桃太の一写一句

駄句が一枚の写真で様になるか!?

鶴来 鮎料理「りんどう」

2012年08月10日 | 

「頭からかじりて鮎のほろ苦き」

 

昼飯は蕎麦の「草庵」を目指したが、残念なことに定休日。であれば、この季節、やはり鮎であろう。道路沿いのあちらこちらに「鮎料理」ののぼりがたっている。ここは嗅覚が大事だ。老舗の和田屋は避け、というよりも金額的に敬遠し、程よい構えの「りんどう」という川魚料理食堂を選んだ。白山ひめ神社の門前近くに位置する。

店に入ると、入り口近くに立派な囲炉裏がある。炭は赤々と燃えており、準備は万端のようだ。こじんまりとした店内にはマニアなら興味しんしんのオーディオ装置からジャズが流れている。テーブルのメニューを見ると、鮎にロワールのプイイ・フュメのグラスワインが合います、とある。目を横に向けると戸棚の上には、何とオーパスワンの木箱が置かれている。「うーん、何者だろうか」と思い、若い店主に「ワインお好きなんですね」とたずねると、ニヤッと笑って「私、ソムリエなんです」と答えてくれた。これは、まあ、冗談だろう。

鮎は串に刺し、囲炉裏でじっくりと焼き上げる。客がやや待ちくたびれたかなという絶妙のタイミングで1700円の鮎定食が出てきた。天然の小ぶりの鮎は、頭からかぶりつくと香りが口の中に広がる。焼き具合も文句ない。これはワインを飲める段取りをして、もう一度来なくてはなるまい。(12-8-9)


白山スーパー林道

2012年08月10日 | 

「大滝の大鷲のごと夏の空」

 

白川郷トヨタ自然学校から金沢への帰りは、白山スーパー林道をドライブして白山市の鶴来に下りるコースを選択した。

スーパー林道を白川郷口から登り始めると、ぐいぐいと標高が上がり、気温が下がってくる。自然学校の地点の標高は700mで朝の9時半の気温が23度。そこから100m上るごとに約1度気温が下がってくる。スーパー林道の最高点で標高1500mほどだから、窓を開けて走ると風が冷たく感じるほどだ。

スーパー林道からの景色は岐阜県側は周りの山が遠く見渡せて雄大なのに比べ、石川県側に移ると険しい山肌が迫った景色へと様変わりする。道はカーブが結構きつく、運転手はゆっくりと景色を楽しむ余裕はなく、同乗者は車に弱い人は車酔いをしそうだ。途中には見晴らしのスポットが多く、駐車場もしっかりと整備されている。我々は、定番の「ふくべの大滝」で車を止め、86mの大滝を仰ぎ見た。(12-8-9)


白川郷トヨタ自然学校

2012年08月10日 | 

「熊よけの人事ならぬ夏木立」

 

白川郷トヨタ自然学校での幹部研修の翌朝、学校の敷地である裏の里山を散策した。

自然学校という名を冠しているだけあり、子供から大人まで対象としたシーズン毎の各種の体験学習プログラムがそろっている。パンフレットをめくると、「焚き火DEデート」「ナイトハイク」「旬を味わう山菜摘み」「イワナつかみ」「流星ウォッチング」「早朝バードウォッチング」「白山スーパー林道ご来光を拝む早朝登山」などなと、実に魅力的なプログラムが満載だ。

まあ、プログラムへの参加は別の機会に譲るとして、食後の軽い散歩をと森の散歩道を進むと、「クマに注意」の看板が立っている。今年は一匹のクマが里山に下りてきたのが発見されたのだとか。ホテルのフロントでは、「クマよけの鈴を貸し出します」との表示まであった。(12-8-9)

 


アリゴテ

2012年08月03日 | 

「暑気払いアリゴテ空ける友のいて」

 

連日、最高気温は30度を越えて35度に迫り、夜も25度以上の熱帯夜が続いている。ここ金沢での夏は8年目になるが、こんな暑い夏は初めてだ。外に出ると白熱の太陽の日差しがジリジリと肌を刺す。「そういえば、少年時代の夏はこんなだったなあ」と、昔を思い出す。

ガーンと冷やしたビールもいいが、年齢のせいか沢山は飲めなくなってきた。そこでワインならば、夏はもちろん白である。それも、芳醇なシャルドネでは、ちと重い。かといってソーヴィニヨン・ブランでは酸味が強すぎる。やはり、ベストは良く出来たアリゴテではないだろうか。

飲み仲間との会に持参したのは、ドメーヌ A.ET P.DE VILLAINEのアリゴテ(2010年)である。DRCのオーナーであるヴィレーヌさんの個人のドメーヌで、アリゴテ種をつかってつくる白ワインは評判が高い。しかもとてもリーズナブルである。ブーズロン村(ピュリニー・モンラッシェの南隣に位置する)のアリゴテはブルゴーニュでは唯一斜面畑に植えられ、独特の黄金色に色づくため「金のアリゴテ」と呼ばれ別格扱いされている。その古木のアリゴテを使い、オーガニック栽培・低収量といったDRCの丁寧な伝統を守ったワイン造りを行っているのが、このドメーヌである。人気銘柄のため、日本に入ってくると、あっという間に売り切れてしまう。ワインカーヴ・マルコで2本限定で入手したが、店主の小林さん、きっとまだ何本かはセラーに隠しているに違いない。(12-8-1)