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素晴らしき20代

文学部出身の社会人が書くエッセイ評論ブログ。

豪州見物記④

2007年08月17日 20時08分56秒 | 欧米事情
ひっさびさの豪州見物記の更新です。忘れていたわけではないのだが、なんとなくズルズル遅れてしまいました、すみません。


ケアンズの町

○ダンスホール
 ホテルのすぐ近くにはカジノがある。夜に知り合い同士で出かけたのだが、カジノの手前がダンスホールになっており、パーティが開かれていた。憧れの欧米式パーティ!バンドの生演奏で白人達がガンガン踊っている。これは参加するしかあるまい・・・・こんな機会は滅多にないからだ。
 なんとか群集に混じってハネてみた。バンドは結構知ってる曲もやってくれてノリやすいのだが、周りの身長がデカすぎる。うーん、黄色い猿が出しゃばってきたなんて思われてないか?隣で踊ってる白人が僕の被ってる帽子に手をおいて軽く押さえつけ、小さい子扱いして笑ってきた。ここは人種間も無礼講か??なぜか僕が日本から被ってきた白のリゾート風中折れ帽が気になるらしく、白人が触りたがる。
 知り合いは一向にダンスに加わってこない。冷めた目で、ハッチャけて踊ってる僕を遠くから眺めていた。いくら誘っても誰一人としてこちら側には来てくれなかったのであった。

○カジノ
 ダンスをやや煮え切らないまま切りあげ、カジノへと入る。まさにテレビで見るラスベガスみたいな雰囲気だ。ただしこのケアンズは主に日本人向け観光地なため、客が日本人ばかりなのが気になる。スロットコーナーとかパチンコ屋みたいな雰囲気なのだ。
 何よりどの種目も親(ディーラー?)が白人で客が日本人なのがいやな感じだ。搾取されてねえか?
 僕はといえばルーレットで赤黒の確率50%で賭けるのを繰り返す作戦に出たものの、さっぱり当たらない。確率2分の1のはずが、勝率は5分の1ぐらいであった。もちろんすぐに止め、他人の観戦に徹することにした。自分の勝負弱さは自覚している。
 カジノ観光を終えて他の人の話を聞くと、もちろん負け組みが多いわけだが、普段から勝負強い人あるいは会社内で気が強くて誰も逆らえない人のみが勝ち越していた。どうも運命の女神は、普段弱い者にきまぐれで微笑むということは無いようだ。

○モスマン渓谷
 ケアンズ郊外、モスマン渓谷での熱帯雨林探検ツアーに参加した。アーミーダックとかいう水陸両用車に乗って河に入ったりするのだが、パンフレットによるとその乗り物の燃費がリッター1kmほどらしい。馬力を出すためだろうが、もう少し改良しろよ、環境のために。

 ガイドさんが少々太めで、「森三中」とあだ名されていた。可哀そうだろ。
 熱帯雨林はすごい湿度で、常に地面が濡れている。シダ植物が多く、ひょろ長い幹で背の高い木が多い。そんな木の上の方で鳥がデカイ巣を作っていたりする。ジャングル観光で最も印象深いのが、ごく背の低い、地味な雑草「スティンキングツリー」だ。外見は普通の雑草風だが、葉っぱの表面に細かいトゲが生えており、これが凶悪なのだ。そのトゲに少しでも触れると腫れ上がって猛烈に痛み、それが6ヶ月も続くという。「絶対に触れないように、むしろ近づかないように。」とガイドさんが念を押す。
 第二次大戦中、ジャングルで戦っていた兵士が外で用を足した際、この葉でお尻を拭いてとんでもない事になった例があるという。それも何人も被害者が出たそうなのだ。この葉っぱの大きさがお尻を拭くのに丁度良いかららしい。想像するだけでゾッとする。
 ちなみに第二次大戦では日本とオーストラリアも交戦し、主にシンガポールで豪州兵と戦った。日本軍は大陸北部のダーウィンという街を空爆したり、日本から最も遠い位置にあるシドニーに潜水艇を送りこんだりしたらしい。遠征しすぎだろ日本軍。1対1で戦えば占領できたかもしれない。まあ石炭とボーキサイト(アルミニウムの原料)とカンガルーしか資源が無く、やたら広いので統治しても経済効果が悪そうだが。

 夜、星空を見に行くツアーがあったのだがその日は雲が多くて天候が悪く「星が見える確率は半々」とのこと。
 僕は満点の星空を見るのに憧れていたのでこのツアーに行こうかと思っていた。日本では街の明かりが強すぎて星が見えないからだ。しかし、もしも天候が悪くて星が見えなくともツアー代5000円は払わないといけない。
 結局、天気が悪そうだからパスしたのだが、明朝、参加した人に聞くと何箇所かバスで移動したため星空はよく見えたという。つくづく自分の「勝負弱さ」が残念だ。

(つづく) 

豪州見物記③

2006年10月14日 23時36分04秒 | 欧米事情
○キュランダ観光
 ケアンズ近くの観光地、キュランダ村へ行った。ロープウェイで山を越えて行く。キュランダの名物は歴史ある鉄道や熱帯雨林、珍しい青い蝶などだ。ロープウェイから見る雄大な眺めは、この大陸のデカさを感じさせた。ただ、青々とした山の風景は遠くから見ると地元の六甲山系とあまり変わらないような・・・。もちろん近づいて見たら植生が全然違うんだろうけど。ロープウェイに乗ってる時間がやたら長くて退屈だった。2、30分乗ってたかもしれない。こんな長いロープウェイは日本にはないだろう。


 キュランダ村は山の上にある小さな街だ。珍しい蝶を集めた展示館や土産物のマーケット、そして鉄道の駅がある。マーケットで買い物をしようとブラついたが、置いあるものに節操が無い。インディアンジュエリーみたいなのや星条旗のベルトのバックルとか、産地不明の織物とか。
 マカダミアナッツがオーストラリアの特産物なので、その殻で作った小さな人形はなかなか物欲をそそられた。お菓子のおまけかガチャポン程度の大きさ・クオリティなのだが、そのチープさが良い。シンプソンズを模したものまであった。ただ、かなり繊細な作りだったので持って帰る際、日本まで無事である保証がないのでやめておいた。
 もう一つ欲しかったのはカンガルーのキン○マ袋の皮で作った小物入れ(ポーチ)だ。約1000円。誰への土産にするか思いつかなかったのでやめたが、今では買っておけばよかったと後悔している。

 名物の鉄道に乗ってホテルのある市街地近くに帰る。ただ昔ながらの鉄道なので、速度が遅い。まあ眺めを楽しむには良い速さなのかもしれない。「世界の車窓から」っぽい速度だ。眺めがやや単調なのと振動が心地よいのとで結局かなり眠ってしまった。途中で停車する場所があって、観光名所の滝を他の客はみんな見に行ったらしいが、自分は寝ていた。どうせ滝っつっても神戸の布引の滝とそんな変わらないだろうと思うからどうでもいい。


○住宅と雇用事情
 列車からはケアンズ郊外の新興住宅地が見える。同じような形の家が、延々並んでいる住宅地だ。なぜかみな平屋で、屋根の色だけが違う。この頃はこの近辺の不動産がバブルらしく、住宅地がどんどん出来ているらしい。値段も安く、確か2、3000万円ぐらいでプール付きのドデカイ家が買えるらしい。段々と値段は上がってきているらしいが、日本とは比べ物にならない値段だ。さすが大陸国家、土地はただみたいなものなのだろう。


 ガイドのおじさんは20年前にケアンズに移住してきた日本人だ。ガイドの職業はなんと「日雇い」だという。月給ではなく日給、つまりアルバイト状態だ。だから収入は安定しないし、年収にすると正社員よりずいぶん少ないらしい。そんなガイドのおじさんですら、ここケアンズでは持ち家があるという。日雇いで十分暮らしていけるのが羨ましい。

 お金にこだわらない人ならば、この国に移住するのもいいかもしれない。時間はゆっくり流れているし、自然もたっぷりある。ただ、紫外線がむちゃくちゃ強い(日本の5倍以上)のと、郊外にはマジで何もない(コンビニすらない、むしろ市街にも数えるしかコンビニはなかったりする)のに我慢できればの話だ。自分は無理だ。
 美味しんぼの作者は豪州在住らしい。どういう理由で日本(そして純和食)を捨ててまで移住したのか知りたいもんだ。
 
○ビーチ、公園、カフェ
 夕方にはケアンズのビーチへ散歩に行った。澄んだ空、広い海、椰子の木、美しい建物。まさにリゾート。白人たちは半裸で完全にくつろいでいる。服を着たまま散歩に出た自分がなぜか場違いな感じだ。すぐに脱いで日光浴をしたがるからな、白人は。ヌーディストビーチではないのが非常に悔しい。いや、ヌーディストビーチならこっちも脱がないといけないのだろうから、逆に普通のビーチでよかったのかな。


 公園では芝生に寝転がる人々がたくさんいた。そしてフォークバンドが生で演奏している。リゾートの夕暮れ時にバンドの演奏を聞きながら、アイスクリームを買ってきて芝生で食べる。この自由さに乾杯!カリフォルニアもこんな雰囲気なのかな、と勝手に思っている。白人はリゾート的な、リラックスした環境を作るのがうまい。というかそうゆう習慣を持っている。日本人には決して真似できない、自然な「快適」さだ。
 
 カフェでコーヒーを飲みたかったのだが、カフェオレやカプチーノばかりで普通のコーヒーが見つからない。理由はよくわからないが、こっちでは普通のブラックコーヒーがあまりないらしい。ケアンズ近くにはコーヒー農園があり、名物として輸出もしていると聞いたのだが。名物にするぐらいウマイなら、普通のブラックコーヒーで豆の味を味わえよ、と。
 店員に「ノーマルコーヒー プリーズ」と連呼したが通じない。結局カプチーノにしたが、こちらも発音に四苦八苦した。マフィンを頼むと異常に大きくて、350ml缶ぐらいある。かつ不味い。
 そして砂糖の容器が日本で言う七味唐辛子みたいな、逆さにして振るタイプで、ふたがしっかり閉まっていないまま振って蓋+大量の砂糖がカップの中に飛び込むというハプニングを経験した。
 外国ってのは本当に恐ろしいところだ。

つづく


豪州見物記②

2006年08月27日 22時47分21秒 | 欧米事情
○バンジージャンプ
 動物園の次はバンジージャンプサイトの見学だ。行く前の想像では、原住民アボリジニの成人の儀式に使う高台の見学かと思っていた(ちなみにアボリジニにそんな風習はない)。実際は白人が作った遊技場としてのバンジージャンプ台だ。

 森の中に池があり、その上に鉄骨で作ったジャンプ台がある。階段で上ってみると、高いのなんのって。澄み切った空、青い海、広大なジャングル。眺めはめちゃくちゃいいのだが、高所はけっこう苦手だ。そして値段が12000円ぐらいするのがイタイ。たかがヒモつけて飛ぶだけだろ?
 このシンプルで前近代的な遊びが、当地では立派なエンターテインメント・ビジネスとなっている。ジャンプ台の飛ぶ所の脇にはカメラを設置した台がせり出しており、ジャンパーの飛ぶ前から飛ぶ瞬間、落ちる様子までバッチリ写真を撮影している。そして動画まで取っていて、飛んだ人にDVDに焼いて売りつけるのだ。ほんの数十秒の動画で、DVDは2、3千円する。そんなの買うほどのものだろうか。旅行から帰って知人に、リビングのテレビで「バンジーやってきたんだよ俺」なんつって見せるなんて、ハズかしすぎる。

 ジャンプ台の上では2人の白人がインストラクターをやっている。タンクトップ姿のタフでワイルドな白人だ。オーディオでノリのいい音楽(たぶんレッチリ)をガンガンにかけて気分を盛り上げている。そして見学にきた旅行者を煽って飛ばせるのだ。客には日本人が多いようで、扱いが手馴れている。飛ぶことを志願した旅行者にたいして万一怪我をした時のための誓約書を書かせながら、「Ha-ha!!Kichigai!ユーアーKichigai!!」とか言ってやがる。うるせーバカヤロウ!
 僕の前で次々に日本人がジャンプしていく。白人にキチガイと煽られながら。こうやって世界中で日本人は、何らかの形で外国人にいいように利用されているんだろう。僕はこの白人インストラクターにただ言いたかった、「どうだ、日本人ってアホだろ」と。

 物好きな知り合いが何人か飛んでゆき、その度に下で見てる人たちから歓声が上がる。しかし、飛んだ後しばらく逆さ吊りのまま、池に浮かぶボートに乗った係員が来て、粛々と足のヒモを外される姿はなんだかさみしい。知り合いは皆ジャンプ台の上に残っているため、地上に降りても手持ち無沙汰だし。
 飛んだ人には帰りにTシャツがプレゼントされる。そして売店で飛ぶ瞬間の写真とDVDが販売されている。とにかく、ここでは高い所から飛ぶだけのコレが一大エンターテインメントなのだ。
 旅行者にとっては今日限りだが、この白人インストラクターは毎日毎日旅行者相手に、どこまでも青い空と海の見えるこのジャンプ台で、ファンキーなロックを大音響でかけ、「キチガイ!」だのなんだのいいながらジャンパーの足にヒモを結んでは飛ばせているのだろう。

○ジュース事情
 バンジーの高台の下には休憩所があって、飲み物を販売していた。いよいよ現地のジュースにトライだ。
 クーラーボックスには見たこともない色のゲータレードが。5色ぐらいレパートリーがある。黄色、オレンジ、青、紫などだ。香料と色素しか違わないのではないか。全て700mlボトルだし、気持ち悪くて飲めない。

 試しに買ったのはコーラみたいな色の知らないジュース。700mlで300円ぐらい。飲んでみると出ましたコレ、ルートビア!!アメリカではコーラと同じぐらいメジャーな湿布薬みたいな匂いのする炭酸飲料だ。最初は飲めるがすぐに炭酸が抜ける。そして異様に甘い。とてももう買う気にはならなかった。

 その後は、甘くなさそうなレモン系のジュースしか買わなかった。一応日本で売ってる「レモンの岩清水」(まだあるのかな?)のような商品もあって、そっちはおいしかった。
 ちなみに豪州では炭酸飲料を「ミネラルウォーター」というらしい。日本でいうミネラルウォーター(エビアンとか)は「スプリングウォーター(湧き水)」という。
 こちらのジュースはほとんど甘みが強い。イタリア料理店で出たスプライトも日本よりずいぶん甘くなっていた。帰国後、120円で350mlの普通の甘みの飲料が買える日本が、とても有難いと感じた。

○ケアンズのホテル
 宿泊したケアンズのホテルは超きれい。部屋からは海が見えてリゾート感抜群!言うこと無し、と思っていた。

 男二人一部屋なのだが、なんとバスルームが丸見え。バスルームとベッドを隔てているのは、曇り一つないガラス。ここラブホですか?NO、普通のホテルのはず。なんなのコレ。
 慌ててフロントに「ブラインドを取り付けてくれ」と電話した。ちゃんと取り付けられるようにはなっているのだ。
 部屋に来たのは白人のホテルマンの兄ちゃん。ブラインドを取り付けてくれるもなかなか作業が終わらないで苦労している。もう一人応援を呼んで、やっと取り付けが完成した。ていうか今までの宿泊客はどうしてたんだよ。この丸見え具合は恋人同士でも恥ずかしくないか?ましてや同性だと、ブラインド無しで平気だとゲイだと勘違いされかねない。

 がんばって取り付けを終えた兄ちゃんには、西洋の風習に従ってちゃんとチップを渡してやった。我々がケチでしみったれた民族だと思われては困るからだ。「サンキュー、イッツチップフォーユー!」日本円で105円を握らせた。(世界的に穴の空いた硬貨は珍しがられるらしいから、5円玉はおすすめだ。)

つづく

豪州見物記①

2006年08月13日 19時59分34秒 | 欧米事情
 会社の都合でオーストラリアに行くことになった。初の海外旅行だ。行き先はシドニーではなく、ケアンズという観光都市。
 僕はずっと海外に憧れていた。正しくは欧米の生活に憧れを持っていた。これまで本ブログを読んでた方ならご存知だろう。今回はヨーロッパでもアメリカでもなくオセアニアだが、海外ってどんなものか、会社のお金で見物できる有難い機会だ。

○準備
 仕事が忙しくてあっと言う間に数日前。とりあえず紫外線対策におしゃれな帽子を探す。普段は決して買わないような、白基調で熱帯系の植物の柄が描かれた中折れ帽を購入。リゾートっぽくてテンションが上がる。
 デジカメがぶっ壊れたので今回は写るんです27枚撮を3つ購入した。
 そして4泊5日の旅行で体力が持つか不安なので栄養ドリンクを3本。
 なんやかんやで当日を迎えた。

○出発~到着
 出発直前にオーストラリアには食べ物の持込が禁止されていることを知る。体力の頼みの綱の栄養ドリンクを泣く泣く置いていった。
 夕方から遠くて不便な関空に向かい、出国審査を受け、夜7時頃、飛行機に搭乗した。
 今回はオーストラリア航空だ。この航空会社の特徴は、CAが実用重視ということ。オーストラリア航空の女性CAは、日本のCAみたいに若さ・綺麗さ重視ではない。しかも普通に男性CAもいるのが驚きだ。
 エコノミーだからシートは狭い。これで一晩過ごすのか・・・。
 飛行機が飛んでも、夜なので景色を見下ろしても見えないのが残念だった。
 しばらく本を読んで過ごし、待ちかねた機内食登場!オーストラリア航空の機内食とは、どんなものなのか楽しみにしていた。
 外国の航空会社だからまずいかと思っていたが、パンとチキンとヨーグルト、これがけっこうウマイ。かなりの満足度。関空の売店が高かったので、ケチって何も食べてこなかったせいかもしれないが。
 機内で聞けるラジオみたいなやつは、楽しみにしていたのだがヘッドホンが安物すぎてまともに聞けない。しばらく寝た。
 すると日本時間で夜3時ごろ、コーヒーとピザパンが配られる。朝5時着なので、その前に「朝食」が配れるのだ。全然寝られないし。
 
 そして到着。空港でさっそく自販機に目を奪われる。僕は飲み物フリークだ。豪州のジュースが気になった。なんかペットボトルがデカイ。700mlが標準のようだ。そして見慣れない金銀のボトルのコーラ。多分中身は普通と変わらないのだろう。こちらのジュース事情に関しては後に体験することになる。
 空港から外に出るが、朝早いので真っ暗。空気感は家の近所と変わらない。ただ、椰子の木など熱帯植物のシルエットが、夜明けの空をバックにうっすら浮かび上がっていて南国を感じさせた。
 
○アボリジニのテーマパーク

 朝食を取ったのは、アボリジニのテーマパークのレストランだ。外観がまるでジュラシックパーク。山と熱帯雨林、湖の見えるレストランはダイナミックな感じだ。夜はここでアボリジニのショーが行われるらしい。なんでも有名なアボリジニのダンスチームがいるそうで、連日連夜公演しているそうだ。観光用に作られたアボリジニだな。このテーマパーク自体も、友人いわく「USJみたい」と。そう言われればそう見えてきた。
 朝食はビュッフェ形式だった。御飯とベーコンを口に入れて驚いた。「!?」、不味い・・・。なんとも言えない御飯のマズさ。独特の臭みがある。ベーコンも臭みアリ。ついでにフルーツもB級品の味で、コーヒーは泥水のよう。味噌汁も用意してあったが食べないでよかった。とんでもない国にきてしまったのかもしれない・・・。
 一応、腹を満たした後、おみやげ屋を見る。アボリジニグッズのブーメランや楽器があるが、どれもそれほどカッコよくない。民族芸術の魅力がそれほど感じられない。お土産用につくられたものだからだろう。結局旅行を通してアボリジニのアートで面白いものには出会えなかった。

○ケアンズのビーチ

 観光名所のビーチへ行く。水平線まですっきり見渡せる綺麗なビーチだ。ただ、水が濁っている。海底の砂が混ざって常に濁っているらしい。この海岸もとても美しいのだが、空の色は日本のきれいな海岸とそれほど変わらない。
 夢のように美しい蒼い空や澄んだ海が見られるのは、何処の国なのだろう??邦楽アーティスト、タンバリンズの新譜のジャケ写真は南国のようで、実は撮影地は大阪府貝塚市らしいし。地中海とかなら、すごいのかもしれない。
タンバリンズのジャケ。

○ケアンズ動物園
 小さい動物園だ。目玉はコアラを抱いての記念撮影。しかし、コアラはひっきりなしに来る客に抱かれ、疲れている感じ。自分も抱いて写真を撮ろうかと思ったが、この観光経済の被害者とも言えるコアラが不憫になり、撮影をやめた。ていうか臭いんだよ、コアラ。動物だから当たり前かもしれないけど、お尻の周り汚いし。
 そしてカンガルー。広い囲いの中で放し飼い。木陰でぐったりと寝ている数十匹。このように完全にダラけたカンガルーの群れを見ても、感動などできない。のら犬みたいな感じだ。
 子持ちのカンガルーもけっこう居た。おなかのポケットに子供が入っているのだが、なんと逆さまに入っているやつを発見。足が二本、ポケットの口から飛び出してる。頭をポケットの中に突っ込んで寝て、窒息しないのだろうか?
 
 ワニも山ほどいた。金網一枚隔てて、近くで見れる。ワニも木陰で寝ているのだが、目を開けたままピクリともしない。まるで死んでいるようだ。そんな不気味な静けさのワニが、一つの囲いに10匹以上いたりする。明らかに詰め込み過ぎだ。
 中でも印象的だったのは顎の噛み合わせが悪い個体だ。細長い顎が閉じた状態でX字で重なっている。彼の名前はGUMMYだそうだ。噛むと言う意味の単語GUMから付けた名前だろう。この噛み合わせの悪さが凄みとなっている。こいつも目を開けたまま寝ているのか、金網を蹴ってもピクリとも反応しないのが怖い。
 コアラもカンガルーも、現実は理想とは遠い姿であった。そんなに憧れを持っていたわけではないけれども。ちなみにこの動物園でよかったのはカラフルできれいな熱帯性の鳥類だ。
 動物園から出る時、お土産屋でコアラクリップ12個詰め合わせを見つけた。出発前、旅行社から貰った通信販売のパンフにのっていたのと同じものだ。パンフでは1200円だったが、ここでは6オーストラリアドル。ここ現地ではほぼ半額であると知り、おみやげとして即購入した。しかしこのコアラクリップがこの旅行中、おそるべきデフレを見せ、僕を悩ませることになる・・・。

つづく

追伸:数ヶ月前に書いたメローイエローという炭酸飲料は、結局飲めないまま販売終了してしまいました。無念。
 しかし、地元でマウンテンデュー500ml缶が入った自販機を発見。思いもかけない幸運だった。こちらは消えないことを祈っている。