いよいよ最後のNorway旅日記となった。今回のNorway行きは、
Bergenでの代理店会議と、5月25~27日Osloで開かれる舶用
展示会NOR-SHIPを訪ねることであった。
現在舶用の展示会は、偶数年の春がSeaJapan、秋にドイツの
ハンブルグでSMM、奇数年の春に今治のBARI-SHIP、そして
オランダのアムステルダムなどが有名。もちろん韓国・中国でも
大々的に行われている。
私はNOR-SHIPを見るのは初めてだった。5月25日朝、ご一行
打ち揃いホテルを出てOSLO中央駅へ。そこから一駅地下鉄で
展示会場へ向かった。しかし、一駅の距離が結構あるものの、
電車賃がKr60(=1020円)である。Bergenでも深夜空港から
ホテルまでTaxiを使ったが、これがKr500(=8500円)にて高い!
まあベンツだから仕方がない!?のかも知れないが。
Norwayは、消費税25%である。よって市内でお土産を買って
空港でRe-foundしてもらったが、一万円少し買って戻ってきた
お金がKr175(=2975円)である。お陰で免税のチョコが4個も
買えた。日本の5%と比べれば差は歴然。(賛成ではないが)
仕事の話はともかく、実はこの日もまだ宿酔いだった。一行も
ほとんど同じ状態であったと思う。(酒の強さは歴然だが)
前の晩、列車の中の宴会では収まらず、深夜のBarへ皆で出か
けた。夜の11時を過ぎているというにもかかわらず、盛況だった。
ふと気付くとビリヤードがあった。これは!と思い、仲間のMGに
声を掛けると、「よしNorway vs Japanでやろう!」となった。
残念ながら私が若い頃手なぐさんだ四つ玉とはことなり、欧州で
盛ん(常識?)のエイトボールである。まあルールはともかく、
お酒の勢いもあって燃えた。キューが玉を弾き、飛んだ。その
様子にまわりも興奮気味で、途中から黒山のひとだかり!?
汗をかいてひとゲーム終えると、どうみても銀行の頭取!?然
とした紳士が挑戦状を!で、私はMGとタグを組み、彼は自分の
子飼い(明らかに部下)と組むという。「いくら懸ける!」と言って
みたが、「金はだめ。ウイスキー一杯でいこう」という。よってMG
と相談したが、彼も快諾。そして身内からも応援のエールが!
これがまた白熱した。MGはちょっと苦み走ったいい男で、良く
言えばクリントイーストウットの若い時のような風貌をしている。相手は
銀行マン。誠に見ていて面白い取り合わせとなった。と、私も
呑気にはしていられない。闘い!なのである。
闘いは一進一退。しかし相手の頭取風の男の打ち方。お金が
掛っている。手元ですばやくBarを送り出すのだが、球に当たる
瞬間は、まるでスローモーションを見ている如く、コチと軽く当て
るだけ。もしも深夜の12時近くでなかったら、簡単に負けていた
であろう。飲み過ぎと観衆への気負いで手元が狂うのである。
私は私で、酔いが回っているだけに、常に強く球の中心を叩く
ことだけに集中した。トリッキーなクッションを想定したとんでも
ないラインを打ち、勢い余って球がジャンプ。しかしその結果
目当ての球にヒットし、ポケットへ吸い込まれた瞬間、身内から
だけではなく観衆からも拍手!。(「Nippon!」と叫びそうに)
だが結果は敗戦。最後のあたり、MGと頭取がルールでもめた
りしたが、あきらかに実力の差があった。しかたなく、身内の
他のMGが手配してくれたワンショットを皆で高々と差し上げ、
「乾杯!」と、最後は和気あいあいの中で夜は暮れていった。
24時間掛けて行ったかいは、仕事もさることなく、After5では
目一杯楽しむことができた。Bergemのメーカー自体、19か国
のスタッフからなる複合企業でありながら、ひとつのベクトルに
向かって一致団結。素晴らしいチームワークと和が醸し出され
ていて、傍から見てもうらやましいほど。
さて、これがアジアで可能か否か、大きな宿題を持って帰った。
しかし、大きな夢のある課題であることには、間違いない。
(了)
三神工房