こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

アンジェラ・ヒューイットの平均律を聴く。

2018年09月30日 16時30分25秒 | バッハ
先週の金曜日、東京に行ってきました。5月に行ったアンジェラ・ヒューイットのバッハ平均路ツグラヴィーア曲集第1巻に続き、第2巻の演奏会に行きたい、ということでした。残っている夏季休暇をもらいました。

それで、木曜日の夜11時半に三宮からの夜行バスに乗りました。そして、8時に八重洲口に到着。夜まで時間はたっぷりあるので、江戸城を見ようということで、まず9時半からの皇居一般参観に加わりました。普段は入れない宮殿(正月に一般参賀をする)などを見れるのですが、天守閣が焼失したあと、その代わりの役割を果たしたという富士見櫓や二重橋の向こうに見える伏見櫓などが近くで見れることも魅力でした。このあたりは西の丸だったところです。一方、天守台や本丸跡は、東御苑の方であり、ここは金曜日は休園日なので、行けませんでした。それが終わって、皇居を一周五㎞を歩きました。桜田門から半蔵門まではでかい外堀が圧巻ですし、半蔵門から北は石垣が残っています。北の丸手前で東に向かい、乾門・北桔橋門・平川門・大手門から桔梗門まで戻りました。北の丸の田安門や清水門も見たかったのですが、残念でした。

その後、六本木のサントリー美術館で『京都・醍醐寺 真言密教の宇宙』展を見て、新宿のディスクユニオンに行きました。欲しいCDがありましたが、まったくなかったです。そしてヒューイットのバッハの15枚組7200円でありました。実は、前回のヒューイットの演奏会場でこのCDは売っていて、1万円でした。今回行って買おうと思っていたのは、購入者にはヒューイットがサインをしてくれる、とのことがあったからでした。しかし、2800円の差は大きいなと思うので、ここで買うことにしました。サインはまあいいでしょう、ということです。

そんなこんなで夜になり、会場の紀尾井ホールに行きました。前回に比べて空席が目立ちましたね。CDは売ってましたが、サインはなしでした。2巻は1巻より長いので、終了時間が10時になることも関係しているのでしょうか。前回もなかったのを私が勘違いしたんでしょうか、ともあれ、ディスクユニオンで購入して正解でしたね。昼間、散々歩いたので睡魔予防のため、夕食は取らずでありました。

平均律は、第1巻と第2巻の間には、20年の年月があり、一般的には第2巻の方が円熟し、内容的な深さが指摘されています。特に、後半になると、深遠な世界が広がっていきます。その点で一番好きなのはリヒテルの演奏でした。ヒューイットの弾くFAZIOLIの音色は明晰で明るい印象があったのでどんなものかな、と思いました。また、CDで聴く限りでは、多少のあっさり系であり、もっと深く掘り下げた表情なり、表現が、と思ったこともあります。しかし、実際に生で聴くと、この人のピアノはきれいな音です。低音はときに豪快な音で、また高音も澄んだ明るいすっきりとした響きです。強弱のバランスも私には非常に好ましいです。また、過度な表現もなく、私には淡々としたバッハであり、これも心が平穏にして、美音でバッハの世界にとっぷり浸れるにでありました。ポリフォニーや対位法が実に適度な表情で、心に迫ってくるのでした。約160分、もうあっという間でした。前半は、1曲1曲を確かめるように聴いていきました。そして、1曲が終わると、あー、終わっちゃったなあ、と心に一抹の寂しさを繰り返しながら…。休憩をはさみ、後半。後半の12曲、中でも後半は内省的で深遠な世界。端正で確かな音が刻まれながら、いつ果てるともしれないピアノに永遠性を感じていました。しかし、最後のロ短調になると、いよいよ最後だ、と思いながらの3声のフーガ。最後の音が静かに響いて、静寂の中に消えていきました。

今後、平均律の全曲を聴ける機会など、そうそうないだろう、という思いから、今回夜行バスの往復で行きました。みなさん、熱心に平均律を聴いていました(寝てるひともいましたが)。終了は、21時50分。急いでJR四谷駅に向かい、池袋からバスに乗りました。やはりバッハはいいですねえ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 福浦の2000本と、バッハのカ... | トップ | 小菅優さんのベートーヴェン ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

バッハ」カテゴリの最新記事