人権問題は何とも厄介である。「マスクを付けずにブラブラする権利」を侵害するのは、現在の国内法の範囲内では確かに不当である。「パンツを穿かずにブラブラさせる権利」が著しく制限されている事と照らし合わせれば法制度に不備が有る様にも思えるのだが、公益に対する問題の質がちょっと違うのかも知れない。公衆の面前でブラブラさせればそこから二次被害に発展する危険性は極めて高く、治安を維持する為には私権の制限するのも已む無しと云う総意は容易に得られると思う。マスク未着用でブラブラもバイオテロ予備軍と考えれば看過出来ない凶行ではあろうが、その為だけに法案を起草すると云うのもアホらしい話である。迷惑防止条例に無理矢理引っ掛ける事も出来なくは無いが、法の拡大解釈は将来に禍根を残す。個人の権利と公共の福祉の健全な緊張関係を維持する為にも、余計な所で人権意識をブラブラさせて変な軋轢を生み出さないのが望ましいのである。
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