不思議の国のアリス
170に及ぶ言語に翻訳され、発行部数一億を超える世界的ベストセラー、イギリスの作家 Lewis Carrollの児童小説
私がその名を知ったのは遅く、成人後のことだった
イギリスの挿絵画家 Arthur Rackhamが描く、トランプたちが一斉に舞い上がってアリスに飛びかかる、「第11章 誰がタルトを盗んだ?」の裁判における一場面である
繊細にして優美な作風ながら躍動感のある一瞬を捉えた、その挿絵は当時20代半ばだった私に、強烈な印象を残した
去る21日、時を経て思わぬ形で、“再会”の時が訪れた
そごう美術館で開催中の『不思議の国のアリス展』― アリスの魅力を余すところなく紹介すべく、原作者Lewis Carrollの自筆スケッチや国内外のアーティストの初公開作品を含む約200点が一堂に会する展示会でのことだった
様々なジャンルのアーティストたちの創作意欲を刺激し、影響を与え、作品として残されていたことの事実にまず、驚かされた
第1章~第3章に分けて、時空を超えた‘アイドル的存在’アリスを展観する本展で、最も興味を惹かれたのは、「第3章:アートの国 ― 世界が愛する永遠のアリス」だった
件のArthur Rackhamに留まらず、Salvador Dalí、Marie Laurencin、Tove Jansson、清川あさみ、清水真理らが創り出す、独自性に富む多種多様のアリスに、知らず知らず魅了されていた
とりわけ清水真理の妖しい魅力を秘めた球体人形 アリスが、印象的だった
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます