今日の案件について。
お客様からTELで「無線LANが繋がるけど途中で切れる」とあり、
駆けつけて三時間ほど作業した結果、「PCの買い替えが必要です」となりました。
これだけ書くと
『ありえねぇ~。ヤブかよ?』と、
診断能力を疑われそうですが…
今回は、色々と面白い症状に出会いました。
見つかった症状と、お客さんから聞いた事実を時系列順に挙げると、
1. PCIバスに挿しっぱなしになっている、無線LANカードがかなり高熱になっている事に気が付く。
2. 無線LAN周りの再セットアップ行っても、
OS上で、LANカード自体が時々認識されなくなる。
PCを再起動すると何とか認識するが、すぐに居なくなる。
3. 問題切り分けのため有線でルータに繋ぎ、
別の無線LANカード用のドライバをダウンロードしている最中で、
突然ネットワークから遮断される。
# ルータとPCは2メートルほどのLANケーブルで直結。
4. ping を打ってみると
Pinging 192.168.1.1 with 32 bytes of data:
Hardware error.
Hardware error.
Hardware error.
Hardware error.
なんじゃそりゃ。
5. その状態で、持込んだ別のPCからルータに無線で繋ぐと繋がるので、
ルータ側の異常ではないようだが、
念のため、ルータの電源断とオールリセットを実施。
6. ノートPC再起動後に、再度ping
Pinging 192.168.1.1 with 32 bytes of data:
Request timed out.
Request timed out.
Request timed out.
Request timed out.
7. 一分後だとこうなる
Pinging 192.168.1.1 with 32 bytes of data:
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=64
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=64
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=64
直結の有線LANなのに、
なんで時間経過とともに状態が変わるのかが理解できず。
もちろんアンチウイルス系は全て切ってある。
8. デバイスマネージャでPCIデバイスが一つ(?)になっているので、
ドライバをWindows Update経由でインストール。
9. その後は、こんな感じ
Pinging 192.168.1.1 with 32 bytes of data:
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=64
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=64
Request timed out.
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=64
あーこりゃダメかもなぁ…と思い始める。
10. ふと、ファンが回転していないことに気付く。
本体の裏を触るとかなりの高温。
膝の上にはとても置けない温度。
11. ここでお客様から衝撃の告白
「このノートPCは、一回壊れてて(電源が入らない)、
修理に出したんだけど、
修理から帰ってきても一回も触らずに、
一年以上ほったらかしになってたんだ」

そーいう大事なことは、ちゃんと教えてくださいよ。お願いですから。
そもそも前回の修理で、ちゃんと直ってないんじゃないですか?
12. そんな話を聞きながらpingを打ち続けると、
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=64
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time=108ms TTL=64
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time=206ms TTL=64
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time=25ms TTL=64
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=64
絵に描いたような不安定さを発揮。
PCは無負荷の状態なのに、pingの値が20倍以上ばらつく。
13. もう一回再起動すると、
最初のうちは
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=64
わずか数分で、
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time=343ms TTL=64
と荒れだす。
ファンが回転しないのもおかしいですし、
熱ダレの影響でどこかが、既にやられているようです、このPC。
分解してファンのコネクタが刺さっているかだけでも確認しようにも、
裏蓋に特殊なネジ(五角形)が使用されてて、手持ちのドライバーでは手が出せず。
断念。
お客様には、pingの値の意味を説明し、
このPCの状態を納得してもらいました。
「仮に富士通に修理に出しても、基盤交換と言われると思いますので、
20万以上したノートPCの基盤交換は、トータルで7~9万かかるはずです。」
「分解してファンが回るように修理すれば熱暴走は改善されるでしょうが、
ネットワーク以外は正常に動作しているので、全て熱暴走だけが原因とも思えません。
2基ある、PCIバスも両方が不安定なようですし、
一般的に言って、一度ハードウェア的に不安定になったら、
その後は、時間と共に壊滅的な状態につきすすむものなので、見込みは薄いです」
なんだか歯切れが悪いなっと。