こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

『聖母マリアの夕べの祈り』

2022年10月02日 23時58分00秒 | その他の作曲家
先週、日本LAND'S ENDの閉店を知りました。LAND'S ENDはファッション通販ブランド。このところ、割引き率が大きくなり、ついに40%OFF。絶対経営が不振やろな、と思っていました。私はもう25年以上コッパンなどを中心に愛用していて、正統なトラッド的なカジュアルがお気に入りでしたので、けっこう衝撃を受けました。近年は少々雰囲気の違う製品が多くなったな、と思う中で、コッパンは買い続けていました。これからはもうVANだけになったなあ、と思い、寂しくなりました。それでも、閉店セールの50%OFFで3本買いました(笑)。

ということで、今回はクラウディオ・モンテヴェルディであります。このところ、テレマンやヘンデルに傾倒しておりましたが、ついにモンテヴェルディまでたどり着きました。モンテヴェルディの「ヴェスプロ」。『聖母マリアの夕べの祈り』であります。この曲、かなり前から知っていましたが、なかなか聴く気にはならなかったのです。まあ、それはモンテヴェルディの『オルフェオ』なども同様でありました。ヴェスプロが教皇に献呈されたのは、1610年ですからねえ。

あまりキリスト教のことは詳しくないのですが、カトリック教会での晩課での音楽。といってもあまりピンと来ないし、実際にどんな風に用いられるのか…。まあそんなことはいいとして、音楽はどうなんか、70分も要する曲であり、いろんな曲が含まれています。けっこう難解。序詞に続いて、5つの詩篇と4つのコンチェルト、そしてふたつのマニフィカトなどから構成されています。曲の形式は、レスポンソリウムやアンティフォナ、そしてコンチェルト、いろいととありますが、まあ、あまり気にする必要もないですかね。

そして、この演奏ですが、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツとモンテヴェルディ合唱団、ロンドン・オラトリー少年合唱団、そして8人の独唱者アン・モノイオス(S)、マリネッラ・ペンニッキ(S)、マイケル・チャンス(CT)、マーク・タッカー(T)、ナイジェル・ロブソン(T)、サンドロ・ナグリア(T)、ブリン・ターフェル(B)、アラステア・マイルズ(B)です。1989年5月ヴェネチアのサン・マルコ大聖堂での歴史的なライブ録音。

しかしこの曲、お祈りの音楽としては、少々派手というか、お祈りよりも音楽に気がいってしまうほど、いろんな点で魅力一杯の音楽であります。冒頭から『オルフェオ』の序曲を借用していることも、音楽に世俗的と聖なる音楽の明確な差があったんだろうか、と思ってしまいます。まず、詩篇は合唱で急、コンチェルトは独唱の緩、これの繰り返しで進みます。詩篇は起伏に富んだ曲想、このコンチェルトは、静かな神の世界が独唱で展開されます。この中で展開されるエコーがたいそうな美しさであります。ソプラノとテノールの独唱の限りない美しさとその静謐の世界が祈りの荘厳さを醸しだしているようですねえ。

そして、一方でなんと言ってもモンテヴェルディ合唱団がこれまた美の極致。この技巧と機動力と純粋さに裏打ちされた美は、比類ないですねえ。特に、詩篇ではその威力が十二分に発揮されます。讃歌「めでたし、海の星」はとてもない美と神の世界に昇華されていくようです。そして、マニフィカト。全部で13で構成されていますが、様々な独唱ありの合唱がありの、いろんなパターンで歌われ演奏されます。ここでもまったく最初から最後まで、それぞれのバラエティに富んだ曲に魅了されます。その背後には、ガーディナーの曲に対しての理解や執念があることは無視できないですね。

モンテヴェルディの曲、『オルフェオ』を筆頭に三つの歌劇。そして多くのマドリガーレなど、魅力ある優れた作品がたくさんありますねえ。これらもしっかり聴いていこうと思います。このCDは、ネットの中古で買いました。300円ほどでした。しかし、3000円ほどでライブ画像のDVDが付いてのものも出てますねえ。そっちのほうもいいかなあ。
(Archiv POCA-2504/5 1996年)

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2 コメント

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Unknown (popotoku)
2022-10-04 12:46:05
「聖母マリアの夕べの祈り」はいい曲ですね。たしかにストーリーなしの「オルフェオ」を聴いているようともいえます。私もガーディナー盤を愛聴しています。
ロッテは残念でしたね。終盤まで優勝またはクライマックスシリーズを争いながら、負けると監督が辞任してしまうとは厳しい世界です。ドラゴンズは最終戦に根尾君が先発するなど心はすでに来年です。
日曜日に新国立劇場でヘンデルの「ジュリオチェーザレ」観てきました。よかったです。お勧めです。
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2022-10-04 21:57:14
popotoku 様、コメントありがとうございます。モンテヴェルディ、これまでは未聴の分野です。いろいろと教えてください。「オルフェオ」のみならず、、マドリガーレとも、よく似ているのでありました。いろいろと聴いていきたいです。
マリーンズ、監督が交代するようですが、二軍で三割打っても、また首位打者取っても、なかなか上でつ買ってもらえない現状で、若手が育つのかな、と疑問に思っていました。監督が替われば、また風も変わることを期待したいです。
新国立劇場、いろいろ行きたいのですが、なんせ遠い。でも、年明けの『タンホイザー』は行きたいな、とお持っています。
また、ご教示ください。
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