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ぱんつの穴(のぞけ、ピーピングトム)

メディカル・ライター紀伊國屋のプログです。主観と偏見で、メディカルトピックスを中心に紹介していきます。

京大病院投薬事故の問題点と今そこにある危機・・・①

2004年12月07日 | よき医療とは…
投与ミス 70代男性重体 京大病院、連日投与を指示

京都大医学部付属病院(京都市左京区)は3日、関節リウマチ治療薬の投与ミスが原因とみられる呼吸障害で、近畿在住の70代男性が重体になったと発表した。ICU(集中治療室)で人工呼吸器を付けて治療しているが、予断を許さない状態という。
男性は2000年から関節リウマチと骨粗しょう症で京大病院免疫・膠原(こうげん)病内科(三森経世教授)を外来受診、関節リウマチの治療薬メトトレキサート(リウマトレックス)を服用していた。
10月25日、消化管出血のため同病院の消化器内科(千葉勉教授)に緊急入院。病棟担当の研修医(25)は週に1日、計6ミリグラムを3回に分けて投与するメトトレキサートを、連日投与するよう看護師に指示、5日間にわたって計22ミリグラムが投与された。研修医は指示の際、免疫・膠原病内科の外来担当医に問い合わせていなかったという。
その後、入院時から症状のあった肺炎が悪化した。薬剤の連日投与が原因の可能性が高いため、同病院は2日に医療事故調査委員会を設置し調査を進める。同病院で会見した田中紘一病院長は「治療に全力を尽くしているが、多大な迷惑と心配をかけ深くおわびする」と謝罪した。
メトトレキサートは免疫抑制剤の一つで、過度に投与すると感染症の危険性が高まる。肺炎の患者への投与は一般に避けるという。

 ■基本忘れた治療の結果
投与ミスは、あいまいなカルテを作ったり、投与方法の確認を怠るという両科の基本を忘れた治療の結果だった。
今回の治療薬は服薬のタイミングが独特だったが、免疫・膠原病内科の処方せんやカルテには「一週に1日」という服薬方法が記載されていなかった。
一方、医師1年目の研修医はカルテを見ただけで、担当医への問い合わせはもちろん、薬剤の服薬方法などの確認もせず、大量投与を指示していたという。
研修医が所属する消化器内科の千葉勉教授は▽緊急入院の際、外来で行っていた処方を伝達するシステムがない▽消化器内科の指導医がチェックできなかった-などもミスの原因に挙げる。まさに大病院の投薬管理のずさんな一面が明らかになった。
京大病院は来年1月から、投薬管理も1元化した電子カルテを導入する予定。田中紘一病院長は「電子カルテが導入されていたらミスは防げていただろう」とした上で、「カルテを徹底的に確認するという基本ができていなかった」と話した。
(京都新聞)


・・・・・この記事、なに言ってるかわかりにくい人も多いと思う。一応、この事故の背景を解説させていただきます。(つーか、誰だよ、こんな糞記事を書いた記者は、、、分かりづらいぞ、日本語自体が!!たぶん、取材内容を理解しないままに記事を書いたと見た、。。)

70代男性はリューマチ治療のため、京大病院の膠原病科外来に通院していた。そこで、リウマトレックスを出してもらっていた。そして、この男性は消化管出血のため京大病院の消化器科に緊急入院することになった。そのため、入院中は膠原病科ではなく消化器科が主科としてこの患者を診ることになり、膠原病科で出ていたリウマトレックスも消化器科からまとめて出すようになった。。。
でっ、研修医は、膠原病科から患者に出ていた薬を処方するため、膠原病科のカルテや処方箋を調べそれを元に薬の処方をした。しかし、膠原病科のカルテにはリウマトレックスの用法がきちんと記載されていなかったため、思いこみで誤ったリウマトレックスの用法を設定してしまったと。。

本来、リウマトレックスの正しい用法は、『初日から2日目にかけて12時間間隔で3回経口投与し、残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。』

わかりやすくするとこんな感じ。
Day1:朝、夕 (1日2回、1回1カプセル)
Day2:朝(1日1回、1回1カプセル)
Day3~Day7:休薬
上記を1Weekごとに繰り返すという変形処方。

しかし、この記事を読むかぎり、研修医は『リウマトレックスカプセル2mg 2cap×7 1日2回朝夕』という処方出したみたいだね。。。。でっ、5日後に発覚したと。。。いったい何が問題だったのか、何が原因なのか。次のプログで検証していきたいと思います。
(次回に続く)