どうでもいい四百字 第二中間貯蔵施設

どうでもいい四百字 4087

これも英国気質であろうか。200年近い歴史を誇る「傾いたパブ」が火災に遭い廃業の危機に有ったが、地元議会は「傾いた状態で再建せよ」と云う命令を下したそうである。19世紀に石炭採掘のせいで起きた地盤沈下が傾いた原因との事だが、その儘営業し続けていた所が何とも英国っぽい。酔ってもいないのに平衡感覚がおかしくなる所が多くの人に愛されたのかも知れない。多分パブの営業も再開するのだろう。形ある文化財としての価値は失われたが、「そう云う変なモノ」を伝承する事に意義を見出しているのだと思う。文化と云うものは案外そういう変なモノな気がする。幾つもの災害や戦火やうっかりさんを乗り越えてきた有形物にも当然価値は有ろうが、受け継ごうとする人が居なければいずれ朽ち果てるものである。保存しなくても今の生活に直接の支障は出ないが、それでも何となく保存せずにはいられない変なモノが、私達の支柱を構成している様に思えるのである。

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