ありがとうは感謝の言葉なのに全然嬉しくなくて、あたしの生活をぐちゃぐちゃに乱して去っていった友人の残した言葉は白々しく、そのころから風邪でもないのに声がでなくたった。これがおとぎ話ならとりわけあたしは人魚姫だが、生憎あたしは姫ではない。必要とされてると思っていたのはあたしだけで、友人もどきは心にもないありがとうを言って他の元へと帰った。あたしの家は都合のいいビジネスホテルか?会社の人は酒やけだと掠れた声を笑う。あたしも笑う。だけど気持ちは冷めきっていて、もう何も話す言葉も気力もないからあたしは話せないのだと思う。どうせいずれ治るだろうけど。
泡にもなれやしない。現実は厳しいから
泡にもなれやしない。現実は厳しいから