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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ベーレンスの訃報

2009年08月20日 21時31分27秒 | R・シュトラウス
今日は早めに帰宅して、近所の神社までウォーキングをして帰り、さあ夕食、というときに、家人が、「ベーレンス亡くなったなあ」と言われまして、びっくりました。「なんや、朝刊見てへんのかいな」と。早速、朝刊を見ますと、「ヒルデガルト・ベーレンスさん(独のソプラノ歌手)が18日、動脈瘤破裂のため東京都内の病院で死去、72歳。カラヤンやカール・ベームらの名匠に認められ、主にワーグナーやリヒャルト・シュトラウスといったドイツオペラ作品で活躍。バイロイト音楽祭などで歴史的名唱を聞かせた。草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル(群馬県草津町)に参加するため数日前に来日したが、直後に体調を崩し、都内の病院に入院していた。」

ベーレンスは、私にとって、ドイツオペラを歌う最高のドラマティック・ソプラノでした。最高のゼンタ、イゾルデ、ブリュンビルデであったんですね。フラグスタートやヴァルナィはもちろん、ニルソンでさえ、同時代的には知らない世代の私には、このベーレンスとグィネス・ジョーンズは、現役の舞台を見ることが出来き(もちろん生ではありません)、また新録音のCDによって歌声を聴いたソプラノでありました。カラヤンの「サロメ」で一躍脚光を浴び、バーンスタインの「イゾルデ」、そして、クーベリックの「魔弾の射手」のアガーテ、そして、バイエルン歌劇場でのサヴァリッシュとメトのレヴァインとの、ブリュンビルデ、サヴォンリンナでの「オランダ人」のゼンタ、などなど見たり聴いたりの作品は多いです、たいそう澄んで暖かみのある、美しい強靱さを持ち合わせた声です。特に、その中に見られる、繊細さと艶っぽさが好きでした。一番、記憶に残っているのは、やはりメトのブリュンビルデですかね。ニルソンより暖かみがあり、ジョーンズより繊細なブリュンヒルデはよかったです。他にも、ゼンタのバラード、アガーテの祈りなどは、心に染みる歌声でありました。

そんなベーレンスの訃報に接し、取り出したCDは、おそらく彼女のCDとしては、最後に買ったもの。1991年ショルティがVPOと録音したR・シュトラウスの歌劇『影のない女』であります。ベーレンスはバラクの妻。これは発売されてすぐに買いました。当時、Rシュトラウスのオペラに凝っていまして、同じ頃、サヴァリッシュとステューダーらとの全曲盤も出ましたが、ベーレンスの方を迷わず買いました。ただ、このオペラ、内容はまったく理解していません。舞台も猿之助さんが演出したものを見ただけです。ただ、聴いてすぐ分かるR・シュトラウスの音楽と、VPOの演奏、ベーレンスの声を堪能するCDであります。全編にわたりベーレンスが聴けますが、第三幕の最初の「黙って下さい。たくさんの声よ」などいいですね。

最後に、三日前にこのブロクでも取り上げたベーレンスのトスカを見ました。イタリアオペラもいいです。ベーレンスのトスカ、すごく好きです。「歌に行き、恋に行き」は絶品です。
ご冥福をお祈りします。
(London POCL-1209/11 1992年)

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