ミツユビナマケモノが落ちた・・・

ミツユビナマケモノの生まれ変わりのたわごと

酒井 順子 「枕草子REMIX」(新潮文庫)

2007年02月20日 19時03分44秒 | 読んでみた
 最近読んだものの中では、なかなかの◎かと思う。

 酒井順子の視点は実に面白くて好きだぞ。「普通はそう言う見方はしないだろ!」って突っ込みたくなる視点とか、「そうそう!」といいたくなるような見事な比喩とか。ミツユビの周囲にも酒井ファンは多い。(で、不思議なことに、男女問わすなのだが。)

 今回のテーマは、「枕草子」。そうあの「春はあけぼの」・・・で有名な、清少納言の随筆である。酒井順子本人も書いているが、日本人の大半が「春はあけぼの」は覚えているのに、それ以外の部分まで覚えている人間は一体何人いるのか(苦笑)。・・・って、ミツユビもだが(笑)。
 そういう「枕草子」を改めて読むと、実は「春はあけぼの」などと呑気に言っているばかりではない清少納言の姿が見えてくる・・・ということなのだ。

 清少納言って、実は結構意地悪かもしれない。悪質な・・・ではないが、こそこそと悪口言って、「好きなものは好き!嫌いなものは嫌い!」とハッキリしているタイプ。でもいるよなぁ、こういう人。
 作者がよくもここまで読んだものだ。もしミツユビがこれを原文で読んだりしたら、絶対に5行目くらいが限度だと思うのに。でも読んでいるうちに「あるあるある!」というところが出てくるらしい。改めて読んだら面白かった・・・の典型例なのかもしれない。

 が、しかし、この本は確かに面白かったが、だからといって枕草子を原文で読んてみようなどという気は微塵もない。ミツユビがそんなもの読むか~!!!(笑)

 適当に「知的」で、実は笑える・・・というのがこの本のよいところ。「枕草子」=「春はあけぼの」という固定観念を脱却するにはいいぞ!・・・そして、日本の刷り込み教育のすごさも実感するのだな(^^;)。

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