今日はときどさん、片上さんとお会いしてお話しを伺うことができました。
片上さんはこのブログの読者なら皆さんご存知でしょうが、東大卒の将棋プロ。バックギャモンの日本タイトルも取ったことがあります。
ときどさんは格闘ゲームのプロ。
http://fgamers.saikyou.biz/?%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%A9#.VddSRvntmIw
麻布中・高時代の17歳で世界一になった後、東大にはいり、その後格闘ゲームのプロとなって現在の
格闘ゲーム界を支える一人です。
ときどさんとは初めてお会いしたのですが、面白いお話をたくさん伺えました。
彼は非常に「陽」のオーラを持った人で、初対面なのに本当にオープンにいろいろと話してくださいました。
頭脳明晰で、何をすればいいか分かっていて、それをしっかりと実行に移せる。
必要とあれば厳しい練習でも苦しいと思わずにこなせる。勝つのは当然のように思いましたが、
彼はまだまだ上がいると認識していて、むしろ危機感を強く抱いているようでした。
私は格闘ゲーム業界のことはほとんど何も知りませんが、この人にそう思わせている、それだけでこの業界の奥深さがわかりました。
格闘ゲームとバックギャモン(または将棋)との大きな違いは、格闘ゲームは相手ありきということ。
バックギャモン・将棋は盤上の真理、最善手といった考えがあり、お互いに最善を尽くせばこれがベスト、というのを
追及していくのが基本的な考え方です。しかし、格闘ゲームはリアル格闘技(相撲・アルティメット、ボクシングetc)と
同じく、相手ありきの勝負です。ですので、相手の研究に大きな時間を割くとのこと。
対戦相手が決まり次第、対戦相手の動きを動画で研究し、攻撃・守備のパターンをシュミレーションしていくようです。
相手がこうきたらこうくる、こうきたらこうくる、というのをパートナーとともに延々と考え、引き出しを増やしたほうが勝つ。
しかし、相手も同じことをしてくるので、そう簡単ではありません。次の試合ではすでに相手も変わってくるのです。
ときどさんの本では試合と試合の合間のたった1時間にパターンを変えてきた強豪もいたとのこと。
考えただけでぞくぞくしませんか?対戦しながらのクリエイティビティというのも大事になるはずです。
反射神経、操作技術などはプロなら基本で、そこは一番差がつかないとおっしゃっていました。
(とはいえ、その反射神経、技術を磨く、維持するのにも多大な時間を使っているのは容易に想像がつきます)
また、キャラ選択があるというのも大きな違いです。最近の格闘ゲームは何十人ものキャラから選ぶことができるわけで、
メーカー側がいかにゲームバランスをとろうとしても、強いキャラと弱いキャラが出てしまいます。
当然最強のキャラをやりこむのが必勝への近道のはずですが、そこは業界の不文律で、最強キャラばかりを選ぶのはよくないと
されているそうです。確かに、プロ同士の対決が常に同キャラ対決だったら、見てる側はなにも面白くありませんよね。
むしろ、少し不利なキャラをつかって強いキャラに勝つ、ということにストーリーやドラマを感じるはずです。
とはいえ、最弱キャラは選ばないと思うので、競技性とエンタメ性のバランスが大事なわけですね。
片上さんがおっしゃっていましたが、つまらない試合をしても勝つべきなのか、面白い試合をしたら負けてもいいのか、
美学にも通じる問いが突きつけられているわけです。(ただし、それをプロとしての総合的な損得で考えるなら美学ではなくなりますが。)
僕の中では両方とも負けです。負けなんでどっちでもいい。面白い試合、自分の限界に挑戦した試合をして、勝つ。
これが理想でそれ以外は負け。まあ○×はつきますが、それはどうやってもつくしね。
今日はすごく有意義だったのですが、格闘ゲームの話を理解できるほど格闘ゲームを知らないので、
今後は格闘ゲーム業界を追いかけていって勉強しようと思います。
また、日野君がJBLニュース向けにまとめて記事にするそうですので、JBL会員の方はお楽しみに。
4時間も話したけど本当にまとまるのか心配ですが。
ときどさんに興味がある方は彼の新刊を読むのがいいでしょう。
さらに格闘ゲームのプロについて知りたい人は、梅原大吾さんの本もおすすめです。
タイトルは勝つための意志力ではなく、勝ち続けるための意志力です。本を読むとその違いが単なるネーミングの問題ではなく、本質なんだとわかります。
この本は勝負にかかわる人はとりあえず読んどくべき。
片上さんはこのブログの読者なら皆さんご存知でしょうが、東大卒の将棋プロ。バックギャモンの日本タイトルも取ったことがあります。
ときどさんは格闘ゲームのプロ。
http://fgamers.saikyou.biz/?%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%A9#.VddSRvntmIw
麻布中・高時代の17歳で世界一になった後、東大にはいり、その後格闘ゲームのプロとなって現在の
格闘ゲーム界を支える一人です。
ときどさんとは初めてお会いしたのですが、面白いお話をたくさん伺えました。
彼は非常に「陽」のオーラを持った人で、初対面なのに本当にオープンにいろいろと話してくださいました。
頭脳明晰で、何をすればいいか分かっていて、それをしっかりと実行に移せる。
必要とあれば厳しい練習でも苦しいと思わずにこなせる。勝つのは当然のように思いましたが、
彼はまだまだ上がいると認識していて、むしろ危機感を強く抱いているようでした。
私は格闘ゲーム業界のことはほとんど何も知りませんが、この人にそう思わせている、それだけでこの業界の奥深さがわかりました。
格闘ゲームとバックギャモン(または将棋)との大きな違いは、格闘ゲームは相手ありきということ。
バックギャモン・将棋は盤上の真理、最善手といった考えがあり、お互いに最善を尽くせばこれがベスト、というのを
追及していくのが基本的な考え方です。しかし、格闘ゲームはリアル格闘技(相撲・アルティメット、ボクシングetc)と
同じく、相手ありきの勝負です。ですので、相手の研究に大きな時間を割くとのこと。
対戦相手が決まり次第、対戦相手の動きを動画で研究し、攻撃・守備のパターンをシュミレーションしていくようです。
相手がこうきたらこうくる、こうきたらこうくる、というのをパートナーとともに延々と考え、引き出しを増やしたほうが勝つ。
しかし、相手も同じことをしてくるので、そう簡単ではありません。次の試合ではすでに相手も変わってくるのです。
ときどさんの本では試合と試合の合間のたった1時間にパターンを変えてきた強豪もいたとのこと。
考えただけでぞくぞくしませんか?対戦しながらのクリエイティビティというのも大事になるはずです。
反射神経、操作技術などはプロなら基本で、そこは一番差がつかないとおっしゃっていました。
(とはいえ、その反射神経、技術を磨く、維持するのにも多大な時間を使っているのは容易に想像がつきます)
また、キャラ選択があるというのも大きな違いです。最近の格闘ゲームは何十人ものキャラから選ぶことができるわけで、
メーカー側がいかにゲームバランスをとろうとしても、強いキャラと弱いキャラが出てしまいます。
当然最強のキャラをやりこむのが必勝への近道のはずですが、そこは業界の不文律で、最強キャラばかりを選ぶのはよくないと
されているそうです。確かに、プロ同士の対決が常に同キャラ対決だったら、見てる側はなにも面白くありませんよね。
むしろ、少し不利なキャラをつかって強いキャラに勝つ、ということにストーリーやドラマを感じるはずです。
とはいえ、最弱キャラは選ばないと思うので、競技性とエンタメ性のバランスが大事なわけですね。
片上さんがおっしゃっていましたが、つまらない試合をしても勝つべきなのか、面白い試合をしたら負けてもいいのか、
美学にも通じる問いが突きつけられているわけです。(ただし、それをプロとしての総合的な損得で考えるなら美学ではなくなりますが。)
僕の中では両方とも負けです。負けなんでどっちでもいい。面白い試合、自分の限界に挑戦した試合をして、勝つ。
これが理想でそれ以外は負け。まあ○×はつきますが、それはどうやってもつくしね。
今日はすごく有意義だったのですが、格闘ゲームの話を理解できるほど格闘ゲームを知らないので、
今後は格闘ゲーム業界を追いかけていって勉強しようと思います。
また、日野君がJBLニュース向けにまとめて記事にするそうですので、JBL会員の方はお楽しみに。
4時間も話したけど本当にまとまるのか心配ですが。
ときどさんに興味がある方は彼の新刊を読むのがいいでしょう。
さらに格闘ゲームのプロについて知りたい人は、梅原大吾さんの本もおすすめです。
タイトルは勝つための意志力ではなく、勝ち続けるための意志力です。本を読むとその違いが単なるネーミングの問題ではなく、本質なんだとわかります。
この本は勝負にかかわる人はとりあえず読んどくべき。