足の速い借款の供与

ゆっくりと歩きたいものです

アンコールの要らない演奏会(バルトルド・クイケン バッハ・リサイタル@Hakujuホール)

2008-02-04 12:44:47 | 観る・聴く
去る2月1日、バルトルド・クイケンのコンサートに行ってきました。

昨年後半から何度か古楽関連のコンサートには行っているのですが、その時々にもらうチラシでは見たことがなく、開催されることを知りませんでした。
2週間ほど前、手持ち無沙汰に「ぶらうぼ」を眺めていて発見、すぐに電話、あぶないことろでゲットです。

さて、会場はHakujuホールです、大きすぎず、小さすぎず(小さいとちょっと圧迫感有り)、椅子もやわらかく、素敵なホールです。

演奏は、、、、、素晴らしいの一言です。

空間に溶け込むような音色。
そして、書道の「とめ」「はらい」といった、全てが意識、コントロールされたアーティキュレーション(譜面のめくり方まで意識してやっている感じ)。まさに山彦のようなダイナミクスをもったエコー。
(古楽ファンの方は怒るかもしれませんが)ランパルにも通ずる奔放でテクニックを感じさせ、その中にやんちゃな想いのある(たまにアレっとか思う)装飾。

「とめ」「はらい」をはじめ、こういうのをbon goutというのかもしれません。
あっという間に前半終了。
幕間には我が国を代表するフルーティストの顔も見られました。

そして後半、まさに本領発揮。はじめの無伴奏は、これぞ舞曲!といった書式正しく、しかも奔放。特に繰り返しの2回目での装飾は意表をつかれることしばし、でした。

最後は、ロ短調のソナタ。
アンダンテはまさに宇宙に大伽藍を構築するかのような壮大さ。大伽藍から風になって大空をたゆたうラルゴ、そして終曲は緊張感と疾走感の中での大団円。

正直、この2曲を続けて聴くともうお腹いっぱい。久々に余韻に浸りたい、アンケートは要らん、という気になりました。

でも、アンコールもありました。
まずはシチリアーノ。要らんのになぁ。

2曲目は「J.S.バッハ?」と前置きしてハ長調のソナタの終曲のメヌエット。
これを聴いて前言撤回。ロ短調ソナタで終わったのでは余韻が強すぎて眠れなくなるところを、このメヌエット-特に再び1stメヌエットに戻るところ-で日常生活に着地させてくれました。。。

でもやっぱり夢心地。終演後のサイン会の列を横目に、家路に付きました。

あ、楽器はビラにあるのと同じものでした。恐らくロッテンブルグだと思います。