こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

朝比奈さんのドッペル

2021年12月19日 23時48分00秒 | ブラームス
先週の金曜日、いつものマリーンズファン三人が集まって、今シーズンの反省会を行いました。二年連続で2位ということで、確実に力がついていますね。優勝したバファローズには、杉本に打たれすぎと、T岡田に益田が打たれた逆転の3ランが痛かったですね。来季は、種市・西野復帰と佐々木ろの成長など、それほど投は不安はないのですが、打は、安田・藤原の活躍が必須。また平沢にも頑張ってほしい、というのも三人の共通する思いでありました。来年はぜひ優勝と、またそれが狙えるということですが、どうなることやら…。

そんなこんなの年の瀬、今回はブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調作品102であります。演奏は、朝比奈隆指揮の新日本PO。それに海野義雄と堤剛であります.1988年5月11,12日神奈川県綾瀬市文化会館での録音。朝比奈さん、このドッペルコンツェルトについては、豊嶋泰嗣(VN)と上村昇(VC)との録音もありました。1990年の録音なんで、この演奏はそれの少し前ですね。朝比奈さんにしては珍しいセッション録音です。

この曲、それほどいろんな演奏で聴いたわけではないです。オイストラフとロストロポーヴィチとセルの名盤や、ボスコフスキーらのフルトヴェングラー盤、マとスターンとのアバド盤くらいですかねえ。フルトヴェングラー盤については、取り上げたこともありました。ブラームスが、交響曲第5番として構想していた曲でしたが、当時不仲になっていたヴァイオリニストのヨアヒムとの和解のために、協奏曲としたと言われています。ブラームスの重厚さがいいですねえ。

この朝比奈さんのCD,ふと思ったのですが、朝比奈さんには珍しいSONYからの発売なんですね。これまでPONY CANYONやfontec、そしてEXTONなどが多かったんですが、SONYはこれまで知りませんでした。このCDの初出は、2002年5月。朝比奈さんが逝去されて半年後。追悼盤であったことが知られます。セッション録音だったことも考えると、それまで発売されていたのを(ジャケットがブラームスのお墓の写真だったらしい)、追悼盤として再発売されたのでしょうね。 

そしてこの演奏、海野さんと堤さん、そして朝比奈さんとなれば、日本代表選手のともいうべき、唯一無二の組合せであります。その期待に違わぬ演奏です。当初、この演奏を聴いたときに、朝比奈さんの演奏にしては、おとなしく、そして非常に整っているな、と少し意外な気持ちになりました。ソリストも生真面目だし、優等生的な演奏に終始している。ゆえに、最初に聴いたときは、あまり印象に残らなかったのです。しかし、繰り返し聴いていくうちに、この演奏の凄味も理解してきました。まず、この演奏は朝比奈さんに多いライブ録音ではないので、非常に客観的な演奏になっているのです。とはいえ、ブラームスに相応しく、非常に重厚な響きはとてもいい。朝比奈さん、しっかりとした造型を保ちつつ、非常に堅固な表情での演奏。そして、心地よく旋律を歌わせています。新日POも純な音色でとても気持ちいい。ただ、ヨーロッパのオケの演奏のような音の艶や美しさといえば、少し物足りない。しかし、これはこれで立派な演奏。聴いて満足感は高いです。海野さん、若干の不安定さが聞こえるように思いましたが、堤さんとともに堅実で、ふたりの息もぴったり。海野さんが泣き、堤さんの低音が響きます。

第1楽章、冒頭から堂々とした展開。ゆったりとしたテンポが重厚さが増幅させています。ブラームスらしい響きがとてもいい。そして、第2楽章、少しテンポが早い印象。それがゆえにねちっこさではなく、スマートな印象。海野さんと堤さんが主であり、その演奏をしっかり聴かせてくれるところも朝比奈さんの技か。そして終楽章。慌てず騒がずの演奏で、じっくりと落ち着いた演奏。安定した中でも、剛毅さや高揚感はひしひしと伝わってくる。それもこの演奏の魅了でありますねえ。

さてさて、マリーンズ、後ろのPとしてゲレーロと契約しました。160㎞の速球投手とか。これで投手は盤石ですかね。後は打つ方。こっちはもう補強はないのでしょうかねえ。オフになっても目が離せないマリーンズでありました。
(SONY SICC 2079 2016年)

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