美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。7月から配信され、これまでに20万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが名作を紹介する「乙葉しおりの本の小道」。第6回は、高村光太郎の「智恵子抄」だ。
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こんにちは、第6回にご紹介する1冊は、高村光太郎さんの「智恵子抄」(ちえこしょう)です。
「抄」とは、「要約する」、「一部を紹介する」という意味で、芸術家であり詩人でもある高村光太郎さんが、奥様の智恵子さんに向けた思いを、詩歌でつづった1冊になっています。
内容は、智恵子さんとの出会いから結婚、そして別れとその後までを、詠(うた)われた日付を追って収録したものですが、1911~1941年の30年にもわたっていて、どれだけ奥様への思いが深いものだったかが分かりますよね。
芸術家の高村光太郎さんは、海外留学で西洋美術の最先端に触れ、日本の芸術の権威主義に強く反発していました。
そんなときに洋画家である智恵子さんと出会うのですが、当時は男女格差が激しく、才媛の智恵子さんもまた、世間の壁や嘲笑(ちょうしょう)と戦っていたようです。
よく似た互いの境遇に意気投合したのか、2人は1914年に結婚します。
「私はこの世で智恵子にめぐり会った為、彼女の純愛によって清浄にされ、以前の退廃生活から救い出される事が出来た」と、後に高村光太郎さんは語っています。
けれど、幸せな時間は長く続きませんでした。
実家の不幸など心労が続いた智恵子さんは1931年ごろから心の病にかかり、32年に自殺未遂を起こし、38年に肺結核で亡くなりました。
残された高村光太郎さんの悲しみは「レモン哀歌」をはじめとした詩の中に込められていますので、ぜひ読んでみてください。
高村光太郎さんの思いが感じられると思います。
現在、2人は東京の染井霊園で、同じ高村家のお墓に眠っています。
ここにはたくさんの桜の木があって、お花見で有名なソメイヨシノの桜は、この染井という地名が由来になっているそうです。
作中の詩「あどけない話」や「レモン哀歌」でも詠われている桜が見たくなったら、訪れてみるのもよいかもしれません……。
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「抄」とは、「要約する」、「一部を紹介する」という意味で、芸術家であり詩人でもある高村光太郎さんが、奥様の智恵子さんに向けた思いを、詩歌でつづった1冊になっています。
内容は、智恵子さんとの出会いから結婚、そして別れとその後までを、詠(うた)われた日付を追って収録したものですが、1911~1941年の30年にもわたっていて、どれだけ奥様への思いが深いものだったかが分かりますよね。
芸術家の高村光太郎さんは、海外留学で西洋美術の最先端に触れ、日本の芸術の権威主義に強く反発していました。
そんなときに洋画家である智恵子さんと出会うのですが、当時は男女格差が激しく、才媛の智恵子さんもまた、世間の壁や嘲笑(ちょうしょう)と戦っていたようです。
よく似た互いの境遇に意気投合したのか、2人は1914年に結婚します。
「私はこの世で智恵子にめぐり会った為、彼女の純愛によって清浄にされ、以前の退廃生活から救い出される事が出来た」と、後に高村光太郎さんは語っています。
けれど、幸せな時間は長く続きませんでした。
実家の不幸など心労が続いた智恵子さんは1931年ごろから心の病にかかり、32年に自殺未遂を起こし、38年に肺結核で亡くなりました。
残された高村光太郎さんの悲しみは「レモン哀歌」をはじめとした詩の中に込められていますので、ぜひ読んでみてください。
高村光太郎さんの思いが感じられると思います。
現在、2人は東京の染井霊園で、同じ高村家のお墓に眠っています。
ここにはたくさんの桜の木があって、お花見で有名なソメイヨシノの桜は、この染井という地名が由来になっているそうです。
作中の詩「あどけない話」や「レモン哀歌」でも詠われている桜が見たくなったら、訪れてみるのもよいかもしれません……。
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