当たり前のこと。

うちの息子①の自転車は、壊れて久しい。
日本のようにみんな自転車で、走り回るということはないけれど、
乗りたいときもあるようで、
最近ちょっと不便を感じているようだ。
しかし、さしあたり、不都合もないので、後回しになっていた。

近所の公園で、ある教会が、コミュニテイパーテイをやるので
来てください。自転車の抽選もありますよ。
と、やってきた。その時はぜんぜん気にも留めなかったが、
息子①とその友達と旦那が、野球をするついでにいってみるらしい。
娘がお昼寝なので、おきてからいってみると、すでに終了。
娘はお土産に、風船をもらって、ご満悦。
どうやら、歌ありゲームあり、食べ物ありの楽しいものだったらしい。
「自転車の抽選があって、グラントが当たったんだ。」と
息子は、別に来ていた友達が当たったことで、ちょっと興奮していた。
「へ～、すごいじゃん。」くじ運のいい子はいるもんだ。

家に帰って、夕飯の支度をしていると、呼び鈴の音。
そこに、見知らぬ夫婦が立っていた。
「こんにちは、息子さんの同級生のグラントの両親です。」
とても感じのよさそうな人たちだ。
「今日、グラントが自転車をくじで当てたんです。」ええ、聞きました。よかったですね。
「グラントがその自転車を、息子さんにあげたいそうです。」
グラントはまだ、説明書が袋に入っている新品の自転車と一緒にその後ろのほうにに立っていた。
私は、びっくりして、旦那を呼びに行った。

そこのうちには、ガレージいっぱいの自転車が6台もあって、置き場所がないということで、
自転車が壊れているといううちの息子に上げたいというのだ。
それも、グラントが言い出したというのだ。
確かに、いらない、もらいものをあげたりするのは、よくあることだ。
しかし、ただとはいえ、新品の自転車を子供が友達に上げると言い出して、
それを親が会ったことのない私たちのところへわざわざ届けてくれたのある。

そのグラントのまっすぐさと友を思う気持ちと、それに答える親。
この親にして、この子あり。
うちの息子はどうだろう。私はどうするだろう。
旦那は要らないんだから、誰かにあげるのは当たり前だろう、といった。
その家族は私の感激ぶりに驚いていたに違いない。
でも、私は、当たり前のことを、当然のようにできるだろうか。

夕食後、早速、ちょっと大き目のその自転車にのって、出かけていった。
すぐ、自転車がちょうどよくなるでしょ。子供はどんどん成長してる。