みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

みりんの徒然声 春の終わりその1

2016-04-05 22:25:30 | 日記
あたしは〆切間近の作家でネタがうかばなくて苛々していた。春が終わり、初夏に入り生ぬるい風があたしの頬をなぜた。ふと、うとうとすると手が勝手に動いて文書をつむぎだしていた。アタシヲミツケテ。アタシニキョウリョクシテ。何度消しても現れる。ああ、あたし疲れてるなあとうーんと伸びをした瞬間。ふと部屋の隅に若い女の子が座っていた。ちょっとあんたどっから入ったのよ、とあたしが少しヒステリックに騒いだ瞬間、女の子は、ぐぐっとあたしに顔を寄せて、見えるの?ねえ、あたしのこと見えるの?あー、今どきの格好して良かったなーと訳の分からない事を言った。今どきて、茶色い長い髪につけまつげ夏に良く見る涼しげなマキシワンピースどうみてもどこにでもいる若い女の子だ。家出か?最近の子はよくわからない。とりあえずあたしは忙しいいの、帰ってよ、と強い口調で言うと彼女は、せっかく見える人に逢えたのに?とまた可笑しいことを言った。もう強行突破だとつまみだそうとしたら伸ばした手が彼女をすり抜けた。はい?あんた何?聞くと彼女はニッコリ笑って幽霊だよ、と答えた。

続くー


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