問:申し出と了承という当事者の合意によって、種類債権の特定が生じるか
⇒この点、私的自治の原則にかんがみ、両当事者の合意により、種類物の中から一定数量の部分を他の部分から区別しうる程度に分類した場合に特定が生じると解する
問:債務者の側から、特定の生じた種類債権について、債務不履行が発生した場合に他の種類物を新たに調達し、給付するという変更権が認められるか
⇒思うに特定(401条2項)の趣旨は、本来種類債権は履行不能にならず、調達義務を負うが、その責任を「その物」の善管注意義務(400条)に軽減させ、もって債務者の利益を図る点にある
だとすると、債務者が特定の利益を欲しない場合にまで強制する必要はない
しかも、変更権を認めるほうが本来の契約の目的を達成でき、債権者の利益にもなると考えられる
そこで、種類債権の特定後であっても、債権者に不利にならない場合、信義則上(1条2項)、債務者に変更権が認められると解する
問:現実の提供(493条本文)をなしたとして、履行遅滞に基く遅滞利息の請求を拒むことができるか(492条)。現実の提供の方法・程度が問題
⇒思うに、弁済の提供の趣旨は、債務者が単独で完了することのできない給付について、その給付に必要な準備をして債権者の協力を求める点にある
かかる趣旨にかんがみ、現実の提供は、定められた時期・場所で、弁済できる状態にあれば足りると解する
補足:ほとんどの債務はその履行について、債権者の受領協力が必要となる。そのような協力が得られない場合に、受領がないといって常に債務者に履行責任を負わせるのでは酷である。そこで、債務者を履行遅滞責任から解法する制度として、弁済の提供を規定し、一方の債権者には受領遅滞責任が生じるとした。
そのような趣旨によるから、弁済の提供は債権者に受領遅滞責任を負わせる程度のもの、すなわち、原則として現実の提供をしなければならず、例外として、口頭でもなしえると規定している。
⇒この点、私的自治の原則にかんがみ、両当事者の合意により、種類物の中から一定数量の部分を他の部分から区別しうる程度に分類した場合に特定が生じると解する
問:債務者の側から、特定の生じた種類債権について、債務不履行が発生した場合に他の種類物を新たに調達し、給付するという変更権が認められるか
⇒思うに特定(401条2項)の趣旨は、本来種類債権は履行不能にならず、調達義務を負うが、その責任を「その物」の善管注意義務(400条)に軽減させ、もって債務者の利益を図る点にある
だとすると、債務者が特定の利益を欲しない場合にまで強制する必要はない
しかも、変更権を認めるほうが本来の契約の目的を達成でき、債権者の利益にもなると考えられる
そこで、種類債権の特定後であっても、債権者に不利にならない場合、信義則上(1条2項)、債務者に変更権が認められると解する
問:現実の提供(493条本文)をなしたとして、履行遅滞に基く遅滞利息の請求を拒むことができるか(492条)。現実の提供の方法・程度が問題
⇒思うに、弁済の提供の趣旨は、債務者が単独で完了することのできない給付について、その給付に必要な準備をして債権者の協力を求める点にある
かかる趣旨にかんがみ、現実の提供は、定められた時期・場所で、弁済できる状態にあれば足りると解する
補足:ほとんどの債務はその履行について、債権者の受領協力が必要となる。そのような協力が得られない場合に、受領がないといって常に債務者に履行責任を負わせるのでは酷である。そこで、債務者を履行遅滞責任から解法する制度として、弁済の提供を規定し、一方の債権者には受領遅滞責任が生じるとした。
そのような趣旨によるから、弁済の提供は債権者に受領遅滞責任を負わせる程度のもの、すなわち、原則として現実の提供をしなければならず、例外として、口頭でもなしえると規定している。