【音楽アルバム紹介】Skylarking(1986) - XTC

イギリスのロックバンド、XTC(エクスタシー)の8thアルバム。

ポップス職人トッド・ラングレンのプロデュースで作成されたが、他者の介入を嫌うアンディ・パートリッジといくつも軋轢を生み完成まで難航した作品。

結果としてポップでサイケな雰囲気を持つ良質な楽曲が複数並び、彼らの最高傑作として扱われることになります。

また、トッドのプロデュースにより一日、季節、人生など繰り返すものがアルバムのテーマとなっています。

【トラックリスト(2001年再発盤ver.)】

1. Summer's Cauldron

2. Grass

3. The Meeting Place

4. That's Really Super, Supergirl

5. Ballet for a Rainy Day

6. 1000 Umbrellas

7. Season Cycle

8. Earn Enough for Us

9. Big Day

10. Another Satellite

11. Mermaid Smiled

12. The Man Who Sailed Around His Soul

13. Dying

14. Sacrificial Bonfire

15. Dear God

Grass

トッドによるプロデュースが功を奏した一曲

Dear God

神様に向けて手紙を送るという内容

【歌詞】

親愛なる神様へ この手紙が届いたでしょうか

この場所を善くすることを祈っています

ビールの値下げをしてほしいのではありません

でもあなたが自身に似せて作り出した全ての人々

立ち尽くし飢えている彼らを見てください

あなたから十分な食事を与えられていないからです

僕はあなたを信じられない

親愛なる神様へ お騒がせして申し訳ありません

しかし、私ははっきりと聞くべきであると感じます

私たちは皆、涙を流す量を減らすべきだと

そしてあなたが自身に似せて作り出した全ての人々

彼らが路上で争っているのを見てください

彼らはあなた(神)について意見を一致させることが出来ないのです

私はあなたを信じられない

あなたが病気もダイヤモンドの青色も作ったのですか？

私たちがあなたを創作した後に、あなたは人類を作ったのですか？

そして悪魔も作り出したのですか？

親愛なる神様へ お気づきかもしれませんが

この本にはあなたの名前がたくさん引用されています

これは狂った人類が書いたものですが、あなたはこれを一読するべきです

そしてあなたが自身に似せて作り出した全ての人々

このガラクタが真実であるとまだ信じているのです

まぁ、私はそうではない事を知っているのですが、あなたもきっとそうですよね

親愛なる神様へ 私は信じることができません

私は信じません

天国も地獄も

聖人も罪人も悪魔も

真珠の門(天国の門)も茨の冠も存在しない

あなたはいつも人間を憂鬱で不幸にさせます

あなたがもたらす戦争、あなたが溺死させる子供たち

海で行方不明になり二度と見つからなかった人々

そしてそれは世界中で同じように起こっているのです

私が見てきた傷や苦痛は、あなたが存在しない確信を強めるだけでした

父と子と精霊は

ただの誰かの不浄なでっち上げなんだと

そしてあなたがそこにいるなら、気づいているはず

私の心の内を隠さず申し上げます

もし私が信じていないことが一つあるなら

それはあなたです

親愛なる神様

【余談】

アンディ・パートリッジは無神論者ですが、この曲が彼の宗教観を表してはいないとのこと。

当然のことながら、バンドは抗議や批難の手紙・電話を多数受け取ることになります。

そしてアンディは「気分を害して申し訳ない」と謝罪するとともに「家に爆弾を落とされるような事でもない限り、異なる意見を受け入れられないならそれは彼らの問題だ」とも述べています。