イタリアのおばちゃんとオット´s 日記

イタリアのおばちゃんが語る、ローマでの平々凡々な人生&オットの腎移植体験記と透析生活回想録

長ーい、長ーーい、長ーーーい

2008-07-07 15:38:34 | 親のこと
1週間が過ぎた
先々週の土曜日、朝早く、オットとむすこが他の3組の離婚親子とプーリア州にバカンスに旅立ってから・・・
最初の2日間は結構平穏無事にバァさんとのお気楽2人暮らしを楽しんでたが
月曜日、、、バァさんのガン定期治療前日で恒例の血液検査をしに朝早くから病院へ・・・
6時半頃家をスタートした(タクシー運転手の甥っ子が夜勤明けに迎えに来てくれた)お蔭でとっても早く済み、8時過ぎには帰宅できた
お出かけすると必ず疲れるようになったバァさんは、すぐにベッドで休息中、、、私は自室で自分の用事をひたすらこなしていたら、、、トイレから‘ブクッブクッ’ ‘ブクッブクッ’っとなにやら不吉な音 覘いてみると便器の中で気泡がたってる?
2~3度そんな音がした挙句は、いや~な予感がしたんで上階のトンカントンカン工事してるオジサン達に言いつけに行った が、、、僕達のせいじゃない!!っと言い切って相手にしてくれないので、その場は簡単に諦めて家に戻った
買い物して、お昼ご飯作って、食べて、後片付けの皿洗いしてると・・・さっきと同じ‘ブクッブクッ’ ‘ブクッブクッ’って音が聞こえる見に行くとやっぱりさっきと同じように便器の中で気泡がたってる!
これはやばい・・・
と肌で感じた私は、皿洗いをそそくさと済ませて、我が家の家工事に来てくれてた水道屋のジーノに電話し成り行きを説明し『来てぇぇぇ』と頼んだ
“あんたんちからは遠い所にいるから今すぐには行けん”“とりあえず、サヴェリオに様子を見に来てくれんか頼んでみろ”
・・・と言うんで、言われたとおり大工の棟梁のサヴェリオに電話して『助けてぇぇぇ』と言おうとした瞬間、廊下に出て台所の入り口附近まで水浸し(シャワー室の排水口から下水が逆流して溢れ出てる)になってるのを見つけ『ヒェェェ』
ところが、サヴェリオ曰く“ワシが行った所で【へ】の役にもたたん、ワシで解決できるくらいだったらジーノとは手を組んどらん”と“今日のところは、どうにも予定はたたんから今晩、明日のアポについて電話する”と冷たく見放された
泣きっ面になりながら、洪水を縄文時代式方法(雑巾・ぼろ布に水をしみ込ませバケツに絞る)で廊下・バァさんのトイレ・シャワー室を掃除し、、、そこで起きて来たバァさんに『今から、すべての排水口に一切水は流しちゃダメ、おしっこしたらそのままにして拭いた紙はスーパーの袋に捨てることにしよう』・・・と流浪の民生活が始まった
バァさんが便秘症でよかったーーー
火曜日、、、バァさんのガン定期治療当日でその日も朝早くから病院へ・・・
この日も、いつもよりは随分早く治療は終わり、お昼前には帰宅できた
2人とも、病院のトイレを最期の瞬間まで有効に利用したことはいうまでもない
お昼ごはんを食べ、バァさんはその日もすぐにベッドに直行(その方が私にとっても都合がよかったけど・・・)ところが、すぐに起きだして来て『うんちがしたい・・・』という したいもんはしょうがない するしかない  トイレに送り込み成り行きを窺ってたらトイレから私を呼ぶ声、、、おそるおそる
『出た?』
“いいや、やっぱり出んかった”
“でも、、、これ・・・”
バァさんの指差した先=床を見るとバァさんのトイレが再び洪水
その洪水の掃除をやっと済ませた所に、、、ジーノとサヴェリオがイタリア人には珍しく時間通りにやって来た
... 悪戦苦闘の甲斐あって、約2時間後に我が家のトイレは完璧に蘇った
火曜日の洪水の原因とこの2日間の悪夢の根源については、バァさんの名誉毀損となる疑惑の為ブログへの記載は控えることに、、、
しかしこの《事件》がよっぽど怖ろしかったとみえて、バァさんはいきなりボケてしまった  ただ、悪夢の根源を作ったのも彼女であるから、、、時間的に不思議が残るのではあるが・・・
時間つぶしに、お野菜の下ごしらえやらアイロンがけやらしてもらっても、結局はあとで自分でやり直さなきゃいけない始末
目が醒める度に、“ジャンクロード(オットの呼び名)は帰って来た?”って何度「帰って来るのは今度の土曜日だ」と言っても繰り返す
眠る度に時間の感覚が失われるらしく、夜中の12時に起き出してシャッターを上げ“今日は天気が悪い、朝食しよう”と言ってみたり、昼ごはんができたから起こしに行くと“さっき(朝食)晩ご飯しっかり食べたから何も要らない”と言ってみたり
《事件》解決の際『もう、拭いた紙をスーパーの袋に捨てなくてもいいよ』と告げたにも拘らず、トイレの度に“どうしよう???”と恐れおののいてる
・・・かと思えば、起きてしばらく話をしてると、昔話が出てくる出てくる、しかもよ~く細かいことまで覚えてる
お年寄りの症状は万国共通なのだ
心配症のオットを持った私の更なる災難は、《事件》を知ったオットが“明日一番のブリンディシ→ローマの飛行機を手配してチェックインカウンターでチケットがもらえるよう用意しろ”と言い出す
『あんたが帰って来た所でサヴェリオの【へ】の100分の1の役にもたたん上に、あんたに帰って来られると余計な世話が増えるだけだから、後生だからそこでじっとしてて』とやっとのことで説き伏せた
私は、持って生まれた才能なのか・・・善きにつけ悪しきにつけ順応性に相当優れている 月曜日の晩、日が暮れてからテラスの唯一排水できた地べたの排水口に向かって、歯磨き・洗顔・ビデ・足荒いをこなした私、、、
オットにはできない業なのだ

その後、オット愛用の最後のひとつだったコーヒーグラスおちょこを落として割ってしまったのも、自分の家に居る時用のブサイク眼鏡も落としてレンズが割れてしまったのも、ほんの些細な出来事にしかすぎず、これからは、更に強く逞しく生きていける自身と希望を蓄えたバァさんと2人暮らしの長ーい、長ーーい、長ーーーい1週間だった

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おおおお・・・・ (ふるべ)
2008-07-07 22:36:45
なかなか更新がないので心配したよ。
こんなことになってたなんて・・・・

でもまぁ君は昔からかわってないようだね
それがうれしいなぁ
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便りがないのは元気な証拠・・・ (イタリアのおばちゃん)
2008-07-08 16:02:09
ふるべ先輩
っていうけれど、
必ずしも元気で暇にしてる・・・って訳じゃないですね
長編大作だったんで、2・3度途中で挫折して・・・というか、途中書きしてホッポラカしで他の用事したりしていざ投稿段階になったら全部トンじゃったりして・・・
を繰り返してたので、発表が遅くなりました。。。
メールも頂いてたのに、返信できずにごめんなさい
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明日の我が身 (ちゃあちゃん)
2008-07-08 16:59:27
すごい日記です。一気に読んでしまいました。
私では勤まらないだろうなー・・・。
いつかは、私にも順番が回ってくると思うので
心の準備は必要かな。息抜きしたいときはいつでも
お声掛けくださいね。おしゃべりしましょう!!!
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予定は未定 (イタリアのおばちゃん)
2008-07-08 21:33:32
ちゃあちゃん
予定通りにならないのが人生、ましてやイタリアだから・・・
クラ様は女姉妹はいないの?
イタリアの常識は娘が親の老後を看る・・・らしいよ
だから、私も大舟に載ってたんだけど・・・
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長い間 (francois)
2008-07-09 10:55:48
書き込みが無いから、心配したよ。
実家に電話しようかと思った。

なかなか大変だったな。おばあちゃんいくつだっけ?
えらいね~、君はw

旦那、チケットの手配しろって...。をいをい、だめだろそりゃあ。
でも、への役にも立たないと言われた旦那もちょっとかわいそうかw

なんにしても一週間ご苦労様でした。
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来年は、、、 (イタリアのおばちゃん)
2008-07-09 15:12:56
フランソワ
今回を教訓にして、、、早目に飛行機のチケット探せば安く見つかることが判りました。。。
って、来年はバァさんがいないことを既に前提としてる残酷な嫁
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