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Tシャツとサンダルの候

見晴るかす大展望。普賢岳へ

国見岳から普賢岳へは、二つのルートがあるようだ。

途中まで同じ道を戻って、国見別れから目指すのか、

当初の計画から離れるが、違う縦走路を行くのか。

折角だし、違う道を歩きたい気分もある。

山頂に居た、普賢岳のベテランらしきオジサンに聞いてみると、

 

「そっちは藪漕ぎで大変。同じ道を戻って、国見別れから登ったがよか。」

なるほど、それなら仕方がない。

アドバイスに従い、再び鎖を掴んで、岩場を降りる事にした。

またぞろ、岩で向う脛を強打して悶絶しない様、慎重に降りる事にしよう。

国見別れまでもどり、新緑に覆われた急傾斜の山道を降りて行くと、

 

鬼人谷口へ出る。

鳩穴別れ方向へと進路を取った。

ここからは、前回霧氷を楽しみながら歩いた道である。

 


西の風穴。

 

ヤマグルマ

岩から真横に幹を延ばしている。

北の風穴。

 

すると、

前を行くオバサン、、、とうよりバーチャンが、何かしきりにしゃべりながら登っている。

面白いので、後ろからそれを聞きながらついて行くと、

 

「昔は、こげんきつか山やったかいな?」

(↑ 言っておくが、独り言である)

 

いや、そう言われても、あなたの昔を知らないし。

多分、山は変わってないと思われるが。

 

「よっこらさっと。うわ!足ばひっかけてしもた。ヒャー。」

 

おっと危ない。

気を付けんと、バーサン転びそうだ。

などと後ろで心配していると、
 
今度は、

 

「ぶえーーーー、くしょん!!よんよん。あ"ー。」

 

あんたは、、、

おっさんか!

くしゃみした後まで、余韻を引きずるなよ。

誠に騒々しい。

 

さっさと、追い抜いてしまおっと。

風穴あり、樹林帯に覆われた道あり、時折このように展望が開けた場所あり、

 

急登ありと、変化に富んでいる。

 

さらに、

このルートは、平成新山の溶岩ドームのすぐ間近を通る。

すぐそこに横たわっているのは、まだ息づいている溶岩の塊なのだ。

大迫力である。

あちらこちらから噴気があがっている。

 

立岩の峰

 

霧氷沢。

この近辺は、ヒカゲツツジの名所らしいが、さすがにもう遅いか。

草木に詳しそうなご夫婦がいたので、尋ねてみた。 

 

「ヒカゲツツジは、どうですか?」(私)

「もう完全に終わりですね。もしやと思い、私も期待していましたが。」(ご主人)

「そうですか。ミヤマキリシマと二つ同時にって訳には、いかんようですね。」

 

岩肌に取りついている灌木がそうらしい。

 ハハコグサ

 

普賢神社からちょっとした岩場を登れば、

 

山頂だ。

 

あ!これは手違いだ。

こっちだ。

 

見晴るかす大展望を楽しみながら、

 

カップ麺を啜っていると、先程のご夫婦が上がって来られた。

この山について話しを聞いていると、

 

「昔、あの大噴火の直前に、普賢岳に登った事があります。」

「へえー、そうなんですか。で、その時は、なにか兆候は?」

「いいえ、全然・・・」

 

その時は何の兆候も見受けられなかったらしく、そもそも当時は、普賢岳より高い山など無く、

「この頂上よりずっと下に、昔の普賢神社や屏風岩があって・・・そこが盛り上がって来て、普賢岳より高い山になってしもうて。」


自然の脅威、恐るべし!である。

 

有明海に浮かぶ天草列島。

遠くは筑紫平野まで見渡せる、360度の大パノラマだ。 

ミヤマキリシマも十分楽しめたし、

 

ぼちぼち降りようかな。

岩がゴロゴロしている急傾斜を降りると、昔の茶屋跡に出る。

今は地名にその痕跡を残すのみである。

 

途中、軽装の夫婦に声を掛けられる。

見るとご主人も軽装だが、とりわけ奥さんは、革のロングコートと言う出で立ちだ。

無論、さすがに靴はハイヒールではないが、かといって、スニーカーですらない。

 

「これから、まだ随分(山頂まで)ありますか。」(奥さん)

 

まじまじと二人の装いを見ながら、余りの大胆さに、暫く声も出ない私。

 

「あのー、ここまで登って来られたとしても、これから先は・・・」(私)


岩場もあるし、鎖場もある。

登るのは止めておきなさい。

少なくとも、その高そうなコートが台無しになるのは目に見えている。

と、アドバイスをしたのは、至極当然である。

だが、どうも聞く耳を持たなかったようだ。

その後、この二人がどうなったかは知らぬ。

ウエーイ。

降りて来たぜ。

あとは池の原園地まで、すっ飛ばして帰るだけだ。

オオギカズラ

 

コケイラン

 

 

ミヤマキリシマのあの見事さ。

コース自体の面白さ。

それに普賢岳からの大展望。

それなのに、多くの登山者でごった返すような事もない。

それに、様々な出会いもあった。

好天にも恵まれ、最高の山登りとなった一日だった。

コメント一覧

minou_yamatai
素晴らしい。
ズルしないなんて❗

逆コースだったんですね。
ドリー
行ってきましたーーーー
ロープウェイは使わず、
普賢ー国見〜妙見と
初心者友達も大喜びで
堪能しました
国見分れから見上げる、
ミヤマキリシマは絶景でした
情報ありがとうございました。
帰りには、火砕流跡を見学し
絶句しました。
minou_yamatai
へへへ、
妙見岳ひと山なら、ズルできまさぁ。
後は、自分の足で登って下せえ。
ドリー
え。。。。ロープウェイ、、、ズルできますか
諫早在住も 行くかも、、でして、、、
minou_yamatai
ま、まじすか!
でも、良い山ですよ。
ロープウェイで、ズルするのがお勧め。
ドリー
未開の普賢岳 登りたくなり
明日、諫早の友達に宿泊予約しました(笑)
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