今日は「第九」の本番でした。朝からまず母の病院に立ち寄り、母の様子を見てから、会場に行ってリハーサル。昼食後に本番を迎えました。
ソリストは、大阪芸大の三原剛先生とその奥さんのみどりさん(妻がコーラスで指導していただいています)、それから先生の教え子さんが2人。オーケストラは、アマチュアで定期的に活動している楽団で、そこここにほころびが見えますが(笑)、かなり上手な人もそろっていて(オーボエとか、なめらかでした♪)、なかなか良い楽団でした。
合唱団は、高齢者ぞろいの市民合唱団に、大阪芸大の学生さんが参加していて、パワフルで、いかにも市民合唱らしい、楽しい合唱ができました。指揮の河野さんも、大事なところをきちっと指摘なさりながらも、一生懸命楽しく作り上げようという姿勢でご指導くださいました。
ほのぼのとしながらも、熱のこもった、良い演奏会ができたんじゃないかな?と思います。歌ってよかったな~♪
公演後、聴きに来てくれた義兄や自主夜間中学の生徒さんに挨拶を済ませ、母の病院へと急ぎました。
朝に会話したときは、「これから『第九』に行ってくるよ」と言うと「ああ、そうか、昨日は練習やったな」と応え、わりとすっきりした表情で見送ってくれた母でしたが、夕方には昨日までのような、ありもしない話を信じ込んで何度も話す母に戻っていました。
表情は、力なく目を瞑っているかうっすらと目を開けるだけで、口を半開きにしてウトウトしてはあらぬ方を見ながら何かをつぶやいたり、こちらを見ながら話しだしたかと思えば、韓国に行ってきて(母は韓国に行ったことはありません)同行の知人たちに(その中には亡き人も含まれます)杖を燃やされるなどの嫌がらせをされた、とか、大雪が降った昨日にお風呂に行ったら自転車の女子高生の団体が風呂に押し寄せて順番を譲ってくれずにさんざん待たされた上に見たことのない青年に痛い足を押さえつけられるなどの嫌がらせを延々と繰り返された(昨日は雪は降っていませんし、もちろんふろにも行ってません。しかもその青年は「見たことはないけど妻の甥っ子に違いない」のだそうです)、など、どこからそんな話が出てくるのかわからないような“私は被害者”という話なのです。
晩ご飯を食べさせていても、意識がはっきりとして食べる意欲を見せているかと思えば、うつろな感じでろくに食べようとしないし、挙句の果てには、一生懸命世話してくれている妻のことをことさらに悪く言うような話を始めます。確かに妻の言い方が強いところはありますが、母の話は病院での会話のことで、母が言うようなキツイ当たり方はしていないのは私が見ています。
実はこういう話の内容や話し方は、認知症がある程度進んでいた亡き祖母にそっくりなのです。祖母の世話を一番やって一番苦労した母が、その祖母と同じような話をすると、暗澹とした気持ちになってしまいます。
うれしい気持ちで終えた演奏会の気分はしぼんでしまった病院からの帰路でした。

晩ご飯は、ブリカマの塩焼き、ベーコンたっぷりのポトフ、白菜とリンゴのサラダ。

酒は、地元奈良の「春鹿」の大吟醸。姉が正月に飲むようにと、くれた美味しい酒です♪
ご飯も酒も美味しかった!
母の症状は、はるさんのおっしゃるように「せん妄」と思われます。調べると、せん妄は原因を取り除けば消えるらしいですが、長期間改善できないでいると後遺症が残るそうです。また、せん妄が起こるのはすでに脳の機能が衰えているからだそうで、母は、手術から回復したとしてもある程度こういう症状が残ることを覚悟しないといけないかもしれません。
明日は月曜日。医師の回診もあるので、できれば相談してみようと思います。