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湊七雄のブログ

製本

2007-02-20 | Weblog
先日、勤め先の福井大学で製本のワークショップを開きました。美術科の学生は、感性がフレッシュで、飲み込みが早い事もあり、力作が沢山生まれました。

私は、ゲント王立美術アカデミーで版画を勉強していた当時に、リトグラフ担当のジャン・ピエールから製本の手ほどきを受けました。
いつもの彼は、リトグラフの指導はほどほどに、版画アトリエの片隅で製本に勤しんでていました。その様子がなんとも優雅で、長い歴史に支えられたヨーロッパの文化的豊さを実感したものです。
思いのほか簡単に本を作れる事を知った私は、彼と同じ道具と素材を買い揃え、見よう見まねで製本を始めました。ひとまず自分でやってみるのが好きなのです。
自宅アパートでコツコツ作った本を翌朝ジャンピエールに見せて、改良すべき箇所を指摘してもらう方法を繰り返しながら、製本のノウハウを蓄積しました。

ベルギーでは多くのアーティストが製本を趣味としています。一年を通して天候に恵まれず、暗くて寒い時期が長いので、家の中に籠って出来る趣味が人気なのでしょう。
実際、ステンドグラス、ゴブラン織り、ボビンレースなど、この国を代表する芸術の多くは地味な作業を要する物が多い!!!

仮にお天気が良かったならば、画家ファン・アイクの名作も生まれていなかったような気がします。

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