おとなりカフェ

「無償(ボランティア)」と「有償」の違いとは



今年はボランティアするぞ!という方に出会ったので、あらためて。

市民活動においては、一人のボランティアといえども立派な活動の担い手です。
ボランティアは、誇り高く、しかし謙虚に、組織や代表のためではなく、自分は○○のためにこの仕事をしている、ということを明確にすることが大切だと思います。

組織に所属しながらも、さわやかに気持ちよく仕事をしているボランティアのいる組織は、思いがけない相乗・波及効果を生んでいく原動力になります。
ですから、ボランティアをしたいと思った時には、その組織の理念が自分の目指す「よき社会」に合致しているかどうかを見極める必要があります。

なぜなら、NPO法人という枠組み一つとっても、「よき社会」の概念は、実は組織ごとにずいぶんと違うものです。市民活動=すべて善、でもありません。

ボランティアとは、「自分が○○したい」という自発性にもとづいた無償行為です。「できること」「したいこと」を組織の担当者に伝え、コーディネートしてもらうことが大切です。

その組織全体も、代表も、担当者も、ボランティアには有償活動と同等かそれ以上の「報酬」を持ち帰っていただくことを意識しなければなりませんし、単に作業をしていただくなら、ボランティアを受け入れることはできないというくらいの覚悟が必要なほどです。

ボランティア活動は、有償活動と同等かそれ以上の「価値」を受け取れなければなりませんし、どちらもHappyな双方向のものなのです。決して一方向の奉仕活動ではありません。

いっぽう、NPOでの有償活動とは、主に組織から求められる仕事をし、対価を受け取るものです。
「自分が○○したい」というボランティアに似たマインドベースをもちつつも、組織の仕事(義務)を引き受けていかなければなりません。対価は一般的賃金よりも低い場合がありますが(最低賃金は決して下回らず)、しかし、自分自身にとって、一般的な水準の賃金との差を埋めるだけの「報酬(価値、やりがい、他)」を見つけ出せるものであれば、そこに継続性が生まれてきます。組織にとっても大事な人材として育つはずです。

つまり、「有償」と「ボランティア」を複合語にしてしまうと、時に、最低賃金以下の安上がりの人材として便利に解釈される場合もまだあり、社会にいい循環を生むことはありません。

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