名盤まとめブログ

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【音楽アルバム紹介】Astral Weeks(1968) - Van Morrison

2024-08-06 13:02:15 | ・1960年代(洋楽)
アイルランドのシンガーソングライター、ヴァン・モリソンの2ndアルバム。
非常に美しく、神秘的な輝きを放つ傑作。

ジャンル:フォーク・ロック
オススメ度:★★★★★👑(極めて芸術性の高い作品)

『アストラル・ウィークス』が発表されたとき、ヴァン・モリソンは23歳でした。彼が在籍していたロックバンド『ゼム』は解散しており、バート・バーンズが設立したバングにヴァンは所属することになります。しかし、バート・バーンズの死によりヴァンはワーナー・ブラザースに移籍して本作のレコーディングを開始することになります。

ジャズ畑で育った腕利きのミュージシャンとフルート/ソプラノサックス奏者のジョン・ベインを迎い入れレコーディングされた本作はたった2日間で録音されました。

ヴァンが奏でるアコースティックギターとヴォーカルにぴったり呼応するかのように即興的に演奏され、ジャズ的な要素を併せ持つ唯一無二の作風に仕上がっています。
また歌詞も内省的なものが多く、ゼムの解散、バート・バーンズの死、ワーナーへの移籍などが重なった結果、不安を感じつつもどこか達観したような雰囲気も持っており、『アストラル・ウィークス』のサウンドに見事にマッチしています。

全曲名曲ですがオープニングを飾る名曲「Astral Weeks」、ヴァンのギターと歌を堪能できる「Sweet Thing」、彼の心情を吐露したような「Ballerina」、アルバムの最後を飾る切ない「Slim Slow Slider」なとは必聴。

ちなみにヴァン・モリソン本人は後年『アストラル・ウィークス』について次のように語っています。
"ロックという音楽から抜け出したかった。だからロックとは異なるフィーリングを持った歌がたくさん入ったアルバムを作りたいと思った。完成したアルバムはロックから離れることができたが、評論家やリスナーは「これぞロック・アルバムだ」と騒ぎ立てた。僕はロックから離れたかったのにね。"

総評として神秘的で美しく、聴くものの感情を揺さぶる本作は間違いなくロック史に残る大名盤であると言えます。

【トラックリスト】
1. Astral Weeks
2. Beside You
3. Sweet Thing
4. Cyprus Avenue
5. The Way Young Lovers Do
6. Madame George
7. Ballerina
8. Slim Slow Slider


Astral Weeks



【和訳】
もし僕が後流に飛び込んでみたなら
君の夢の高架橋の間を
動かない鋼鉄の車輪がひび割れている場所
裏道の行き止まりとなる溝に

君は僕を見つけてくれるだろうか?
僕のまぶたにキスをしてくれるかい?
静かで優しい場所に僕は横たわる
生まれ変わる、生まれ変わる

海のずっと向こう側から
僕が車輪を動かし始めたら
腕を後ろにまわし立ちながら
ドアを押したなら

君は僕を見つけてくれるだろうか?
僕のまぶたにキスをしてくれるかい?
静かで優しい場所に僕は横たわる
生まれ変わる、生まれ変わる

ほらね君は
貪欲そうに見つめて立ったまま
レッドベリーに話しかけている
壁に掛けられた写真を見せて
廊下で囁いたり
そして僕を指差す
ほらね君は、そう君は
太陽の光の中に立っていて
腕を後ろにまわして
目の前で
ほら君は
君の男を世話している
彼が洗濯した服を着て
彼が用意した小さな赤い靴を履いて
彼が洗濯した服を着ているなんて僕はわかるさ
小さな赤い靴を履いていることも
僕を指差している
そうさ、君の悲しい拘束に耐えながら
僕は最善を尽くしている
君の正面に立ちなから
僕は持ちこたえている

もし僕が後流に飛び込んでみたなら
君の夢の高架橋の間を
動かない鋼鉄の車輪がひび割れている場所
裏道の行き止まりとなる溝に

君は僕を見つけてくれるだろうか?
僕のまぶたにキスをしてくれるかい?
静かで優しい場所に僕は横たわる
生まれ変わる、生まれ変わる
生まれ変わる、生まれ変わる

別の世界で
別の世界で、別の時代で
故郷は遥か高く
見知らぬ人しかいないこの世界で
僕はこの世界で余所者
故郷は遥か高く
遥か遠い別の地で
天国に昇る

別の時代に、別の場所で
別の時代に、別の場所で
天国に昇る
別の時代と別の場所で
別の時代と別の場所で
そして別の顔で