日之本純一郎(ひのもとじゅんいちろう)と中乃国左好子(なかのくにさよこ)は高校2年の同級生で恋人同士だ。
ふたりは付き合って4年になる。でも1ヶ月前に喧嘩をしてからは口を利いていない。
日之本くんはこれではいけないと時折電話を掛けるが、中乃国さんは電話にも出てくれないのだ。
これを見兼ねたクラスメートが中乃国さんに理由を尋ねた所、
「
あたしが、左が好きなのを知ってるくせに彼は靴を右から履くんだよ!信じられない。
あれはきっと私を馬鹿にしているんだ。サイテー!
」
実は中乃国さんは左が大好きだ。お風呂に入る時も左脚から入るし、もちろん洗うのも左腕からという風にである。
それ以来、クラスでは日之本くんがどちらの足から靴を履くかの話題で持ちきりになり、
クラスメート達は下駄箱で待ち伏せて日之本くんを観察する様になった。
そして「日之本くんの奴、また右足から履いてたよ!」と『親切にも』一々中乃国さんに報告しだしたのだ。
クラスメート達は事ある毎に「今日はどちらの足から靴を履いたの!」と尋ねるようになり、
日之本くんは答えるほど二人の仲が悪くなるのは目に見えているので渋ると
「恋人同士なのだから、隠し事はいけない!おまえには答える義務がある!」
と、恋人でもないクラスメートから非難を受けるようになった。
そんな様子を見兼ねた担任の先生も、
「そんなどうでもいいことで喧嘩するなど、しょうがないなぁ。。。」
と呆れていた。
この事に心を痛めたある『親切な』クラスメートは
「
恋人同士が一ヶ月も口を利かないなど異常だ。
靴を右から履くのは止めるべきだ。
彼女は右から履くのが嫌だと言っているのだから、わざわさ右から履く必要などないだろう!
」
と日之本くんに忠告したが、日之本くんは、
「
彼女が左好きなのは知っている。僕も出来るだけ左からするようにしているつもりだ。ただ、靴だけは別だ。
死んだばーちゃんが『靴を左から履くのは不吉だ!』と言っていたので僕は生まれてこの方左から履いた事はない。
でも一度だけ、たまたま左から靴を履いた時があって、すぐに気づいて右足を履く前に脱いで履き直したのだけど、
ちょうどその時にお母さんが交通事故に遭ったんだ。
また何か起こるかもしれないから、左から靴を履く事など出来ない。
左足から履いて、万が一中乃国さんに何かあったら悔やんでも悔やみきれない。
僕は彼女の事が好きなんだから、彼女を馬鹿にする意図などある訳無いじゃないか!
」
と答えた。
それでもなお『親切な』クラスメートは
「
そんなのは馬鹿げた迷信だ。そんな言い訳が通用する訳無い!
」
や
「
担任の先生もどうでもいい事に拘るなど『しょうがない奴だ!』と言ってたから、
そんな事言っていると内申点が下がるよ!
」
等と懸命に日之本くんに忠告しているのであるが、日之本くんは信念を変えるつもりは無いようだ。
さて、ふたりはこの後どうなるのでしょう?
***
ここで注目すべきは、
o このふたりは喧嘩はしているが、決して別れてはいないと言う点。
o クラスメート達は日之本くんの行動に注目しているので先生の言葉を日之本くんへの非難と受け取ったが、
『どうでもいい事』とは靴をどちらの足から履くかと言う事を問題にする点である。
o クラスメートの誰一人、自分がどちらの足から靴を履くかなど気にしていない点。
o 日之本くんは中乃国さんを馬鹿にする気は無いし、
靴を右から履く事が中乃国さんを馬鹿にする事にはならないと言う点。
o 実はクラスメート達は喧嘩しているふたりを見て楽しんでいると言う点。
である。
P.S.
そもそもこの喧嘩のきっかけは、ふたりの仲を妬んだクラスメートの中乃国への一言だった。
「
中乃国さんは左が好きなのに、恋人である日之本くんはこっそり靴を右から履いているんだよ!
こんなの許せる?
」
ふたりは付き合って4年になる。でも1ヶ月前に喧嘩をしてからは口を利いていない。
日之本くんはこれではいけないと時折電話を掛けるが、中乃国さんは電話にも出てくれないのだ。
これを見兼ねたクラスメートが中乃国さんに理由を尋ねた所、
「
あたしが、左が好きなのを知ってるくせに彼は靴を右から履くんだよ!信じられない。
あれはきっと私を馬鹿にしているんだ。サイテー!
」
実は中乃国さんは左が大好きだ。お風呂に入る時も左脚から入るし、もちろん洗うのも左腕からという風にである。
それ以来、クラスでは日之本くんがどちらの足から靴を履くかの話題で持ちきりになり、
クラスメート達は下駄箱で待ち伏せて日之本くんを観察する様になった。
そして「日之本くんの奴、また右足から履いてたよ!」と『親切にも』一々中乃国さんに報告しだしたのだ。
クラスメート達は事ある毎に「今日はどちらの足から靴を履いたの!」と尋ねるようになり、
日之本くんは答えるほど二人の仲が悪くなるのは目に見えているので渋ると
「恋人同士なのだから、隠し事はいけない!おまえには答える義務がある!」
と、恋人でもないクラスメートから非難を受けるようになった。
そんな様子を見兼ねた担任の先生も、
「そんなどうでもいいことで喧嘩するなど、しょうがないなぁ。。。」
と呆れていた。
この事に心を痛めたある『親切な』クラスメートは
「
恋人同士が一ヶ月も口を利かないなど異常だ。
靴を右から履くのは止めるべきだ。
彼女は右から履くのが嫌だと言っているのだから、わざわさ右から履く必要などないだろう!
」
と日之本くんに忠告したが、日之本くんは、
「
彼女が左好きなのは知っている。僕も出来るだけ左からするようにしているつもりだ。ただ、靴だけは別だ。
死んだばーちゃんが『靴を左から履くのは不吉だ!』と言っていたので僕は生まれてこの方左から履いた事はない。
でも一度だけ、たまたま左から靴を履いた時があって、すぐに気づいて右足を履く前に脱いで履き直したのだけど、
ちょうどその時にお母さんが交通事故に遭ったんだ。
また何か起こるかもしれないから、左から靴を履く事など出来ない。
左足から履いて、万が一中乃国さんに何かあったら悔やんでも悔やみきれない。
僕は彼女の事が好きなんだから、彼女を馬鹿にする意図などある訳無いじゃないか!
」
と答えた。
それでもなお『親切な』クラスメートは
「
そんなのは馬鹿げた迷信だ。そんな言い訳が通用する訳無い!
」
や
「
担任の先生もどうでもいい事に拘るなど『しょうがない奴だ!』と言ってたから、
そんな事言っていると内申点が下がるよ!
」
等と懸命に日之本くんに忠告しているのであるが、日之本くんは信念を変えるつもりは無いようだ。
さて、ふたりはこの後どうなるのでしょう?
***
ここで注目すべきは、
o このふたりは喧嘩はしているが、決して別れてはいないと言う点。
o クラスメート達は日之本くんの行動に注目しているので先生の言葉を日之本くんへの非難と受け取ったが、
『どうでもいい事』とは靴をどちらの足から履くかと言う事を問題にする点である。
o クラスメートの誰一人、自分がどちらの足から靴を履くかなど気にしていない点。
o 日之本くんは中乃国さんを馬鹿にする気は無いし、
靴を右から履く事が中乃国さんを馬鹿にする事にはならないと言う点。
o 実はクラスメート達は喧嘩しているふたりを見て楽しんでいると言う点。
である。
P.S.
そもそもこの喧嘩のきっかけは、ふたりの仲を妬んだクラスメートの中乃国への一言だった。
「
中乃国さんは左が好きなのに、恋人である日之本くんはこっそり靴を右から履いているんだよ!
こんなの許せる?
」