misty green and blue

Life is like an onion...

Black or Blue

2017-04-24 | cinema


  誰だって何か背負った上で必死に生きてて
  迷っても悩んでも
  変わることはないから
  こうやって最後まで叫び続けるの

マイファスのBlack Railを耳にした時に、ふと脳裏を掠めたのが昨日観たこの映画だった

マイアミを舞台に自分の居場所とアイデンティティを模索する少年の成長を、少年期、青年期、成人期の3つの時代構成で描くヒューマンドラマ、映画『MOONLIGHT / ムーンライト』

マイアミの貧困地域で暮らす内気な少年シャロンは、学校では「リトル」と呼ばれていじめられ、家庭では麻薬常習者の母親ポーラから育児放棄されていた
そんなシャロンを何かと気にかけてくれる近所に住む麻薬ディーラーのフアン夫妻に次第に心を開いていく
ある日、海で泳ぎを教えてくれたフアンから“自分の道は自分で決めろよ 周りに決めさせるな”とアドバイスを受けたシャロンは、彼を父親のように感じ始める
自分の居場所のないシャロンにとってフアンと唯一の友人・ケヴィンだけが心の支えだった
高校へ進学しても相変わらず苛められ続け、母親も薬物依存となり、ヤク代を捻出するため売春婦として働いていた
行き場のないシャロンが赴く先は、今は亡きフアンの家 ― 彼の妻テレサの処だった
“うちのルールは愛と自信を持つこと”と温かく励まされ、束の間の母性を噛み締めるシャロン
やがてケヴィンに対して友達以上の想いを抱くようになる自分に気付き、密かに胸に秘めていたシャロンだったが、同級生に酷く罵られたことで大きな痛手を被った彼は、月明かりが輝く夜の浜辺に向かった
程なくして現れたケヴィンに驚きつつも、ふたりは思い思いの人生の野望を語り合う
“月の光の下で、黒人少年は美しいブルーに輝く”―幼い日に海岸で戯れていたケヴィン少年にかけられた老女の言葉に、ふとシャロンは心が動く
そしてまるで示し合わせたかのようにふたりの想いが重なり合う―
翌日、不本意な傷害事件に巻き込まれたことがきっかけで少年院送りとなったシャロンは、その後アトランタに移り住み、薬物の売人として暮らしていた
かつてのか細くひ弱な少年の面影はなく、筋骨隆々の逞しい風貌に様変わりした「ブラック」ことシャロンは、心身に鎧を纏っていた
ある夜、突然ケヴィンからの連絡を受ける 彼は今仮出所中ながら、料理の腕を見込まれ、料理人としてレストランで働いているという 当時の傷害事件の引き金となった自身の誤った行動を詫び、是非食べに来てほしいと乞うのだった
突然の誘いに動揺を隠せないシャロンだったが、後日気もそぞろのままマイアミに向かう
ぎこちないふたりの再会― そんなギクシャクした雰囲気を一変させたのは、ジュークボックスから流れてきた、再会を喜ぶ“Hello Stranger”だった.....


貧困生活、校内暴力、育児放棄、麻薬中毒、LGBTなど人間社会が抱える様々な問題を内包しながらも、観終わった後に何とも言えない感動で心が満たされていた....
それは、主人公シャロンの直向きな心 ― 自分の気持ちを素直に表現する勇気に心が揺さぶられるからだろう

生きていく上で、誰しも大なり小なり困難はある
その困難をもがき苦しみながらも恐れずに立ち向かっていこうとする、その果敢な行為にいつしか自分自身を重ねて、勇気づけられるのだろう

恐れない心
偽りのない心

自分らしく輝ける人生を生きるために―

Black Rail / My First Story
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿