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桃太の一写一句

駄句が一枚の写真で様になるか!?

ブルゴーニュ

2013年10月28日 | 

「収穫を終へてひと息秋の空」

 

今回のフランス旅行の最大の楽しみは、あこがれのブルゴーニュへの一泊二日のツアーだった。パリ・リヨン駅から初めてTGVの列車に乗り、1時間半ほどでデイジョンに着くと、ガイドの花田さんが黄色いフィアットのミニバンで出迎えてくれた。

車はデイジョンからコート・ドールを南下し、ピュリニー・モンラッシェに本拠をおくオリヴィエ・ルフレーヴ社を訪問。オリヴィエはドメーヌ・ルフレーヴの親戚に当たる評価の高いネゴシアンで、自社畑も多く持つ。1時間近くも工場内を親切に説明してくれた後は、直営のレストランのラ・ターブル・ド・ルフレーヴでの昼食。8種類のワインがグラスで飲み比べできるコースを選択。料理も美味しく、2時間余りがあっという間に過ぎてしまった。そのあとはモンラッシェの畑を見て、宿のオテル・ル・セップにチェックイン。

翌日は、コルトンの丘を見た後、コート・ド・ニュイをゆっくりと北上しながら、ヴォーヌ・ロマネのドメーヌを訪問・試飲。その後、聖地・ロマネコンテイの畑を訪れて記念写真を取り、ヴージョ、シャンボール・ミュジニー、モレ・サンドニの各村と畑を車中から眺めながら、ジュヴレ・シャンベルタンに到着。昼食を取った後、花田さんとはデイジョンで別れ、TGVでパリ・リヨン駅に戻ってシャルル・ドゴール空港から成田へと飛び立った。

写真はロマネコンテイの畑。ぐずついた天気が続いたそうであるが、この日は朝から目の覚めるような秋晴れの天気。収穫の終わった畑は、ブドウの葉が黄金色に色づき始めていた。(13-10-22)


パリ

2013年10月28日 | 

「夜は更けて花の都の十三夜」

 

リタイア記念の妻とのフランス旅行が念願かなって実現した。日程は5泊7日。ゆったりとしたスケジュールをということで、先ずパリに4泊、そのあとブルゴーニュへ1泊2日の小旅行をして、パリから成田へ戻るというツアーを組んだ。17日の午後に成田を立ち、12時間ほどのフライトでパリに着くのが現地時間で17日の夕方になる。

妻はフランスは初めて。私はパリは2度目となるが、前回は仕事がらみのお任せ旅行で、ルーブル・ベルサイユを駆け足で回ったという程度。今回は妻と私の好みも入れて、事前準備も怠りなかった。最も時間があるようでもそんなに余裕はなく、もっぱら飲み食い買いのパリ旅行となってしまったが・・・・。

10月の17日はちょうど十三夜に当たった。写真は宿を取ったオペラ座近くでのスナップ。花の都で見る十三夜の月は、何か得した気分がして、日本とは又違う趣があった。(13-10-17)


伊勢神宮 遷御の儀

2013年10月15日 | 

「浄闇(じょうあん)に足音消へゆ杜の秋」

 

伊勢神宮式年遷宮の8年間にわたる一連の行事の締めを飾る「遷御の儀」が、今月の2日と5日に、内宮と外宮でそれぞれ厳粛の中に滞りなく執り行われた。まだついこの間の出来事なのに、随分と前のことのように感じられる。今やマスコミの報道は、今年の伊勢神宮参拝者の人数がどこまで伸びるかに移っている。

2日の夜に散り行われた内宮の遷御の儀については、偶然に、三重テレビの式年遷宮特別企画「お伊勢さん」の第10回放送の実況中継で見ることが出来た。それは、内宮参道沿いの「すし久」の2階に舞台を設け、三重テレビのアナウウサーの司会で、前神宮大宮司・皇學館大學学長らのその道のプロに、女優の「檀れい」と歌手の「夢輝のあ」の二人が加わって遷御の儀を語る、という内容の番組だった。偶然にテレビをつけた私は、思わずその番組に見入ってしまった。二人の特別ゲストの語りも、予想に反して重みが感じられる堂々としたものだった。

午後8時となり、いよいよ儀式の中継が始まった。天皇陛下に変わり臨時神宮祭主を務める黒田清子さんを中心に、黒と白色の祭祀装束の宮司たちが進んでいく。松明の灯りが行列を浮かび上がらせ、玉砂利を踏みしめる足音が浄闇(じょうあん)に吸い込まれていく。私は、鳥肌が立つのを感じた。伊勢神宮の歴史についても、遷宮の儀式についても、詳しいことはよくは知らない。でもこの儀式を見ていて「ああ、つくづく日本人に生まれて良かったなあ・・・」と改めて思った。この国には神話の世界が連綿と生き続いている。20年後の儀式に参列できるものならば、是非参列してみたいものである。(13-10-15)


名古屋ドーム

2013年10月01日 | 

「秋暑ため息をつく投手戦」

 

名古屋ドームで初めて中日・広島戦を観戦した。

トヨタ自動車が年間契約しているビップルームへのご招待を受けた。ならば、断るわけにはいくまい。野球にはあまり興味がないが、そんなことは言ってはいられない。地下鉄に乗り、大曽根の名古屋ドーム駅で降り、駅からドームまでの遊歩道を、ドラゴンズのウニフォームに身を固めたファンや家族連れに囲まれて、ゾロゾロと歩いた。9月の中旬とはいえ残暑は厳しい。汗かきの私は歩くだけで汗びっしょりになってしまった。

ドーム内はエアコン完備で天国だった。ましてやビップルームには、お酒と食べ物の用意もされていた。贅沢にもシャンパーニュまで取り寄せてもらい、申し訳ないがゲームをじっくりと見る余裕は全くなかった。(13-9-14)


八事の丘の月

2013年09月19日 | 

「嵐去り月は東に日は西に」

 

台風18号が週末の日本各地に予想以上の被害をもたらした。特別警報なる新たな警報発信の制度が初めて適用されたが、生まれて初めて経験するような被災地の被害状況を報道で知ると、人間がコントロールしようのない自然の猛威の恐ろしさに愕然とする。

台風一過の17日、被災地には申し訳ないが、見事な秋晴れの天気となった。夕方の散歩に出かけると、沈みゆく夕日に照らされた八事霊園の東の空に、白い月がくっきりと昇っているのが眺められた。

中秋の名月は19日、天気も大丈夫のようだ。久しぶりに興正寺の観月会にでも出かけてみようか。(13-9-18)


鳴門の渦潮

2012年11月24日 | 

「小春日や海峡めぐる船の上」

 

 先日、初めて「鳴門海峡渦潮観光」なるものを経験した。大型観光船「ワンダーなると」に乗り込んで、約30分の時間ではあったが、小春日和の好天にも恵まれ、次から次へと発生する渦潮に、つい歓声をあげてしまった。

渦潮の発生は、鳴門海峡を境にして潮の満ち引きにより瀬戸内海と太平洋側(紀伊水道)とに水位の差が生じることによる。潮の満ち引きは月と太陽の動きに起因しており、地球の自転により約6時間ごとに反転(瀬戸内から太平洋へ、又太平洋から瀬戸内へ)し、1日に4回発生する。鳴門の特徴は、地形的に淡路島を太平洋からの潮流が時計と反対回りに回って鳴門海峡を通ることが、渦潮を大きなものにしているとのことだ。又、海峡の中央部は深く岸に近いところが浅いために、中央を流れる速い本流が両岸の浅い流れを巻き込む。ちなみに、この潮流の速さは最大値で10ノットもあり、鳴門が日本一なのだそうだ。

おかげで、渦潮に関する知識も身についた。鳴門の渦潮は最大直径20メートルにもなるという。この日は大潮の時期に当たり期待されたが、渦潮の大きさは残念ながらやや小粒であった。でも、初めての渦潮には満足、満足。(12-11-6)


鳴門パークハウス 「ホテル・リッジ」

2012年11月17日 | 

「松茸の形(なり)に驚く土瓶蒸し」

 

カリフォルニアにリッジ・ヴィンヤーズという著名なワイナリーがある。ジンファンデル種を使った赤ワインで有名なワイナリーであるが、カベルネ・ソーヴィニヨンベースのボルドータイプの赤も評判が高く、少量ではあるがシャルドネの白も造っている。ボドータイプのフラグシップ・ボトルは「リッジ・モンテベロ」といい、この赤ワインは2006年におこなわれたフランス・カリフォルニア試飲対決で、2位以下を大きく引き離して最高得点を得たことでも名高い。

大塚製薬はこのワイナリーを1988年に購入しており、以降もリッジの個性と品質を大事にしたワイン造りを続けている。大塚製薬は徳島県の鳴門が創業の地であり、地域貢献の活動の一環として、1998年に鳴門海峡近くに陶板による複製西洋名画を展示した「大塚国際美術館」を開館している。そればかりか、2006年にはその近くの丘の中腹に「ホテル・リッジ」をオープンさせた。木造平屋のコティジが10棟のプライベートな雰囲気が漂うリゾートホテルで、建物・調度品・食事・応対・景色のどれもが一流である。

そのホテル・リッジに宿泊する機会を得た。「リッジ」の呼称から伺えるように、レストランのメインボトルはリッジ・ヴィンヤーズのものを揃えている。ディナーは和食のコースのみであるが、これに当然リッジのワインを合わせる。モンテベロは高額のため遠慮して、その下のエステートクラスのシャルドネとジンファンデルにカベルネ・ソーヴィニヨンの3本をいただいた。ワインはもちろん素晴らしかったが、洗練された和食の料理にも十分に満足させられた。写真の土瓶蒸の、松茸のまことに分厚かったこと。(12-11-7)


宇治平等院

2012年11月17日 | 

「小春日や世界遺産をはしごする」

 

宇治川の東西に位置する二つの世界遺産をはしごした。

まずは「宇治上神社」。宇治川の東岸の朝日山の山裾に鎮座する宇治上神社は、神社建築では日本最古の拝殿と本殿が残されている。朱塗りの鳥居をくぐり門の中に入ると、拝殿の前の円錐形の盛砂(清め砂)が厳かな場所に足を踏み入れたな、という雰囲気を演出している。その奥の本殿は訪れてみると予想外に規模が小さいが、いい佇まいをしている。もう一つは宇治川の西岸に鎮座する「平等院鳳凰堂」である。残念なことに平等院は今年の9月から屋根吹き替えの大修理が行われていて、再来年の3月まで仮設屋根と工事幕にすっぽりと覆われていて何も見えない。せっかくなので境内にある「平等院ミュージアム」を見学した。展示物で印象的だったのは「雲中供養菩薩像である。52対の国宝の内半分ほどが展示されていたが、雲にのってさまさ゜まな楽器を奏で舞う姿はユーモラスで印象に残った。

ところで京都(周辺地区を含めて)には世界文化遺産の登録を受けた寺や神社が17もあることを初めて知った。金閣寺、銀閣寺、清水寺、龍安寺、延暦寺・・・、さて、あなたはいくつ数えることができますか。(12-11-7)


宇治川

2012年11月17日 | 

「川に立つ鷺の動かず冬に入る」

 

 

宇治川は淀川水系の中流の河川。琵琶湖から流れ出す瀬田川は、大津市南郷の洗堰から下流を宇治川という。宇治川は宇治市から京都盆地を西流して、大阪府との境からは淀川となる。

宇治川は上流に天ケ瀬ダムがあり水量の調節が行われているが、思ったよりも流れがある。この日はちょうど二十四節気の立冬に当たる。毎年残暑が厳しくなり、北陸では長い夏がようやく終わると、秋はあっという間に過ぎ去り冬が急速に近づいてくるが、ここ宇治川周辺の山はまだ紅葉が始まったばかりであり、これから秋の観光シーズンのピークを迎えようとしている。

中州の「中の島」に架けられた朝霧橋から川を眺めると、鷺が何羽か川中の石に立ち止まって瞑想しているかのようにじっとして動かずにいる。古代より水陸の交通の要衝であった宇治は幾多の合戦の舞台となっている。又、宇治は源氏物語後半の宇治十帖の舞台にもなったところである。近くには「源氏物語ミュージアム」もある。日をあらためて、ゆっくりと当時の状況を学んでみたいと思う。(12-11-7)


荘川 「鮎の庄」

2012年10月16日 | 

「焼き鮎の串を競ひてかぶりつき」

 

荘川の鮎料理で有名な「川金」の「鮎の庄」へ鮎を食べに出かけた。川金では庄川水系のミネラルをたっぷりと含んだ伏流水を引き込んで鮎を養殖している。「何だ、養殖なのか」と侮ってはならない。水質管理なども徹底しており、「天然鮎よりもよい環境で育てています」とその味には自信をもっている。だからこそ、シーズンを通してウィークデイは予約で埋まり、土日には長時間待ちとなる。

庄川の鮎は水温が低いせいか、通常の鮎よりは小ぶりである。その鮎を竹の串に刺して、焼き10年のベテランが囲炉裏でじっくりと焼き上げる。火は強火で炭から離して20分。その焼き立ての鮎を串に刺したまま出す。客席にも小さな囲炉裏が設置されており、保温のための炭をもってきてくれる。

当然、鮎の塩焼きを頼む。まず一人当たり5本。「一度に出てくると冷えるかもしれぬ」といらぬ心配をして、「まず3本づつもってきてね。食べ終わったタイミングで次の2本をお願いします」と細かい注文をつける。小ぶりの鮎は焼き加減も絶妙で、竹の串からもはがしやすく、頭からかぶりつくことができる。5本はあっというまに平らげてしまった。後はそれぞれの好みで本数を決めて追加だ。結局私は7本。他のメニューを頼まなければ10本ぐらいはいけそうな気がする。これは癖になると思った。(12-10-12)