とりあえず、舞台美術について。
小川ちひろさんのデザイン。衣装デザインも小川ちひろさん。
舞台美術、ことに人形劇の舞台美術は、演出と直結している。人形・使い手の動くスペース、照明、舞台転換などからの制約も多く、パズルのように緻密な計算を要求されてしまう。もちろん、劇場の舞台の大きさや機構も、考慮しなければならない。
今回の公演では場面転換が多く、しかもスピーディーでなければならなかったが、透けて見える変形のパネル数個で、それを見事に実現していた。
ときにプロジェクターのスクリーンになり、ときに家、ジェットカー、水中、屋外と、配置を替えたり、縦横を替えたり、パネルの前後を使い分けたり、小さな具象的なモノを付け加えたりで、空間を自在に変形させていた。
色彩も抑え気味で、炎の色がよく映えた。
炎の材質もよく吟味されている。
「すべてが終わった」と思った瞬間に落ちてくる巨大な炎幕は、迫力があった。