久住に行くと私が宣言した時、
家内が、
「んじゃ、誘ってみようかな。」
と、電話したのは博多の義姉である。
「今から我が家に泊りに来るって。」
家内の唐突な誘いに、速攻で応じるこの義姉も只者では無い。
そんな訳で今回、義姉も同行である。
その義姉から、
「帰りに、長湯の道の駅に寄って。」
とのリクエストが。
「了解!」
ブイーーーン
道の駅長湯で買い物を終え、3人で車に戻っていたその時、
「・・・そこって、ここの近くですか?」(見知らぬ買い物客A)
「そう、すぐ近く。そりゃもう見事ですばい。」(見知らぬ買い物客B)
そんな会話が、耳に飛び込んできた。
瞬時にダンボの耳と化した我々三人。
どこにそれがあるのか、聞き漏らさないよう耳を凝らす。
「・・・行くベ。」
ブイーーーン
見知らぬ買い物客の会話を、聞き耳立てて得た情報とは、
ここ、長湯温泉しだれ桜の里である。
今期、何度目の花見だろう。
入場料500円を支払い、早速場内へ。
既に葉桜になっていたのは大漁桜と言う種で、
今が見頃のこの桜は、小松乙女と言う桜なんだそうな。
ソメイヨシノとよく似た色合いだ。
広大な敷地は、すり鉢状になっている。
すり鉢の底に降りてみよう。
水仙や菜の花が桜を引き立てる。
このしだれ桜は、八重紅しだれと言うのだそうだ。
すり鉢の上まで登ってきた。
これは陽光桜。
小松乙女と、陽光桜のピンクの濃淡が混ざり合い、中々に美しい。
背景には九重連山。
何とも贅沢な花見である。
こんな桜の名所があったとは、知らなんだ。
義姉のリクエストのお陰で、思わぬ拾いものをした気分である。