このダイナミズムは日本では無理かな。Appleの独自SoC「M1」を開発したエンジニアが、Intelに転職したそうである。自動車業界で例えればトヨタのエンジン開発責任者がルノーに転職する様なもので、ビジネスライクはかくあるべしと云う典型を見た思いである。尤もIntelやNVIDIAに勤務していた経験もお持ちの様である。当人はライバル同士の諍いはどうでもよく、自分のスキルを高く買ってくれる所を転戦している気分なのであろう。転職を重ねる度に箔が付くのも確かである。ただ労働市場の荒海を渡り歩いてオマンマが食える能力と神経の図太さを兼ね備えた人は極少数であり、帰属意識とか忠誠心とかでその不足を補っている場合が殆どだろう。雇用側としても義理人情とかしがらみとかで束縛した方が安くつくし、何より最新最速のSoCを開発する様な仕事以外の方が圧倒的に多い。そんな双方の思惑を擦り合わせて落し所に寄せるビジネスライクも欠点ばかりではないとは思うのである。
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