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ブック・ライフ・カフェ 

~TOKYO・ヨコハマのカフェめぐり~ 私が出会った幸せスイーツなひととき報告&時々読んだ本の紹介をします☆

本の紹介。まずは本棚の中から

2007年01月11日 21時21分31秒 | BOOK
ブログタイトルに本を掲げておきながら、
本に関する日記の少ないやつです。
ま、題名は思いついた好きな言葉を並べただけなので
そもそもあんまり意図したものがないんですけど。

本を読むのは好きです。

去年もぽつぽつ読んだけど、
ここに載せる前に印象が薄れてしまったりで結果掲載されず。

今年は読んだらできるだけ、載せていってみようかなと思う。
うまくまとまってなかったらまぁご愛嬌で。

まずはうちの本棚にあるお気に入りの本でも紹介してみよう。


『きょうも、いいネコに出会えた』 岩合光昭(新潮文庫)
動物写真家で猫好きでいらっしゃる岩合氏が
日本全国津々浦々で巡り会った猫たちを紹介する写真集。
猫たちのユーモラスな姿がぎゅっと詰まってます。

猫たちをじっくり見るのもいいけど、
背景の街なんかに注目してみると旅に出たくなる。
ただパラパラと見るもよし、岩合さんの説明をまったり読むもよし。

そんな一冊です。

夜のピクニック

2006年12月11日 19時13分31秒 | BOOK
恩田陸著『夜のピクニック』が新潮文庫になって出てたので、
通勤時間のお供にと思って買いました。

高校3年生の最後の行事、歩行祭。
それは夜を徹して一日中ただひたすら歩くというイベントだ。
甲田貴子はある賭けを胸に秘めてこの日を迎えることになる…。

恩田陸さんは『六番目の小夜子』からずっと好きな作家です。
『夜のピクニック』のような青春モノ、
『木曜組曲』のようなミステリー、
そして『ライオンハート』のような恋愛小説、
とにかく書くジャンルの幅が広い人だと思う。魅力的な人だ。


「みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。
 どうして、それだけのことが、こんなに特別なんだろうね。」

導入部後も、何度か似たようなフレーズで出てくる杏奈のこの言葉。
私には杏奈の気持ちが良く分かった。
だって夜を徹してのピクニック、私もやったことがあるから。


それは大学4年の夏、
遅めの初内定を今勤めている会社からもらった数日後のこと。
八景島辺りから日の出昇る江ノ島を目指して夜通し歩いた。
学生のうちにやっておきたいと思ってのことだったけど、
体育会系でもないのに無謀な計画をよく実行したものだと思う。
けど、結果的には馬鹿みたいだけどよく頑張ったなぁって勲章モノな思い出のひとつだったりする。
夜ただ歩く、それはとても特別だった。
手前みそだけど、ホント面白い冒険だった。
大げさに言うならば、非日常の空間で起きるドラマの数々。
きっと武勇伝ソングに乗せられる気がする・・・(笑)

貴子達のように、体の痛みと長時間戦いながらゴールの江ノ島を目指した。
途中、夜の鎌倉を歩いてみたいと思って海沿いから内陸に進路を取ってったら、
どんどん坂道になって、終いには墓地とトンネルっていうめちゃくちゃ怖いスポットに着いてしまったりしたし。

そういえば、源頼朝は敵に簡単に攻め込まれないように、
山と海に囲まれた鎌倉に幕府を開いたんだっけか…。

そんな歴史の知識を思い出したところで、
オレンジ色の外灯で闇に浮かぶ、異空間みたいなトンネルを通る勇気は湧かなくて、
だからといって、今来た道を帰る気力も湧かなくて途方に暮れた。
でも、へこたれてたらパトロール中のおまわりさんに偶然会えて、
迂回の道を教えてもらおうと事情を話すと、
「そういうの面白いじゃないか」と賛同してくれて
逗子駅までパトカーに乗せてってくれて旅を続けることができたり。
(そんな警官がいるから治安が良くならないんだなんて言わないで下さい!とっても助かったんですから。(^^;)


長い道のりで記憶に残ってるいくつもの瞬間。
海沿いの道に出てからは真っ暗な海を横目に、
話すことも尽きたから歌を歌って過ごしたこと。
国道134号線沿いに江ノ電の線路が見える七里ガ浜エリアに入ると、
眠らない海の家で音楽を聴きながら若者達が夏の夜を楽しんでいたこと。
コンビニ前の浜辺で打ち上げ花火してるのを休憩しながら眺めたこと。
星を見上げたこと。
潮風を感じたこと。
夜明けの少し前、江ノ島の灯台の光が見えて嬉しくてハイテンションになったこと。
東の空から少しずつ夜から朝に変わっていったこと。
そして、道はどこまでも続いていたということ。

今はもう、いい加減な頭の海馬は楽しい場面しか記憶してないけど、
体の方はひどい疲労感と筋肉痛にうなされたことをなんとなく覚えてるから、
もういちどやろうと誘われてもきっと拒否するだろうなぁ。
付き合って歩いてくれた相棒には感謝しなくては・・・☆

真夜中の号泣。

2006年07月20日 21時28分23秒 | BOOK
きのうは図書館で借りてた本の貸出し期間が過ぎたとの連絡が留守電に入ってて、
慌てて読み切ることにしました。
さて、借りていたものは何かというと、
リリーフランキーさんの『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』です。

感想・・・とりあえず大泣きでした。
どれくらい大泣きだったかは、次の日、目が腫れてブチャイク顔な私に会った人全員が証言してくださることでしょう(苦笑)

これってラストはお母さんとお別れする話なんですね。
本屋さんとかであんなに大々的に「感動します」とか言われてるのに、
全然気にとめてなかったのでどんな話か知らなかった私・・・。

最初は幼少時代の思い出など綴ってあって楽しく読めてたんですよ。
それが、後半の闘病生活に差し掛かってきて・・・。それが夜の10時くらい?
このまま読むと、ぜったい「お涙頂戴」な結末だよねぇ・・・。という事態であることに気付く。

私、この手の家族モノで誰かが死んじゃうって話にすごく弱くて涙腺がゆるむんです。
しかも泣いたまま寝てしまうと次の日は目が腫れてめっちゃブサイク顔になるんですよ。
だからといってここで読むのをやめるのは消化不良で寝れなさそう・・・。うーん・・・。

11時ごろ、まだ数十ページ残ってるくらいでつねさんから電話がかかってきた時にはすでに鼻詰まり声な私。
結局読みきって、真夜中ひとり号泣した夏の日でした。


母というただでさえ大きな存在を、今まで受けてきた愛情と感謝の気持ちで
「これでもかぁ!」と言わんばかりにクローズアップしてる作品でした。

ナルト

2006年07月11日 20時20分12秒 | BOOK
最近読んでるマンガ。

それは「NARUTO」。
今さらですが、1巻からさくさく読んでってます。
いかにも少年ジャンプの漫画って感じで面白いっス♪
影響されやすいタチなので「~だってばよ」ってすぐ使いたくなる今日この頃←アホです(笑)

海外でもけっこう人気みたいですね☆
個人的に小さい頃の忍者モノといえば「タートルズ」が好きだったなぁ

ビタミンF

2006年06月27日 18時07分01秒 | BOOK
今日は通勤中に重松清の「ビタミンF」を読みました。
7話からなる短編集です。

主役はみんな、30代~40代の父親という役割を持っている人達。
息子とどんな話をしていいものか悩む人、
イジメにあう娘とどう向き合うか考える人、
熟年離婚をした両親に対して思いを巡らす人。

「ビタミンF」の「F」は「Father、Family」の「F」なんだろうとすぐ解釈できたけど、
「Fiction」の意味も含まれていたとは奥が深いです。

炭水化物やタンパク質やカルシウムのような小説があるのなら、ひとの心にビタミンのようにはたらく小説があったっていい。そんな思いを込めて、七つの短いストーリーを紡いでいった。Family、Father、Friend、Fight、Fragile、Fortune…〈F〉で始まるさまざまな言葉を、個々の作品のキーワードとして埋め込んでいったつもりだ。そのうえで、けっきょくはFiction、乱暴に意訳するなら「お話」の、その力をぼく(著者)は信じていた。(あとがきより)

お話の中でも感じたんだけど、この作家さんの言葉の使い方・選び方がとても上手い。
なんていうか読んでいて、読みやすい分かりやすい。
うまく言えないけど、言葉が意味にぴったり合致してて、実感として染み込みやすい感じ。

きっと同世代の人はこれを読むと心に「ビタミン」をしっかり摂取できるんじゃないかな。
個人的には今まであまり父親が主役の小説って読んでこなかったこともあって、
感覚の新分野を手にした感じが強いです。

父親っていう境遇はどこか遠い存在で。いつも対岸にいる人というか。
男に生まれなかったから将来的に自分が父親になることはないし。
(ま、シングルマザーになって父親役になることはあるかもしれないけどさ)
だから父親が考えていることって想像して推し量ることできるけど、
共感したりする機会って母親に対してと比べると断然少ない気がするのね。

それがこの本の中に出てくるお父さん達の日常を読んだら、
なんていうか父親っていうものが共感できる対象になった気がしたんです。

東京駅に着いて構内を見渡すと、スーツ姿のたくさんのお父さん達がいて。
無言で無表情でせかせかと歩く人の波は、
いつもは通勤経路の景色でしかないんだけど、
今日見たらひとりひとりに家族がいて、ひとりひとりにドラマがあるんだよなぁって
そう考えたらいつもとはちょっと違う景色に見えたんです。

これが、重松さんのいうフィクションの力なのかも☆

東京タワー

2006年06月07日 23時58分33秒 | BOOK
つい最近、発見したこと。
会社の最上階から、東京タワーの上半分が見えるんです。
窓から見える景色のずいぶん端っこだったので、
あら、そんなとこにいたのだねって感じでした。

そうそう、江國香織の東京タワーを読みました。
映画になったくらいだし、
という理由から知らず知らずのうちに期待してしまってたのか、
本の感想はというとあんまり…でした。
たぶん個人的に透みたいな人は好みじゃないんだろうなぁ

間宮兄弟の方はどうなんだろう…??

今度はリリー・フランキーさんの東京タワーを読んでみようかな☆

ガール

2006年05月15日 21時48分29秒 | BOOK
あともう少ししたらブログ開設から半年になります。
更新が滞りがちになってきましたね…。

日常の惰性に
だくだくと流されがちなワタクシ、齢23歳です。

精神年齢的には数年前からなんの変わりもない感じだけど、
会社勤め2年目、スーツ姿ばかりな環境にもすっかり慣れてしまいました。

さて。
このまま過ごせば身近に見えてくるだろう未来が、この本の中にあるのかもしれない…。
そう思わせるストーリーが詰まった『ガール』を先日読んだのでご紹介します。

主人公達はみんな、30歳OL働き盛り。
OLという日々を、
約10年過ごした人達がぶつかる日常のひきこもごも。
悩みとは若さゆえのもので、
大人になってゆけば解消されるものかと思ってたけど、
歳を重ねたからこそ出てくる悩みもある。
女性はそれが特に多いんじゃないかなぁ。

きっと同じ30代ならばより「あるあるっ!」って共感できる話ばかりなこと受けあいでしょう。

奥田英朗さんの小説って、
主人公がいろんな感情の紆余曲折を経て、
前向きな気持ちになったとこで締め括られる話が多い。
そんな最後まで付き合うとスッキリした読後感が待ってるとこが好きだったりする。

椿姫。

2006年05月11日 23時01分42秒 | BOOK
ちょっと古典に触れたいと思って読んでみました。
「椿姫」。
娼婦でありながらも気高いプライドを持って生きる女性マルグリット。
毎日派手な生活を送る彼女に恋をしてしまった貧乏貴族の青年アルマン。
彼女はその青年の一途な想いに心を動かされて恋におちるのだけど、
その人を愛するがゆえに、最後は別れを選ぶという結末の物語です。

お互いを好きだから起きてしまう心のすれちがい。
相手の自分を想うがゆえの言動に傷ついて、
逆に相手を想えば想うほど傷つけてしまうのはなんでなのかなぁ。

自分の置かれた状況をしっかりと見定め、
愛する人の幸せを一番に考えて別れを決断した強い意志と、
病床で愛する人のそばにいられない悲しみに
最期までうちひしがれるマルグリットの姿が心に残ります。

ちいさなちいさな王様

2006年04月03日 23時08分45秒 | BOOK
「ちいさなちいさな王様」
中学生の時に読んだ本。
私を「アメリ」に出会わせた本。

アクセル・ハッケが紡ぎだす、グミベア-をかかえて食べるくらいの大きさの王様と、
ただのサラリーマンである「僕」のちょっとシュールで哲学的な会話。

成長すると小さくなっていくというへんちくりんな王様のいる世界を
リアルにユーモアに、少し抑えた色調でミヒャエル・ゾーヴァが描く。

このゾーヴァ氏の絵がなんとも魅力的で好き。
アメリを観ようと思ったのも、彼女の部屋にゾーヴァ氏が描いた犬とガチョウがいたから。

図書館に行くと児童書扱いで本棚にしまわれるけど、
書店ではときどき大人向け児童書をいうジャンルで並べてくれていたりする。

初めてこの本を手に取ったのはちょうど10年前。
坂の上の中学校で、英語を勉強し始め、部活部活の毎日を送っていた頃のこと。
気がついたら、私は「僕」にどんどん近づいてる。
私の中の小さい王様は、まだ目に見えるくらいの大きさだろうか?
ふと、そんなことを考えてしまうのでした。

どんな内容の本かもっと知りたい方はこちらのブログを訪ねてみてください。
とても素敵に本の良さを紹介してくれています。

いまごろ電車男キタ―( ゜∀゜)―! !

2006年03月20日 22時19分16秒 | BOOK
読んでみました。電車男。
映画もドラマも終わってすごい乗り遅れてますけど。

内容はハッピーエンドの純愛(?)ストーリーでしたね
最初は香具師って何さって感じだったけど(笑)
最後のたくさんの祝福スレはなかなか見ごたえありました

ドラマとか全然見てなかったので、
エルメスの名前の由来をやっとこさ知りましたよ。


ところで最近、私のまわりで恋の話題が豊富なの♪
そのおかげで今年はいっそう春めきそう☆
みんなのいろんな体験聞くのってすっごく面白いんだよね。
(これって井戸端会議好きおばちゃんの道まっしぐら? )


恋ってやっぱ楽しいよねーって思う今日この頃なのです

英語ができない私をせめないで!

2006年02月19日 13時42分11秒 | BOOK
「英語ができない私をせめないで!」を図書館で借りて読む。

著者は「ダーリンは外国人」でおなじみの小栗左多里さん。
(この方「コーラス」でデビューした漫画家さんだったんですね)
日本の英語学習ビジネスっていろいろあるんだなーという認識ができ、
いろいろよく試したなぁと感心する本です

うちはすんごい昔に父が買ったと思われる古い英語教材が本棚に眠ってたり、
ドリッピーがCDラックにあったりして(これは姉が買ったんだけど)、
英語を習得しようとした形跡がある家です。
私も友達と一緒に1年だけNOVAに通ってみた経験があります。
(なので無駄にNOVAウサギを持っている(苦笑))
だけどその割には上達しておらず。。。

そんな私だからこの本は「ダーリン・・・」とは違ってけっこう共感する本でした☆


例えば紹介されている5万円のマジックリスニングとかってさ、
要は本人のやる気があってこそ5万払う価値があるものというか。
でもむしろ、本人のやる気さえ強くあれば、
5万円もする教材を買わなくてもそれ以上の価値のある勉強できるんだよね。きっと。
いろいろ試した挙句の果てにたどり着いた小栗さんの勉強法が、

「ラジオ・壁張り・英文をたくさん読む」

だっていうのはそういうことなんだろうと思ったよ。うん。
この「英語ができない・・・」で心に残った部分は、

「悪魔の姿は見えない。(己だからだ!!)」

んーたしかに。すぐ惰性に走る私にゃ身にしみる言葉です


ちなみに以前「ダーリンは・・・」を本屋で立ち読みして、(←すみません立ち読みで。)
それで心に残ったトニーの名言をご紹介します




「抜かれるなら、度肝だよね」



最近R25読んでますか?

2006年02月10日 23時37分26秒 | BOOK
私は最近読んでいませんが、今日偶然にも電車で読んでいる人と隣になって、
ちらりと見た時に「こち亀から出た発明品」って見出しが印象に残ったので。

ところで、そのR25に連載エッセイを書いている、石田衣良さん。
彼の作品『4TEEN』を先週あたりに読みました。

4人の少年という設定は「スタンドバイミー」みたいで。
それは男子4人組といっても、決して「花より男子」のF4ではなくて。
簡単にいうと男子中学生がちょっと危ないことに首を突っ込みつつ、
女の子に対する興味を持ちながら健全に(?)暮らしているお話でしょうか。

そういえば、話は少し逸れますが、
ある人の話で最近私が時代だなぁと感じたこと。
青少年のその手の雑誌はやっぱりベッドの下とかに隠してあるもの?と尋ねたら、
PCの中、という回答であったこと。
さすがハイテクな時代・・・(笑)
みなさん彼氏の部屋を探索する時はまずPCの電源をスイッチオン!
ま、パスワードがわかんなきゃ意味ないんですけど。

余談はさておき、この小説は8章で成り立っていて、
援助交際とか、家出少女とか、それぞれ現代的なテーマが取り上げられています。
ナオトの早老症という症状は詳しくは知らないけど、
早く年を取ってしまうのにそんな活発な行動がとれていいのかな
と思う点がいくつかあって、彼の特徴が活かされているような、ないような?でした。
とりあえずどの話も気負わず軽く読める作品です。
ブロンド女性が好きな方はジュンに感情移入できるかも

世界に入り込む必要がないので、通勤通学の移動中アイテムとして最適ですよ。



うたかた/サンクチュアリ

2006年02月07日 20時32分21秒 | BOOK
吉本ばななさんの『うたかた/サンクチュアリ』を読む。

うたかた、とは、水のあわ・はかなく消えやすい様子のこと。
主人公の人魚は、強烈なお父さんとお母さんの下に生れ、嵐に恋する。
生きていると沸き起こるだろう感覚を、日々の出来事から見つけているからなのか、
その存在はタイトルとは裏腹にしっかりしているように思えた。
生き生きとしてた。
でも物語の扉を閉めると、じんわりとした何かを残すだけで、彼女の世界は遠いところへ行ってしまう。
私の好きな「日常的なんだけどファンタジー色の濃い感じ」小説ですね。
(↑どうゆうジャンルやねんっ!て突っ込まれそうなネーミングですが★)

個人的には、
彼女がひとりで暮らす現実に直面した時の、
「それはなんとなく打ちひしがれるようないやな感じではあったが、確かに「未来」に続く感じだった。」
というフレーズが響いてきて秀逸だなと。

サンクチュアリもありそうでなさそうな日常的ファンタジーなお話。
こちらはこちらで、いい味だしてるなぁって思ったんだけど。
その読後感を味わっていたところに、「若気のいたり」と称した文庫版あとがきの冒頭、「正直な気持ち」を読むとええっ!て裏切りに似た驚きに会う。
でも読み進めていくとなるほど作家さんってこういう気持ちを抱くものなのかなぁって思うんですけど。

するする読めるし、シンプルな装丁でカフェのお供にも良いと思いますよ。

博士の愛した数式

2006年01月24日 22時46分25秒 | BOOK
映画はもう始まっているんですよね☆

小川洋子『博士の愛した数式』を読みました。

こんな風に数学の世界をひも解いてくれるお話があるとは
読み終わったあと、日常に溢れる数字が新鮮に感じられる!
ときどき、買い物した後のレシート合計金額が777円だったりすると、
意図したわけでもないのにその数字が打ち出される不思議さに驚いて嬉しくなったりしますけど(笑)

一時期、天文系の読み物や古代文明(マヤとか)を読んだりして、
教科書とは違う、数字が物語ってくれることはたくさんあるんだーって思ったことがありました。
(でも高2くらいからはもう数学とは遠ざかった世界に生きることに決めたのです。
 つまり、苦手分野の消去法ってやつで。)
それが改めて、数字にはもっと奥深い、
「世界の真理に近づくための道が隠されているだよ」
ってことを博士に教えてもらった感覚でリアルに残っているのです。
まぁ、感化されやすいものですからワタクシ

小川洋子さんの本を読むのはこれが2冊目。
初めて読んだのは『ホテル・アイリス』だったので、まったく違う趣きの作品に出会えて面白かったです。
『ホテル・アイリス』もそうですが、どこか孤独な老人を書くのが得意な方のようですね。