愛しい人や、大切な人があたしに刃を向ける。恐怖が後ろからそっと忍び寄ってあたしの背中を断ち切った。なんで?と振り返ると今度は肩をバッサリ斬られた。膝まずいて血にまみれて泣くあたし。目が覚めて夢だと安堵するも恐怖で震えが止まらない。携帯を取り出してあたしが甘えそうな人のアドレスを消去した。どうせ片想いだ、甘えなどいらない。あたしからはもう発信はしない。ふと我に返ると口うるさい母親がなんて年を取ったのだろうと思う。もし母親が死んだらあたしは後悔するだろう。だから、もう誰かを求めることはしない。携帯はあっさり消えた。明日から休みの日には職安に通おうと思う。やり直せるかは分からない。でも生きていくしかないんだ。孤独でも1人でも生きていくしかないんだ。最近結婚しないの?と言い始める母親。ごめんなさい、それは無理みたいです。でも頑張るから、仕事してちゃんと生きていくから、もう少し待って下さい。ごめんなさい、ごめんなさい。