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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

げに恐ろしいカバリエ

2006年01月19日 22時10分51秒 | プッチーニ
先日、ドン・カルロについて書きましたが、それからどう巡ってか、カバリエにたどり着きました。それで、彼女のプッチーニ・アリア集を聞きました。カバリエとは、あのモンセラート・カバリエであります。カバリエを聞いて思うのは、この人のテクニックの凄さです。とくに、完璧なブレスコントロールによるピアニッシモの美しさは、比類するものがありませんね。ある人は彼女のピアニッシモを長く伸ばす歌い方を細い絹糸になぞらえましたが、げに恍惚とさせられる声であります。1976年に来日したイタリア歌劇団の公演でチレアの『アドリアナ・ルクヴルール』にカレーラスとともに主演しましたが、その中の「私は卑しい神の下僕です」の最後の「私の声は、あかつきに消え失せるはかない吐息です」と歌う細い消え入るような声は、ホントにきれいでした。そして、このCDですが、プッチーニとカバリエ?とも思いますが、11曲のアリアを見事に歌ってます。「私のお父さん」なんかもさすがの歌声です。中でも注目されるのが、リューなんです。果たして、カバリエが舞台で『トゥーランドット』のこの役を演じたことがあるのかと思いますが、このリューの「お聞き下さい、王子さま」の最後、「ああ!お慈悲を」と歌う約20秒も続くピアニッシモの長いフレーズの美しさは、もう言葉がありません。
このカバリエ、全盛期の1970年代前半、雑誌に載っている写真は、オペラでのものが多く、大柄で(ほんとでかかった)厚い化粧でずごい目張りをしてました。その風貌たるや、げに恐ろしいものでした。この人は恐いひとだろな、ってずっとすり込まれたままでした。しかし、何年か前に来日したときのリサイタルをNHKで見ましたら、ほんときさくで陽気で気のいいおばちゃんだったので、その落差に驚いた次第です。声は全盛期の面影を十分残してました。
(CD プッチー二 オペラ・アリア集 カバリエ マッケラス指揮ロンドン響  EMI TOCE-8964)

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