国土交通省 設楽ダム工事事務所 設楽ダムの効果
洪水時の水量を調節して、河道の整備と併せて豊川流域の洪水被害を軽減します。
台風や集中豪雨などの大雨は、河川の流量を急激に増大させるため、堤防の決壊や越水をまねきやすく、豊川流域ではこれまでも洪水の氾濫によって、大きな被害を幾度も被ってきました。
設楽ダムは大量の雨が一度に豊川に流れ出さないよう洪水を調節する役割を持っており、基準地点である石田での計画流量7,100m³/sを1,000m³/s減らすことができます。この流量は、河川の水位でいえば、最大で約1m水位を下げることになります。
もし、戦後最大洪水がきたら
戦後最大の洪水量を記録した昭和44年8月の洪水(30年に1回の確率)がきたとしても、設楽ダムと下流の河道改修の効果をあわせて、決壊などの大きな被害を防止し、霞堤地区の被害を軽減します。 |
さらに、150年に1回の大洪水がきたら
150年に1回発生する大洪水(7,100m³/s )に対しても被害を軽減します。 |
●ダム地点では
|
●ダム地点では
|
ダム地点で、最大約790m³/sの洪水調節を行います。 |
ダム地点で最大約1,250m³/sの洪水調節を行います。 |
●基準地点石田地点では
|
●基準地点石田地点では
|
下流の基準地点の石田では、約550m³/s(約60cm水位を下げる)効果があります。 |
下流の基準地点の石田では、約1,000m³/s (約1m水位を下げる)効果があります。 |
設楽ダムを新たな水源として、東三河地域の各地に新たな水道水や農業用水を供給します。
私たちの豊かな暮らしを支えるために、そして産業の発展のために、水は欠かすことのできない大切な資源です。これまで東三河地域では、豊川から主に豊川用水を通じて水が供給されてきましたが、近年のたび重なる水不足により、新たな水資源の開発が必要となっていました。そのために、大島ダムの建設が行われ、現在も豊川用水の複線化などが取り組まれています。
設楽ダムができると、貯水池の水を新たな水源として、東三河地域における水道用水と農業用水のあわせて約0.5m³/sの水量が新たに利用できるようになります。0.5m³/sの水量とは、一般的な小学校の25mプールを約10分で一杯にすることができる量です。
なお、水資源の開発にあたっては、効率的な水利用を図るために設楽ダムと豊川総合用水施設等の利水施設による総合的運用を行います。
農業用水として
露地野菜の栽培やハウスでの施設園芸が盛んな東三河地域において、農地約18,000haへの農業用水を安定して取水できるようになります。 |
畑に散水される農業用水
|
工業用水として
豊橋港を中心とした東三河地域には、製鋼や食料品、輸送機械関連の企業が盛んに進出しており、豊川用水の原水は浄水場で工業用水用に処理された後、約80の事業所に供給されています。 |
発展する臨海工業地帯
|
水道用水として
豊橋市をはじめとする豊川用水の給水人口は、約76万人。浄水場で飲み水として処理された後、各家庭に供給されます。 |
台所で使われる水道用水
|
渇水時にも、 豊川に一定量の水が流れるようになります。
豊川流域では、毎年のように渇水が起こっており、川を流れる水量が少なくなっています。
川に一定量の水が流れるということは、とても大切なことで、それにより、水の流れを清潔に維持し、安定して川から取水することができます。また、川や周辺の生態系を保全するためにも、一定の水量が必要なことは言うまでもありません。さらに、美しい景観を守ったり、さまざまな河川の利用を可能にしたり、塩害の防止にも役立ちます。
設楽ダムは、雨が降った時に貯めておいた水を使って、10年に1度くらいの割合でおこる渇水時にも豊川に一定量の水を流すことができるように計画しています。
■川の流れを清潔に保ち、豊かな自然環境、景観を守ります
清流が復活すれば(大野頭首工下流)
|
|
■塩害を防ぎます
|