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頭の中を整理しながら次へとすすむ

表現力を身につけるため

刑法 共謀共同正犯

2009-08-13 08:08:39 | 刑法
問:共謀共同正犯を肯定すべきか。実行行為を分担しない共謀者についても、共同正犯が認められるか

主:思うに、共同正犯において一部実行全部責任が認められる根拠は、共犯者が相互利用・補充関係に基いて、犯罪結果を実現する点にある。

 そして、共謀者が実行を分担しないが、犯行全体に重要な影響力を及ぼしたような場合は共謀者と実行担当者との間には、共同正犯に必要な相互利用・補充関係が認められると解する。

結:したがって、共謀共同正犯は肯定されるべきである。

刑法 間接正犯

2009-08-13 07:55:59 | 刑法
問:間接正犯の成立要件
 
 思うに、正犯とは、基本的構成要件に該当する行為、すなわち、実行行為を行う者をいうと解される
 そうだとすれば、間接正犯が正犯として扱われる根拠は、直接正犯と異ならない実行行為性に求められる
 そこで、間接正犯が成立するためには、直接正犯と異ならない構成要件実現の現実的危険性を含んでいることを要すると解する


問:途中で被利用者が情を知った場合

 思うに、実行行為とは構成要件的結果発生の現実的危険性を有する行為
 そして、間接正犯では、利用者が犯罪誘致行為を行った時点で、このような現実的危険性が認められる
 そこで、間接正犯における実行の着手時期は、利用者が被利用者を犯罪に誘致した時点と解する
 そうすると、被利用者が途中で情を知った場合であっても、すでに間接正犯の実行行為とそれに起因する結果の発生はあるといえる

 もっとも、被利用者が途中で情を知ったにもかかわらず、自己の意思で犯行を続行するということは、通常予測できることではなく、相当因果関係を欠くと解する。
 そこで、被利用者が途中で情を知った場合には、間接正犯の未遂が成立するに留まると解する。



刑法 共同正犯関係からの離脱

2009-08-13 07:34:00 | 刑法
共謀からの離脱
問:実行の着手前の共謀からの離脱はいかなる場合に認められるか
主:思うに、共同正犯において一部実行、全部責任が認められるのは、共犯者間に相互利用・補充関係が認められるからである。
 そこで、相互利用・補充関係が認められるためには、犯罪結果について因果性が必要と解する

結:とすれば、実行の着手前に因果性が切断されて、相互利用・補充関係が消滅した場合には、共謀からの離脱が認められると解する。
 具体的には、①離脱者が離脱の意思を表明し、②それを他の共犯者が了承した場合には、相互利用・補充関係が消滅し、共謀からの離脱が認められると解する。

もっとも、離脱者が犯罪の中心的地位にある場合には、その影響力を完全に払拭しない限り、離脱は認められないと解する


共同正犯からの離脱
問:実行の着手後の共同正犯からの離脱はいかなる場合に認められるか
理:思うに、共同正犯において一部実行・全部責任が認められるのは、共犯者間に相互利用・補充関係が認められるからである。
 そして、相互利用・補充関係が認められるためには、犯罪結果についての因果性が必要と解する。

結:とすれば、実行の着手後に因果性が切断され相互利用・補充関係が消滅した場合には、共同正犯からの離脱が認められると解する
 ただし、着手前の離脱と異なり、法益侵害の現実的危険性が生じているから、心理的因果性のみならず、物理的因果性まで切断する必要があると解する。
 具体的には、①離脱者が離脱の意思を表明し、②他の共犯者がそれを了承し、③積極的な結果発生防止措置が採られた場合には、離脱が認められると解する。



刑法 片面的従犯

2009-08-13 07:24:45 | 刑法
問:甲がAを殺害しやすいように、乙は甲から部屋を目張りするように依頼を受けた。しかし、実際に殺害は外で行われた為、乙の行為が役に立たなかった場合。
 乙の幇助行為により甲が犯罪を実行したといえるか、幇助の因果関係の要否・内容が問題となる

(ア)思うに、共犯の処罰根拠は、正犯の実行行為を通じて間接的に法益侵害の結果を惹起する点に求められると解する。(因果的共犯論)
 そして、幇助は、正犯者の実行行為を補助し、犯罪の実行を容易にすることを通じて間接的に犯罪結果を惹起する犯罪類型である。
 そこで、幇助犯における因果性の程度は、実行行為を通じて結果を容易にしていたといえれば足り、具体的には、正犯者の実行行為を①物理的あるいは②心理的に容易にし、結果を惹起させたといえれば足りる。

(イ)本件にみると、野外殺害のため、①はないが、精神的な支えとなったとして②はあるといえる。
 
 したがって、因果性が認められ、幇助犯が成立