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足の速い借款の供与

ゆっくりと歩きたいものです

水上のパッサカリア

2007-05-16 11:33:45 | 読む
タイトルのミステリを読みました。
「第十回日本ミステリー文学大賞新人賞」受賞作という帯に目をとめたのですが、
「パッサカリア」に惹かれたのも事実です。
(結果的にレッスンでは3つのシャコンヌ-パッサカリアを連続してやっているし)

まだ最後まで読んでいないので、「パッサカリア」に仕掛けがあるのかどうか、わかりませんが、52ページにパッサカリアが出てきました。
主人公のパートナーが気に入っているサントラCDに入っているもので、
ヘンデルのチェンバロ組曲7番ト短調のもの、みたいです。

場面としては、主人公の語りで、パートナーはその曲の薀蓄は何も意識していない、というところ。
「パッサカリアがヨーロッパ17,18世紀頃の古典派の音楽形式の一つで、シャコンヌと密接な関係にあるなどということにはまったく関心はなく」
となっています。

恐らく、どこかの辞典から引いて来たと思われますが、
説明しているような説明していないような、感じです。

その点、先生の説明は明快でした。
「えっと、三拍子の舞曲。下降するベースに乗った、フレーズの繰り返しと変奏。フランスものとかだとシャコンヌもパッサカリアも同じようなもんです。強いて言えば、パッサカリアのほうが遅いかな?長大なのが多いので、組曲の中とかだと、独立して吹く場合も。結構かっこいいのも多いですよね、、、」

本のタイトルにもなっているので、これから何か仕掛けがあるのでしょう。
楽しみです。

配達あかずきん

2007-02-15 09:24:15 | 読む
年末年始からバタバタし、ほとんど本を読んでいない。
今年になって読んだ本、自分のための備忘録。

「上海新風」
「白川静さんに学ぶ漢字は楽しい」
「江戸の土地問題」
「人はなぜ太るのか」
「水の道具誌」
「バッハ・カンタータの森を歩む(2)」
「ラスト ワン マイル」
「ミーナの行進」
「螺鈿迷宮」
「配達あかずきん」

いや、無茶苦茶ですね。ちなみに小説は最後の4冊。
印象に残った順としては、あかずきん≒ミーナ>螺鈿>>ラストワンマイル、でした。
(ラストワンマイルの名誉のために言いますが、面白かったです。ただ、「大阪からの出張帰り、新幹線の中で文庫本」みたいな本だったということです)。

一番最後の「配達あかずきん」の感想。



書店がらみの賞(だか○位!とか)になっていたもの。
舞台が書店のライト・ミステリ連作集。
ミステリとは言っても、謎解きそのものは小学生のミステリ読本みたいな他愛の無いもの。
惹き付けられるのは本好きならではの設定や、「六冊目のメッセージ」に代表される、本好きの先にあるその優しさです。謎解きも、「面白い」「奇抜」ではなく、「あ、こんな結末(種明かし)でうれしいな」という印象。

個人的には、「メッセージ」と同じかそれ以上に「ディスプレイ・リプレイ」の種明かし(の持って行き方)が素敵だと思いました。



ここまで書いて思いました。「あかずきん」って発音してみると、他に似たものがない、不思議な発音です。

舞台設定で読ませる小説

2006-12-12 09:57:16 | 読む
久しぶりに3冊続けて小説を、それも日本の若手のものを読みました。

図書館戦争(有川浩)
となり町戦争(三崎亜記)
削除ボーイズ0326(方波見大志)

いずれも帯に「○○賞受賞!!」とかあるもの。
良くも悪くも、つられて手にした。

どれもあり得ないような設定(図書館が武装しているとか、隣の町と戦争するとか、時間を消す装置を手にするとか)が勝負の本。
個人的には、
図書館>>となり町>>>>>削除 かな。

「削除」は全体の文章も子供っぽい(名前の付け方も)し、筋立ても整合の取れないところも多数。なんでこれが○○大賞?と驚き。

「となり町」は無茶苦茶優秀な高校生が村上春樹に影響を受け、書いたようなお話。余計なエピソードとか、エンディングの分からなさ(自分の理解不足?)とか、が目立つ。やっぱり村上春樹はすごい。
でも、他の本も読んでみようかな、と思わせるところもあり。

「図書館」は、設定だけで読ませる力がある。
全体の主張はたしかに単純だし、中身は子供のコメディみたい。
でも、結構面白い。次作、読んでみよう。





お酒の展示会に行きました

2006-10-04 22:01:21 | 読む
試飲会と展示会、定義があるのか、どう違うのか困るところではありますが、自分なりには、後者の心持ちで参加してきました。
主たる興味は「売りたいもの探し」「蔵元さんとの交流」「参加者ウォッチング」の3つ。

気になったお酒は、「幻の」「思いがけない」というものではなく、日本のメーカーさんの底力の確認、となりました。

日本酒では鶴岡の「出羽ノ雪」さん。生酛造を行っている蔵です。
生酛特有のしっかりとした、とは言えその主張が強すぎず、
ぬる燗でじっくりと和み酒、というお酒です。
蔵元さんの説明もさっと中に入って来ました。

ワインでは、巨大メーカー「サッポロワイン」です。
北海道ケルナーと山梨シュールリー。
共に1,000円台前半とお手頃価格ながら、性格のはっきりとした辛口の白です。
他のワイナリーでも感じましたが、シュールリーは、コストパフォーマンスの高い第三世界のワインと比べても遜色のない出来であると思います。
頑張れ、国産。