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バーンスタインのハイドン 3

2012年05月15日 22時04分45秒 | ハイドン
プロ野球もいよいと交流戦です。しかし、これまでマリーンズ、貯金が8つの首位。何年ぶりですかね。貧打なんですが、投手が頑張っています。しかし、交流戦、あまり好きでないのです。セ・リーグとの試合、指名打者でない場合があります。これがおもしろくない。なんで、打てなう投手が打たなければならないのか。まあこういうと異論もあるでしょうが…。そして、GやTに負けると、気分がたいそう悪いので、交流戦はいやですねえ。

そんなわけで、今回はハイドン。以前にも取り上げたバーンスタインがニューヨーク時代に録音したハイドン。ロンドン交響曲集、パリ交響曲集、『天地創造』、ミサ曲集と集められての12枚組。これで2500円ほどという激安BOXです。オケはニューヨーク・フィルハーモニック。このCD、再発売されるようですね。そして、至極評判がいいようです。この中のパリ交響曲集から交響曲第82番ハ長調『熊』であります。1962年5月7日ニューヨークでの録音。

このパリ交響曲集とは,交響曲第82番から第87番までの6曲をいいます。パリのコンセール・ド・ラ・ロージュ・オランピックというのアマチュア・オーケストラから交響曲の依頼によって、作曲されたために、この呼称があります。1785~1786年に87番,85番,83番,84番,86番,82番の順に作曲されたと言われています。この「熊」と名付けられた曲は最後の作品です。「熊」と言われるには、第4楽章の冒頭部での低音部分に、前打音つきの”ハ”の音が、熊の唸りながらの足取りを思わせるからと言われています。そう言われれば、そうかな、ってところでしょうか。

この演奏が録音された1962年と言えば、バーンスタイン御年44才。まだ元気一杯のころであります。バーンスタインは、1980年代になっても元気でしたが、音楽は見る見るうちに、テンポが遅くなって独特の演奏になっていきました。こんな演奏に比べて、このハイドンは、このことのバーンスタインらしい、元気溌剌とした演奏になっています。バーンスタインとニューヨーク・フィルの演奏、私は確かに勢いもあり、颯爽とした心地よさを感じるのですが、オケから導き出させる音は、少々違和感を感じ得ませんでした。このハイドンに関しては、そんな気持ちをそれほど抱かせずに、むしろ躍動感に満ちて、また活動的な響きはたいそう好感を持つのでした。加えて、スケールの大きな演奏は、昨今の古楽器の演奏にはないもので、まさに快感でした。

第1楽章、冒頭からの活発で躍動感ある演奏は、曲にずんずん引き込まれていく。ここでの響きは粗い印象ももつが、それ以上にこの演奏の旺盛な生命力が優っています。非常に骨太で一音一音がズンズンと入って来ます。第2楽章アレグレット。ここでは優しげな演奏も良いなとおもいますが、このような力強さも心に響いてきます。特に高音部に対する低音部の存在感が心地良いですね。実に力強い援徐楽章です。第3楽章メヌエット。ハイドンの数あるメヌエットの中でも、これはいいです。スケールの大きさや雄大な旋律など、モーツアルトのメヌエットにはない、よさがあります。私はメヌエット大好きです。そして、第4楽章、熊を思わせる響きが、妙な納得を産み出していますが、ここでの主題とその周辺の響きは、終楽章に相応しい力強さと感じさせ、心はしっかりと満足します。そして、全体的には至極立派で大きなハイドンでありました。

しかし、ハイドンですが、派手さはあまり感じませんが、実に味わい深い音楽をたくさん作ってくれましたね。たくさんの曲があって、なかなか聴くのに迷ってしまいますが、ほんとうにいい音楽が満載であります。
(Sony Classical 88697480452 2009年 輸入盤) 

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