熱帯魚工作箱

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自作 スポンジフィルターの替えスポンジ その2

2008-12-30 23:10:02 | 自作スポンジフィルター
前回のスポンジフィルターの替えスポンジの作り方で 基本的には自作せずに実績がある市販品を使っていると書いたのですが 検索をしていて見つけた「創造の館」さんのサイトの熱帯魚とアクアリウムの中のスポンジ濾材についての記事を読んでいて ここに書かれているスポンジにひかれるものがあり これを使って替えスポンジを作ってみたくなりました。
スポンジフィルターは目詰まりするちょっと前の状態の時に水槽の調子が良いと思うのですが 調子がいいからとスポンジを洗わずにそのままにしておくとやがて目詰まりして水槽の状況が急変することになります。そこで上記のスポンジでスポンジフィルターを作ればどうなるかな?と思ったのです。耐久性があるというポリエーテルという素材もすでに多くの方が濾材として使われているので安心して使うことができます。 目の粗いスポンジを使えば通水性は良くなりますがバクテリアが住み着くための濾材としての表面積が小さくなります 表面積を確保するために目を細かくするとすぐに目詰まりをして水の流れが悪くなるので妥協点が難しいところです。市販のスポンジフィルターはそれぞれのメーカーが性能やコストを考えたうえでベストと判断したスポンジで作られているのだと思います(思いたいです)。

先ほどのポリエーテル製のスポンジを近所のホームセンターやカーショップで探しましたがやはりイエローハットでしか売っていないようです。イエローハットでも店によって価格が違っていて¥280で売っている店と¥300の店がありました。買ってきたスポンジを観察してみると 一般的なスポンジより硬めで重量感があり小さな気泡でできたスポンジの中に大きな気泡が点在している構造です。


同じような構造のポリウレタン製のスポンジなら他のカーショップでも売られていますが今回はポリエーテル製にこだわります。 何故かというと 新しいスポンジにバクテリアが住み着いてフィルターとして機能するまでに時間がかかるので出来るだけ新しい替えスポンジと交換したくはないので 耐久性があるスポンジなら長期間使えそうなのと このスポンジは硬めで弾力があるので 押し洗い(握り洗い?グッパー洗い?)の時にすぐに元の大きさに戻って洗いやすそうなのがその理由です。大きい気泡の空間部分がかなりあるので表面積という点ではちょっと不利かも知れませんがそのかわりに通水性が良いということなので ちょっと大きめに作るという手もありますが今回は市販品サイズで作ってみました。

さて 自作とはいえ フィルターの構造上 やはり円柱状に作りたいですね でも前回の接着する方法では弾力がある今回のスポンジではちょっと無理があります。切り抜きで作る方法をいろいろと考えたのですが失敗の連続で良い方法が思い浮かばず 今回は何とか作ることができた2分割で作る方法です。簡単に説明するとスポンジを押さえつけてぺったんこにしておいて円切りカッターで切り抜くのですがあまり厚いものは切ることができないので2分割で作ります。

用意するもの
上記のポリエーテル製洗車スポンジ
円切りカッター(C-1500P)
アートナイフの替え刃
ボール紙(菓子の空き箱など)
10mmのポンチ
竹串



作り方
まず円切りカッターの刃を大きい刃と交換します(付属の刃では刃の部分の長さが足りず厚いものを切り取ることができません)





そのままでは大きい刃を取り付けられないのでEリングを外し 部品を分解して刃の押さえ板を裏返してから元に戻します。本体の刃があたる部分もヤスリで少し削っておきます。



面倒くさい作業ですが厚いものを切るのでこの刃の長さが必要です。

まずスポンジを大まかな大きさにカットします(ブロックのままだとうまく押さえつけられません)



ボール紙でスポンジを押さえつけておいてボール紙ごと円切りカッターで切り抜きます。



円切りカッターの中心の針をブスッとしっかり突き刺して中心がぶれないようにしっかり押さえて固定しながら本体を回します。押さえつけたまま切る必要があるのでこの円切りカッターの構造がが必要になります。





切り抜いた円柱形のスポンジを再度押さえつけて中心をポンチで抜いて出来上がりです。



これを2個つなげるとニューブリラントのスポンジと同じ大きさになります。



穴が貫通しているので余ったスポンジで「栓」を作って対応をします。





スポンジを押さえつけるときにまっすぐ抑えつけないと切り取った時にスポンジが微妙にゆがんだ形に出来上がってしまいます。
そこで… 
竹串をボール紙ごとスポンジの中心を突き刺しておいて竹串をガイドにしてスポンジを押さえつけると比較的まっすぐに押さえつけることができます。



ポンチを使う時も同じように圧縮します



しっかりと押さえつけたまま竹串を抜き その穴に円切りカッターの針を刺して切り抜くと比較的形の良いものが作れます。 カッターの刃の長さはこれでもギリギリの長さです しっかり押さえつけて切らないと下まで刃が届きません。
そこでこんなのを考えてみました。



小型カッターナイフ用の鋭角な方の替え刃ですね これを2つ目の線で折ります。このままでは大きすぎて取り付けられないのでラジオペンチ2本を使って角の一部を折り取ります。折り線がある面を下側にして作業すると案外うまく折れます。これで円切りカッターに取り付けることができるようになるのですが 折る時に刃の破片が勢いよく思わぬ方向に飛ぶことがあるので怪我をしないよう刃全体をセロテープで覆ったりビニール袋の中で作業をするなどの安全対策をしてください。





出来あがった自作替えスポンジに口をあてて息を吹き込んでみました 息を吹き込むと結構抵抗があります ニューブリラントフィルターの替えスポンジに同じように息を吹き込んでみたら何の抵抗もなく息が通り抜けました。スポンジの目の大きさはどちらも同じぐらいに見えますが構造が違うようです。今回のスポンジは気泡の面の一部が残っている構造ですが ニューブリラントのスポンジは気泡と言うよりほとんど線状の骨組みだけの網目構造になっていてこの構造がメーカーのいう特殊スポンジということなのでしょうか。



水の中で握り洗いをするとその違いがはっきりと分かります。今回のスポンジは何度水の中で握ってもいつまでも細かい泡が出るのに対してニューブリラントの替えスポンジは数回握ると泡は出なくなります。 私はスポンジフィルターはエアーの量を少ない目で使っているのですが今回のスポンジの場合は抵抗が大きいのでエアーの量はかなり多めにして使う必要がありそうです。
実際 プラケースでいつも程度のエアー量で使ってみたのですが2週間ぐらいではスポンジは殆ど元の色のままでしたがエアーを強めたら3週間でこんな色に変わりました。





エアー量が多い割りには水流は弱めなのでプラケースの中は案外平和です。
(ちなみにプラケの中の稚魚はミクロラスボラ・ハナビです)
このスポンジの場合 多い目のエアーで使うのがポイントのようです。
ろ過能力については色んな要素が関係するので判断は難しいところですがスポンジの抵抗が大きいのでヤマトヌマエビやレッドラムズホーンなどのすぐに沈んで底に溜まる糞は吸い込みにくいようです。その代わりブラインシュリンプをあまり吸い込まないことでもあるので用途によっては使えそうです。





製作される前に必ずこちらをお読み下さい。


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2 コメント

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明けましておめでとうございます (ossyan)
2009-01-06 00:58:00
今年もよろしくお願いします。
さて、洗車スポンジを四角く切って外部フィルターなどのろ材にするのはよく見かけますが、丸くくりぬいてスポンジフィルターにするのは新しいですね。
私も洗車スポンジを使用していて、その侮れない能力を知っているのですが、記事中の息を吹き込む実験を見て、ブリラントのスポンジも切ってみたくなったりしました。

スポンジフィルターの周りでハナビの稚魚が泳いでいますが、沢山増えたんですね。まるでアメリカのアニメに出てくるチーズの周りを泳いでいるように見えます。かわい~。
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今年もよろしくお願いします (mizuwarabi)
2009-01-06 12:48:49
ossyanさん
あけましておめでとうございます。
刻んで濾材にするのなら構造上ブリラントのスポンジよりこのスポンジの方が良さそうな気がします。(高性能といわれているガラス製リング状濾材も息を吹き込むと結構抵抗があります)ゴミ取り用になら網目構造の台所用スポンジが使えるかもしれませんね。

ハナビはすでに♂♀が判断できる大きさになっているのもいて50匹ぐらいいます。もう少し観察を続けてから気が向いたら記事にしようと思っています。
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