フレッチャー。
出演はタロン・エガートン、ジェイミー・ベル、ブライス・ダラス・ハワード他。

昨年大ヒットした「ボヘミアン・ラプソディ」の仕上げに携わったデクスター・フレッチャーが今度はエルトン・ジョンの半生を描き、しかもエルトン・ジョン本人が製作総指揮ということで話題となった作品がいよいよ公開。

本作は子供時代から70年代のブレイク期、そして依存症によりリハビリ施設に入所する90年代までを描いています。

今回エルトン・ジョンを演じたタロン・エガートンといえば、2016年公開のイルミネーション作品「SING/シング」でゴリラのダニーの声を担当。
この作品はビートルズをはじめ、スティービー・ワンダーやレディ・ガガ等の楽曲を動物たちが歌うといった内容ですが、劇中でダニーは、エルトン・ジョンの"I’m Still Standing"を歌います。(「ロケットマン」でもこの曲がラスト・シーンで使用。)
その他に2017年公開の「キングスマン:ゴールデン・サークル」でもエルトン・ジョン本人と共演しており、今回のエルトン・ジョン役は必然的に彼が演じるようになっていたのではと思えるほど縁を感じます。
しかも歌が上手い!(何と吹替え無し!)
「ボヘミアン・ラプソディ」のラミ・マレックの完コピとは違い、エルトンの物真似をあえてしなかったことが逆に良かった。

色々と「ボヘミアン・ラプソディ」と比べられそうですが、本作は全く逆のアプローチで製作されていたのが特徴。(「ボヘミアン・ラプソディ」はある程度クイーンの歴史に忠実に、本作は歴史を敢えて無視。)

一番の特徴がミュージカル仕立てになっていたこと。
エルトン・ジョンの"苦悩"や"葛藤"、"願望"など当時の想いを自らが回想していき、語られているようなストーリー展開の為、時系列はバラバラ。(「ボヘミアン・ラプソディ」も時系列はバラバラですが、それよりも更にバラバラ。)

特に劇中、有名なトルバドールでの最初のアメリカ公演(1971年)で歌っていたのは"Crocodile Rock"ですが、この曲が発表されたのが1973年。

その他にもリハビリ施設に入所していた時にバーニー・トーピンがエルトンに会いに来て、"I'm Still Standing"の歌詞を渡した描写がありますが、この曲は80年代のエルトンを代表する曲(アルバム「Too Low For Zero」収録)で、1983年に発表。
エルトンがリハビリ施設に入所したのが90年からなので辻褄が合いません。

あくまでエルトンの楽曲の歌詞に当時の想いを乗せた形で人生を振り返っていく為、時系列がバラバラなんですね。

但し、かわいそうだったのが1984年にドイツ人の音響技師レネーテ・ブリューエルと結婚した描写。
かなりあっさりと描かれていて、あっという間に離婚のシーン。
元々エルトンもこの結婚についてあまり語りたがらなかったこともあり、このシーンもホントは触れたくなかったんでしょう。

このようにかなり時系列がバラバラな訳ですが、これも冒頭が"エルトン・ジョン"による回想を元に始まるところがミソ。
全てが回想ベースとなっているのでミュージカル・シーンも違和感なく観れます。(つまり回想すらイマジネーションの世界)

「ボヘミアン・ラプソディ」では"LIVE AID"というクライマックスが用意されていましたが、本作ではクライマックスはありません。
"I'm Still Standing"のPVの再現などもありますが、一番肝心だったシーンは冒頭で家族全員が歌う"I Want Love"のシーン。
作品全体を観終わって、この最初の"I Want Love"のシーンが一番重要だったような気がします。(あとラストの大人になったエルトンが子供時代のエルトンを抱きしめるシーン。要するに愛に飢えてたということ。)

素晴らしかったのはバーニー・トーピンのことをかなり丁寧に描いていたこと。
やはりエルトンにとっては特別な存在で、盟友2人の固い絆が感じられました。

そんなバーニーとの数々のシーンで特に感動したのが"Goodbye Yellow Brick Road"のシーン。
この曲、実は2回登場する訳ですが(本編始まる前のシーンを入れたら3回)、前半はエルトンと衝突したバーニー・トーピンが、後半では自分自身と向き合ったエルトンが歌います。
同じ歌なのに二人の心情が違うだけでこれほど意味が違って聞こえることに感動。
改めて名曲だなぁと感じました。

その他にもディック・ジェームス(ノーザン・ソングス設立者)の前で改名をするシーンで、"エルトン・ジョン"という名前をビートルズのジョン・レノンから取った描写がありましたが、これは全くのフェイクで、事実とは違います。(ホントはエルトンが居たブルーソロジーというバンドのエルトン・ディーンとロング・ジョン・ボールドリーから取られた。)

"Your Song"のレコーディング・シーンではちゃっかりジャイルズ・マーティンの姿なんかも♪(ファンはチェック!)
※同じく"Your Song"がキーとなる2001年公開の「ムーラン・ルージュ」でのユアン・マクレガーの歌唱力も素晴らしい!

「ボヘミアン・ラプソディ」はフレディを美化していたのに対し、本作は全てをさらけ出したエルトン自身を描いた良作でした。
はたして「ボヘミアン」越えなるか!?

天気の子

2019-08-23 22:55:00 | 映画


※ネタバレ注意

今日は「天気の子」を鑑賞。

この作品は天候の調和が狂い始めた時代に、ある島から家出をした男子高校生と祈りにより晴れに出来る少女との出会いと成長を描いた作品。

監督&原作&脚本は新海誠。
声の出演は醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、吉柳咲良、平泉成、梶裕貴、倍賞千恵子、小栗旬 他。

新海誠監督が「君の名は。」チームと再び組んだオリジナル作品。
個人的にはセル版で観ればいいかなぁと思ってましたが(「君の名は。」も劇場で観なかった。)、今週観る作品が無いので仕方なく鑑賞…。(^^;

さすが興収250億円の大ヒット作「君の名は。」効果もあり、劇場はほぼ満席。

本作のテーマは"雨"。
この"雨"と主人公(帆高と陽菜)たちが持つ思春期で揺れ動く感情、そして社会(大人たち)へのギャップをうまく結びつけ、大胆に描いたプロットが「君の名は。」よりもダーク。

個人的な感想としては伏線や設定が「君の名は。」に比べるとかなり雑だと感じました。
特に突然陽菜が晴れ女になったり、何の説明もないまま急に"人柱"の話になったりしていて、"何故陽菜が選ばれたのか?"という理由が曖昧。(陽菜は巫女の血を引き継いでいた?)

15歳の陽菜がマクドでバイトしていたり(バイト出来ないやろ?)、凪が児童相談所に連れていかれる前に陽菜が「あなたは実家があるから大丈夫」というセリフがあったり(ん?子供たちだけであの部屋借りてたの?)と至るところで疑問点があり、その伏線が回収されないままとなっていた点。

冒頭の帆高が家出をした理由が語られず、雨が続く中、光の然していく方へ導かれていくという描写も陽菜へのメタファーとなっているもののかなり強引。

最大の謎が帆高が拾う拳銃。
劇中に映る電光掲示板に"拳銃が押収された"というニュースがあり、この拳銃はその事件に関わりのある銃だと思われますが、帆高の動機付けとしては弱いし、マクガフィンにもなってない感じ…。(物語を進めるための物にはなっていない。)

~と、ツッコミ所はかなりありましたが、そういう部分を無視して観ても作品自体のメッセージは伝わったし、"新海ワールド"と表現される独特な世界観は改めて凄いなと思いました。(特に印象的だったのは光の使い方。各企業とコラボした実在する商品や看板等は逆に画面がうるさく感じ、マイナスな印象。)

ラストの展開も主人公たちだけのハッピーエンドであり、他の人にとってはバッドエンドだったのもこれまでのアニメーション作品としては思いきったもの。(世界は元々狂ってるというセリフがメッセージであり、帆高にとって陽菜が犠牲になり天気が回復したとしても陽菜の居ない世界は帆高にとって無いものと同じ)

そして本作では「君の名は。」とのリンクネタもあり、劇中に三葉や瀧君、四葉などのキャラクターもカメオ出演!(CMでもコラボしている白戸家の白い犬なども登場していた。)
そんなリンクネタの一番重要な部分が「君の名は。」で瀧君が言った"東京がいつか消えてしまうかわからない"(←確かこんな感じだったような…)というセリフ。
本作ラストで東京の地形が変わるほどの雨が降ったことが描かれていましたが、まさにこのセリフは今回のラストのことを表しており、ハッとさせられました。

「君の名は。」とは全く逆な内容なのも新海監督の思い切りの良さだと感じました。(瀧君は彗星からたくさんの人を救おうとしたが、帆高はたくさんの人より陽菜だけを救おうとした。つまり自分の思いだけで東京を沈めることを選ぶ)

このラストが賛否両論ありそう…。

しかし世の中を否定しつつ、自分たちの生き方だけを肯定しているのも16歳という絶妙な年齢設定のおかげ。

そのラストは劇場でぜひ!

ライオン・キング

2019-08-15 22:45:00 | 映画

ネタバレ注意

今日は「ライオン・キング」を鑑賞。

この作品は、アニメーションで世界観客動員数歴代No.1を記録したディズニー製作のアニメを実写化した作品。

監督はジョン・ファヴロー。
声の出演はドナルド・グローヴァー、ビヨンセ・ノウルズ・カーター、セス・ローゲン、キウェテル・イジョフォー、ジェームズ・アール・ジョーンズ他。

アニメ「ライオンキング」の実写版ですが、正解にはフルCGなので"実写"ではない(笑)

内容は実写版「美女と野獣」同様、ほぼ完コピの内容でしたが、驚いたのがその映像技術。

「ジャングル・ブック」で究極の映像技術を披露したジョン・ファヴロー監督でしたが、本作は"VR撮影"という新しい方法で全編作られ、映画史においても革新的な作品となりました。

大まかに言うと、まず背景となるアフリカのサバンナの世界をゲームでもお馴染みのVRで作り、その中にキャラクターを置いていく方法。
VR空間なのでCGで作られた動物たちを色々な場所に配置し、監督が撮りたいショットを自由に撮れるという凄い技術。

その撮影方法のおかげで、まるで本物のサバンナにいるかのようなリアルな映像が本作の最大の魅力。

だから予告では"実写"じゃなく"超実写"と言っていたのか…。

今回の超実写版、アニメ版からの変更点はほぼありませんが、改善されていたのがスカーの人物像。
アニメ版で曖昧だったキャラクター設定が今回の実写版でより深くまで描かれていた点。(スカー自身のセリフやザズーたちのセリフにより深くキャラクター像が表現されていた。これによりムサファに一度王座争いに挑み、敗れたことも判明。顔のキズもムサファによって付けられたことが分かる。)
その他にもサラビへの想いやアニメ版で最初からハイエナたちと仲間だったスカーが本作ではハイエナたちを利用して王国を奪おうと画策する描写に変更され、ヴィランとして深みのあるキャラクターとなっていました。

リアルを追及するが故にアニメーションの良さが無くなったのも今回の超実写版の特徴。
それは劇中歌われるミュージカル・シーン。

オープニングの"Circle Of Life"は別として、冒頭のシンバとナラが歌う"I Just Can't Wait To Be King "や"Hakuna Matata"は周りの動物たちも一緒に歌ったり踊ったりしてましたが、本作で歌うのはメインキャラクターのみ。
リアルな動物を描いていた為、動物が踊るとやはり不自然なのでしょう…。
ま、これは仕方ないか。
でも何度聴いても(観ても)名曲!

今回の「ライオン・キング」は映画界(映像分野)の未来に可能性を示す画期的な作品になったような気がします。
次回ディズニーによる実写化作品は「リトル・マーメイド」が控えていて、本作の公開でハードルが上がったことは確か。(「マレフィセント2」は論外…)

この驚異の映像は絶対に劇場じゃないと伝わりません!