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熱帯魚工作箱

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ブラインシュリンプをプラケースで飼ってみた

2012-06-09 23:47:04 | 育て方 殖やし方(アクア)

ブラインシュリンプ(アルテミア)は簡単に孵化するのに飼ってみるとこれがなぜか育てられないという私と同じような経験をお持ちの方も少なくないはず(…と思いたい)

とあることがきっかけで飼育に再挑戦したもののやっぱりうまく育てられません。何が原因なのか育て方を検索しても解決策は見つけられなかったのですが あきらめずにいろいろ試していると何とかなるもので 成体までそれなりに育てられるようになり 私のように育てられなかった方へのヒントになることもあるかと思い 備忘録を兼ねて書き留めておくことにしました。
今回は相手が極小サイズで写真を撮ることができず 画像少なめ 説明だらけで文字多めです。
   

このブラインシュリンプは飼育キットが販売されていて育てられるはず?なのですが 過去に何度かトライしたものの育て方が分からず 私の頭の中では飼育が難しい生物になってしまっていて それ以後は育ててみようという気にもなりませんでした。

ところがところが…

うちでは餌として毎日孵化させているのですがブラインシュリンプを分離したあとの塩水をその都度捨てに行くのが面倒なので大きめのプラケースに溜めておいてまとめて捨てていました。
そのプラケースは雨のかからない場所で夏場は1日に数時間ほど陽があたる屋外に置いてあるのですが捨てるのが面倒でついついプラケ2個がたっぷんたっぷんの満杯状態になっていました。
ある日 片方のプラケの中に何かがいるのに気が付き よく見るとブラインシュリンプが大小取り混ぜ数十匹が泳いでいたのです。夏場だったので昼はかなりの水温になるはずです 使っている塩も精製塩で もちろん餌になるようなものは入れていません。頭の中が「?」と「!」だらけになりました。あれほど育てられなかったのにプラケの中でいつの間にか育っているなんて…… 

育てられなかった時とこのプラケースの環境との違いは「陽があたる」「ほったらかし」「餌を与えていない」といった 飼育とは程遠い言葉ばかりです。
プラケの置いてあった環境から考えて水温と塩分濃度については神経質にならなくてもよさそうですが 飼育には20度以上の水温が必要なので 冬場は水槽棚の蛍光灯付近に置いて温度を確保していて水温は25度程度です。
1Lプラケにあら塩で作った3%の塩水を入れ 孵化したブラインシュリンプを入れました。適量が分からないので ブラインシュリンプを分離して濾してオレンジ色の泥状になったのをスポイトで3滴ほど ポタポタと滴下(数百匹)ちょっと多めかな?(注:飼育水については最初は粗塩を使っていましたが途中から人工海水に切り替えていて塩分濃度も含め 気が付いたことを補足に書いています)

蛍光灯下で1Lのプラケで飼育となると やはり餌は必要と思われるので「きな粉」と「プレコ用の餌」を用意しました。クロレラのサプリも餌として使えるようです。
きな粉とクロレラのサプリはネットから得た情報で プレコの餌(商品名:ひかりクレストプレコ)は成分表を見ると植物性でクロレラとスピルリナが含まれると書いてあったので買ってきました。与える量もさっぱり見当がつきません(餌やりのタイミングとプレコ用の餌の給餌方法については後述)

孵化したてのブラインシュリンプはオレンジ色をしていますが 数日経つと体の色が薄くなり光にも集まらなくなってきます 飼育環境が変わらないのに餌を与えた翌日に極端にブラインシュリンプの数が減ることがあります。餌そのものが原因なのか もしくはいろんな要因の中でギリギリの状態になっているところへ餌を与えることがきっかけになっているのかもしれません。とにかく孵化後1~2週間までが微妙な期間です。
私の場合 この「餌の与えかた」が失敗の原因の一つだったような気がします。毎日与えたくなるうえ適量が分からず多く与えすぎてしまっていたようです。

飼育を始めてから数か月経っても 1~2週間程度 それも数えられるほどしか飼育することができずリセットの繰り返しでした。 塩分濃度を変えてみる 違うメーカーの塩を使ってみる 餌を変えてみる などなどいろんなことを試してみましたがあまり効果はありません。大きな水槽で飼うと環境が整いやすいのでしょうが 1Lのプラケースでの飼育は譲れないところなのでこのままプラケでの飼育を続けますがこの状況から抜け出せません……

飼育方法を調べていると 粗塩という言葉が出てきます 私はスーパーで買った塩を何種類か試してみたのですが長期間飼育することができません(塩だけが原因とは限りませんが) 粗塩であれば何でもいいという訳では無さそうです。
しょっちゅう熱帯魚ショップに足を運んでいることもあり粗塩で悩むより人工海水(の素)を使ってみることにしました(商品名はライブシーソルト)。生き物を飼うために作られているものなのでこちらを先に試してみるべきだったのかもしれません。

粗塩から人工海水に切替えた途端 あっさり1週間の壁をクリアしたうえ2週間後でも50匹ほどのブラインシュリンプが残っていて一気に記録更新です。そうなんです!私が使っていた粗塩では長期飼育は難しかったのです。
人工海水を使ってからは状況が急展開! ブラインシュリンプは個体差がありますが2週間で3~5mm程度に成長して小さいながらも成体のような体形になり コマ落とし映像のようだった動きがスムーズな泳ぎ方になり仰向けに泳ぐようになります。

飼育期間は延びたものの 餌やりはやっぱり微妙です。
餌は ほんの少し水が濁る程度与えているのですが(1週間に2回程度)2回目以降の給餌はブラインシュリンプの数も減っているので少な目で与えてみたりとかなりテキトーです。餌が足りているのかいないのか? 水質を悪化させているのかいないのか? 毎回結果が違うので判断ができません。

2週間後のブラインシュリンプの数が少ないとそのまま餌を与えずに飼育しても成長するので何か餌になるものはプラケの中にあるようです。 たくさんのブラインシュリンプを状態よく育てたければ給餌は不可欠だと思われるのですが 餌を与えたあとにブラインシュリンプがなぜか落ちてしまうので餌を与えるのが不安になります。水の濁り具合を餌やりの目安にしているのですが給餌タイミングが分からず ほんのちょっとの量を4~5日に1回のペースで与えています。

体長が5mmを超える2週間目頃に 背泳ぎで泳いでいてプラケの内壁に当たると180度反転して壁に張り付き ごそごそと細かく体を上下させながら少し進み壁から離れて再び背泳ぎで泳ぎ出す行動を繰り返すようになります。この頃になるとプラケの内壁は藻類で全面が覆われているのですが(コケだらけという状態ですね)その表面に張り付いて何かを探しているか食べているように見えます 藻類そのものか付着物かもしれません 藻にひっかかっている人工餌かもしれません。このころから毎日大きくなっているのが分かるぐらい成長スピードが早くなるので積極的に何かを食べているはずです。



私にはプラケに生えた藻類が餌に関係しているようにしか見えません 少なくともプラケの掃除はしないほうが良さそうです。3週間目にはプラケ内壁全面を覆っていた藻類がこすり取ったようにボロボロと崩れています。



その割にはプラケ内に藻類の屑が少ないので 張り付いているときに藻類を食べているのかもしれません 目をこらして見ても小さすぎて何をしているのか分からないので断定はできませんが。
実はプラケのセット時に液肥を数滴入れてみたこともあるのですが その頃は1週間ほどでブラインシュリンプが全滅してリセットをしていたので結果が分からずそれ以後は試していませんでした。少量の肥料を入れると効果があるかもしれません。市販の液肥を1Lに2~3滴程度ならブラインシュリンプに対して影響はなさそうです。

孵化後3週間を過ぎると成長が早い個体は1cmぐらいの大きさになります。この頃になると急な環境の変化にも耐えられるようで 多めに餌を与えたり真水を大雑把に足したりしても平気で泳ぎ回っています。

孵化後4週間で2匹(♂♀)がつながって泳ぐ姿を見かけるようになり 卵のうをぶら下げて泳ぐ♀の姿も見られるので成体と判断しました。体長は1cmぐらいでこれ以上は大きくならないようです これ以後は小さかった個体が成長して大きさが追い付きサイズがそろってきます。この頃になるとプラケ内で生まれた幼生が泳ぐのが観察できるようになります。

 

 補足

ブラインシュリンプの飼育方法を調べていると粗塩という言葉がよく出てくるのと最初に書いたきっかけの件の事もあったので わざわざ人工海水を準備しなくても粗塩で十分飼育できるものだと思い込んでいました。粗塩でも成体まで飼育出来るようですが 私のように一番安い粗塩で飼育するのと人工海水で育てるのとでは大違いです。人工海水(の素)は最近では小型水槽に対応した少量のものが販売されています 精製塩でも孵化はしますが長期間の飼育が目標であれば迷わず「人工海水」です。

プレコ用の餌はタブレット状なのでそのままでは与えられません。クロレラの大きさを調べてみたら0.005~0.01mmという極小サイズなので サンドペーパー(#600~#1000)で餌を削って与えています。サンドペーパーの上で餌を「硯で墨をする要領」で作ります そのままサンドペーパーの上で餌をゴリゴリこすってもサンドペーパーが目詰まりするだけなので サンドペーパーに水を数滴落としてから餌を削り泥水状になったものをスポイトで与えます。


与える餌の量やタイミングが微妙です 餌を与えた翌日に大量に落ちることもあるのにたくさん与えても平気な時もあり 落ちる原因が分かりません。その前にどの餌がいいのかさえ分かりません。私が買ったきな粉は粉の粒子が大きく長時間水中を漂わないので孵化直後の幼生の餌には向いていないと思われます。
プレコの餌をサンドペーパーで粉(泥状)にして与えるのはなかなか良い方法かもしれません(自分で言うのも何ですが…) 餌を与えたいときに必要量だけ簡単に準備できるうえ粉が均一に細かくなるので安定して水中に漂います。何種類かの目の粗さのサンドペーパーを試してみましたが幼生期には#1000を使い 1週間目以降は#600を使っています。
(孵化直後から成体まで#600を使うのが一番安定しているのが後日分かったので本文を修正)

ブラインシュリンプの食性を調べてみると微細藻類や原生動物などを食べる…とあるので グリーンウォーター系を想像していて一生泳ぎ回りながら浮遊している藻類を食べる生物だと思っていましたが 孵化してから1~2週間までの体形が逆三角形の時と2週間目以降のホウネンエビのような成体に近い体形になってからとでは生態がかなり違うので餌の与え方を生態に合わせて少し変えてみました。
孵化後1~2週間頃が体形が変わる分かれ目で2週間目以降に餌を探して食べるような行動をするので孵化後2週間までは細かい餌が水中を漂うようにプレコの餌を上記の方法でほんの少し水が濁る程度に4~5日おきに与え 孵化後2週間を過ぎたら サンドペーパーの目を粗くして(#600程度)細かいながらもゆっくりと沈む大きさの粉にして与えていますが今のところこの給餌方法で水替えをせずに成体まで飼育できています。

ブラインシュリンプエッグは熱帯魚ショップなどで販売されている少量のものは孵化率が良くないものが多く ほんのちょっとしか孵化しないこともあります。また 孵化 飼育には20度以上の水温が必要です。育て方を書かれているサイトによっては水温について述べられていないこともありますが冬場の室内温度では孵化しません。

うちでは温度管理も含めていつでもブラインシュリンプを飼える環境があるので手元にあるもので準備ができますが 新しく買い揃えるのなら すべてがセットされた「飼育キット」を使って室内で水温が20度以上になる夏前から飼い始めると育てやすいでしょう。
ネット検索で出てくる記事を改めて読み直してみると長期間飼育されている方は 「飼育キット」か「水槽×人工海水」で飼われているので 飼育キットに入っている塩は人工海水なのでしょう(きっとそうに違いない)キットの餌もそれなりに吟味されているはずです。

何種類かの餌を試してみたのですが検証のたびに結果が違うのでどの餌がいいのか見極められません。幼生時は細かい粉末状で 成体には少し粗めの粉で与えているので今はプレコの餌を使っています。

飼育に適した塩分濃度も気になるので 2%~5%の濃度で検証してみました。この範囲の濃度なら成体まで飼育できますが 2%と5%とではプラケ内で育つ藻類の成長速度が違うようで 濃度が薄いほうが藻類の成長は早いが水槽面からはがれやすく 濃度が濃いと藻類の成長が遅めになります うちでは2%のプラケでは成体になってからしばらくするとプラケ内で生まれた幼生が見られるようになりますが 5%のプラケでは(濃度以外条件は2%のプラケと同じです)同じように成体になって卵のうを抱えて泳いでいる♀がいるのになぜか幼生が生まれません ひょっとしたら塩分濃度が濃いと耐久卵を産むのかも知れません(←あくまでも想像です) 

うちでは1Lのプラケースでエアレーション無しで30~40匹のブラインシュリンプが約1ヶ月で1cmぐらいの大きさになります(最初は数百匹投入)この数が多いのか少ないのかは分かりません。2か月後にはさらに少なくなり10~20匹程度になります(水の補充や餌の与え方が多少雑なのが原因かも知れません)

体の大きさは他のブラインシュリンプと同じなのにやけにシッポだけが長い個体がたまにいます それは「糞」がぶら下がっているだけです。突然成長したのではなく体長(大きさ)には含まれません。 

リセットをして同じような条件で育てているつもりなのに毎回結果が大きく違うので 飼育にはいろんな要因が影響しているのだと思います ここに書いてある方法と同じ育て方をしてもうまく育たないかもしれません いろいろ試行錯誤をしているうちに失敗の原因がなんとなく分かってくるので あきらめずにトライしているときっと長期飼育ができるようになります。


最後に…
ブラインシュリンプの飼育水は粗塩ではなく「人工海水」です!

 

追記
その後も 餌について検証をしていてたくさん飼育できる方法を見つけました

続編へ


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (カール)
2012-06-10 03:04:39
クロレラと同じサイズというとイースト菌ですね。
私は濃度が色でわかりやすいので青汁粉末のほうが好きですが。
http://www.aqaweb.net/aqa/page069.html
返信する
ブラインシュリンプの餌 (mizuwarabi)
2012-06-10 11:43:25
カールさん

情報ありがとうございます
青汁粉末ですか 気になるのでいっぺん試してみます。
イースト菌は昔使っていたのですがどうも良いイメージがないので今は使っていません。
グリーンウォーターも試してみたことがありますが餌として成立しているのかよく分かりませんでした。
返信する
Unknown (カール)
2012-06-10 17:52:16
グリーンウォーターは難しいですね。
放置して育てるとたいてい有毒の藻類がわいてしまうみたいで。
返信する
グリーンウォーター (mizuwarabi)
2012-06-11 19:11:27
カールさん

稚魚を育てているプラケースの水が時々グリーンウォータになるので ひょっとして餌にならないかとスポイトでブラインシュリンプのプラケースに毎日入れてみたのですが育ちませんでした。
返信する
餌をググると (スピルリナ)
2012-07-30 21:13:20
人間様の~スピルリナかクロレラを粉末にして飼育水にとかし与える、ですか。
しかも量は耳掻きに少し。
返信する
 (mizuwarabi)
2012-07-31 08:47:14
スピルニナさん

私は プレコ用の餌で調子がいいのでサプリを餌に使ったことはありませんが 植物性プランクトンの餌が販売されていないので代用ということでしょう 水で溶かして上澄み部分を与えるようです 与える量はとっても微妙なので自分で適量を見つけるしかなさそうです。
返信する
初挑戦! (三代目まりもっこり)
2013-07-23 15:32:37
こんにちわ~。初めまして
今コリドラスを飼っているんですが今年から繁殖に挑戦します。
そこで孵化2週間後(コリドラス)に蛋白質が豊富なブラインシュリンプを与えるとがっちりした体格になるとか…しかしブラインシュリンプも管理が難しいとサイトなどに書いてあったのでなかなかコリ繁殖に困ってます。何か初心者向けのアドバイスもらえますか~?
返信する
コリドラスの餌 (mizuwarabi)
2013-07-23 18:46:44
三代目まりもっこりさん

コリドラスの餌としてのブラインシュリンプですね
夏場は水温が高いので簡単にブラインシュリンプは孵化します 孵化したてのブラインシュリンプを与えるのが基本ですね ブラインシュリンプを生かしたままキープしていると体内の栄養分を消費するのだそうです。
うちでは孵化直後からブラインシュリンプのみで育てていました。

ブラインシュリンプは孵化率をウリにしている専門ショップで買うことをお勧めします。

ショップやホームセンターで売られている小さな箱入りのものは孵化率が落ちている場合があり 孵化率が悪いとブラインシュリンプと殻を分離するのが面倒になります。

コリドラスの繁殖 がんばってくださいね。


返信する
またまた参上! (三代目まりもっこり)
2013-07-23 22:34:01
こんばんわ~ヽ(^。^)ノ
アドバイスの方ありがとうございます。分かりやすくて助かります。とりあえず管理するというよりコリドラスに与える時のみに孵化させてあげるということですね。

コリドラスの繁殖絶対に成功させてみます。良い報告できるよう努力は怠りませんw
返信する
コリドラスの餌2 (mizuwarabi)
2013-07-26 18:41:13
三代目まりもっこりさん

孵化率の良いブラインシュリンプは24時間以内で孵化するので孵化容器は1つで済みますよ

うちでは生まれたコリドラスの稚魚は30cm規格水槽でスポンジフィルターで砂利を敷かずに育てていました。
砂利が敷いてあると餌が砂利の隙間に入り込んでしまうので…。


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